「家の前が私道です。建替えのとき、水道や下水工事で道路を掘る場合は、私道所有者の許可が必要ですか?」
私道を掘削して、
水道。
下水。
ガス。
などの工事を行う場合、
私道所有者等との権利関係や承諾について確認が必要になるケースがあります。
ただし、
「私道なら必ず同じ形式の掘削承諾書が必要」
と一律には言えません。
私道の所有関係や既存の権利、工事内容などによって異なります。
重要なのは、
解体する前に「新築に必要なライフライン工事ができるか」を確認しておくこと
です。
なぜ建替えで道路を掘るの?
古い家ですでに、
水道。
下水。
ガス。
を使っていても、新築時に既存設備をそのまま利用できるとは限りません。
例えば、
給水管が古い。
口径を変更する。
配管位置を変更する。
排水経路を変更する。
などで道路側の工事が必要になる場合があります。
「今、水道が使えているから大丈夫」ではない
現在の住宅で水道が使えている。
だから新居もそのまま接続。
とは限りません。
新しい住宅の、
配置。
設備。
給排水計画。
に合わせて確認します。
まず私道の所有者を確認
私道が、
1人の所有。
夫婦共有。
近隣5人で共有。
複数筆に分かれて所有者も違う。
など、さまざまなケースがあります。
登記事項や公図等で確認します。
自分に私道持分がある?
ここも重要です。
例えば私道を近隣5人で共有し、自分も持分を持っている。
というケース。
一方、
自宅は私道に面しているけれど、自分には私道持分がない
というケースもあります。
持分があれば自由に掘れる?
自分に持分があるから、
「自分の道路でもあるので自由に掘れる」
とは単純には判断できません。
共有関係や工事内容などを確認する必要があります。
掘削承諾とは?
簡単にいうと、
私道に、
給水管。
排水管。
ガス管。
などを施工するため、道路を掘削することについて所有者等から承諾を得るものです。
具体的にどのような承諾・手続きが必要かは個別に確認します。
通行承諾と掘削承諾は違う
ここは非常に重要です。
通行できる
ことと、
道路を掘れる
ことは同じとは限りません。
「50年間この道を通っている」
というだけで、新しい配管工事まで自由にできるとは判断しないことです。
昔の承諾書が残っている場合
親が家を建てたときに、
通行承諾書。
掘削承諾書。
道路使用に関する書類。
などを取得している場合があります。
古い建築資料と一緒に探してみます。
昔の承諾書がそのまま使える?
書類が見つかっても、
今回の建替えに利用できる?
所有者が変わっている?
内容は何を承諾している?
を確認します。
古い承諾書がある=今回も無条件で大丈夫
とは決めつけないことが重要です。
所有者が変わっていることもある
30年前はAさん所有。
現在は、
相続。
売買。
などでBさん所有。
という場合があります。
現在の登記事項で確認します。
所有者が亡くなっていたら?
登記上の所有者が亡くなっている。
さらに相続登記が済んでいない。
となれば、必要な承諾等を得るために相続関係の確認が必要になる可能性があります。
建替え直前ではなく早めに調べます。
所有者が複数なら?
共有者が複数いる場合、
どのような同意・承諾が必要になるかを確認します。
「代表者1人に聞けばいいだろう」
と自己判断しないことが重要です。
承諾が取れなかったら?
これが私道建替えの大きなリスクです。
新築はできそう。
でも、
必要な給排水工事ができない。
となれば、計画に大きく影響します。
だから、
解体前に確認する
ことが重要なのです。
配管を既存のまま使える可能性も
現在の引込管等が、
状態。
位置。
口径。
新築計画。
に対して問題なければ、利用できるケースも考えられます。
まず住宅会社・設備業者等に現況を調査してもらいます。
道路を掘らない方法がある?
現場条件によっては、既存配管の利用など別の方法を検討できる場合もあります。
ただし、
「承諾が面倒だから古い管を使う」
ではなく、新居で長期間安心して使えるかを優先して判断します。
住宅ローンでも確認されることがある
金融機関によっては、
私道持分。
通行関係。
掘削関係。
などの資料を確認する場合があります。
住宅ローン審査も早めに進めます。
売却時にも関係する
自分たちは住み続けるから大丈夫。
と思っても、
将来子どもが相続。
↓
売却。
となったとき、私道の権利関係が問題になる可能性があります。
建替えを機会に書類を整理しておくことは重要です。
よくある失敗例
「今まで水道も下水も使えているから問題ない」
と思って建替えを開始。
解体後、新築の給排水計画で私道掘削が必要と判明。
そこで初めて、
私道所有者。
持分。
掘削関係。
を調べ始めた。
「家を壊す前に、ライフラインまで確認すればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- 私道所有者を確認したか
- 自分の持分を確認したか
- 共有者を確認したか
- 通行関係を確認したか
- 掘削関係を確認したか
- 古い承諾書等を探したか
- 既存給排水管を確認したか
- 新築で掘削が必要か確認したか
- 住宅ローンへの影響を確認したか
- 解体前に必要な調整を終えたか
まとめ
私道の建替えでは、
「通れるか」だけではなく、「必要な工事で掘れるか」まで確認すること
が重要です。
順番は、
私道所有者
↓
持分
↓
通行関係
↓
既存配管
↓
新築の給排水計画
↓
掘削の必要性
↓
必要な承諾・手続き
です。
住宅会社へ、
「私道でも建替えできますか?」だけではなく、「新築の水道・下水・ガス工事で私道掘削が必要になるか、解体前に確認してください」
とお願いする。
私道の建替えは、「家が建つか」だけでなく「生活に必要な配管工事までできるか」を確認する。
これが重要なポイントです。
















