「第一種換気に“全熱交換”と“顕熱交換”がありますが、何が違うんですか?」
第一種熱交換換気を調べると、
全熱交換。
顕熱交換。
という言葉が出てきます。
かなり専門的に聞こえますが、違いを簡単に言えば、
温度だけを交換するのか、湿気に関係するエネルギーも含めて交換するのか
という考え方です。
まず「顕熱」とは?
顕熱とは簡単に言えば、
温度変化として現れる熱
です。
例えば、
空気を10℃から20℃へ暖める。
これは温度が変わります。
このような、
温度として確認できる熱
を顕熱と考えると分かりやすいです。
「潜熱」とは?
もう一つが、
潜熱
です。
空気中の水蒸気など、水分の状態変化に関係する熱です。
少し難しいので、住宅では、
湿気に関係する熱
くらいのイメージから始めれば十分です。
顕熱交換とは?
顕熱交換は、
主に、
排気と給気の間で温度に関係する熱を交換する方式
です。
基本的には、排気側と給気側の湿気を移しにくい構造を採る方式です。
つまり、
温度の熱交換を中心に考える
方式です。
全熱交換とは?
全熱交換は、
顕熱+潜熱
を交換する方式です。
つまり、
温度だけでなく、
湿気に関係するエネルギーも含めて熱交換する
という考え方です。
冬なら何が違う?
冬は、
外気が乾燥している。
室内は人の生活などによって水蒸気が発生する。
という状況があります。
全熱交換では、設備の方式・条件に応じて、排気側の湿気の一部を給気側へ移すことで、
換気による室内の乾燥を抑える方向に働く
場合があります。
ただし、
全熱交換換気=加湿器
ではありません。
夏はどうなる?
夏は、
外が高温多湿。
室内は冷房・除湿。
という状況があります。
全熱交換では、外から入ってくる湿気の一部を排気側へ移すことで、
換気による湿気の流入を抑える方向に働く
場合があります。
そのため、冷房・除湿負荷を考えるうえでも関係します。
顕熱交換なら湿気はどうなる?
顕熱交換では、基本的に湿気を積極的に戻さない考え方です。
そのため、
室内で発生した湿気を排出したい。
給気と排気の湿気を分けたい。
といった設計上の考え方があります。
ただし、住宅全体の湿度環境は換気方式だけで決まりません。
どちらが高性能?
ここで、
全熱=上
顕熱=下
とは考えないでください。
地域。
家族人数。
室内で発生する湿気。
空調方式。
換気設備の構造。
メンテナンス。
などによって考え方が変わります。
大切なのは、
自分たちの住宅でなぜその方式を選んでいるのか
です。
「湿度を交換する」と「湿度が一定になる」は違う
全熱交換換気を採用すると、
「家の湿度が一年中50%になります」
という意味ではありません。
室内湿度には、
外気。
家族人数。
入浴。
料理。
洗濯物。
冷暖房。
除湿。
加湿。
など多くの要素が関係します。
熱交換換気は、
湿度管理を助ける一つの設備
として考えます。
臭いは戻らないの?
全熱交換では湿気に関係する交換を行うため、
「トイレや料理の臭いも戻るの?」
と疑問を持つ方もいます。
ここは採用する設備の構造や換気計画によって考え方が異なります。
トイレ。
浴室。
キッチン。
などをどのように排気するのか。
熱交換器を通すのか。
別系統なのか。
実際の換気経路を住宅会社へ確認する
ことが重要です。
熱交換素子のメンテナンスも確認
全熱交換でも顕熱交換でも、
熱交換器。
フィルター。
ファン。
などがあります。
長期間使う設備ですから、
清掃。
交換。
費用。
本体寿命。
まで確認します。
よくある失敗例
「全熱交換の方が全部交換するから上位機種」
と思って採用。
しかし、
自宅での湿度管理。
トイレ・浴室の排気経路。
フィルター清掃。
消費電力。
については確認していなかった。
後から、
「全熱か顕熱かという名前より、家全体の換気・湿度計画を確認すればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- 顕熱の意味を理解したか
- 潜熱の意味を理解したか
- 全熱交換の意味を理解したか
- 顕熱交換との違いを確認したか
- 冬の乾燥をどう考えるか
- 夏の湿気をどう処理するか
- トイレの排気経路を確認したか
- 浴室の排気経路を確認したか
- 熱交換器の清掃方法を確認したか
- 空調・除湿まで含めて考えたか
まとめ
簡単に整理すると、
顕熱交換
→ 主に温度に関係する熱を交換
全熱交換
→ 温度+湿気に関係する熱を交換
です。
しかし、
どちらが上かを決める話ではありません。
重要なのは、
その地域。
その家。
その家族。
その空調方式。
に合っているかです。
だから住宅会社へ、
「全熱ですか?顕熱ですか?」だけではなく、「なぜ、この家ではこの方式を選んでいるのですか?夏と冬の湿度をどう管理しますか?」
まで聞いてみる。
換気設備だけを見るのではなく、温度と湿度を家全体でどうコントロールするかを見る。
これが、熱交換換気を選ぶときのポイントです。
















