「太陽光を付けるなら、蓄電池もセットにした方が得ですよね?」
太陽光発電と一緒に提案されることが多い、
家庭用蓄電池。
昼間に発電した電気をため、
夜に使う。
停電時に使う。
という魅力があります。
ただし、
太陽光=必ず蓄電池
ではありません。
価格も大きいため、
何のために蓄電池を付けるのか
を最初に決めることが重要です。
そもそも蓄電池とは?
簡単に言えば、
電気をためて、必要なときに使う設備
です。
例えば、
昼間。
太陽光が余る。
↓
蓄電池へ充電。
↓
夜。
蓄電池から電気を使う。
という使い方ができます。
「kWh」は蓄電池でも重要
蓄電池では、
5kWh。
7kWh。
10kWh。
などの容量表示があります。
これは、
どのくらいの電力量を蓄えられるか
を見るための数字です。
kWとkWhを混同しない
ここでも、
kW
→ 瞬間的にどの程度の電力を出せるかを見る指標
kWh
→ どの程度の電力量を蓄えられるかを見る指標
と分けて考えます。
大容量だから、どんな家電でも同時に使えるとは限りません。
10kWhなら1kWを10時間使える?
単純な計算上では、
10kWh ÷ 1kW
=10時間
というイメージです。
ただし実際には、
使用可能容量。
変換ロス。
機器制御。
残量設定。
などがあります。
そのため、
カタログ容量=全部自由に使える電力量
とは限りません。
「定格容量」と「実効容量」を確認
蓄電池では、
カタログ上の容量と、
実際に使用できる容量の考え方が異なる製品があります。
だから、
「10kWhです」だけではなく、「実際に何kWh使えますか?」
と確認します。
停電したら家中使える?
ここは非常に重要です。
蓄電池がある。
↓
停電。
↓
家中のコンセントが全部普通に使える。
とは限りません。
システムによって、
特定負荷型
と、
全負荷型
などがあります。
特定負荷型とは?
停電時に、
あらかじめ決めた一部の回路へ電気を供給する方式です。
例えば、
冷蔵庫。
LDK照明。
一部コンセント。
など。
停電時に本当に必要な設備へ絞って使います。
全負荷型とは?
停電時に、住宅内の広い範囲へ電力を供給できるシステムがあります。
ただし、
家中の家電を無制限に同時使用できる
という意味ではありません。
蓄電池・システムの出力上限があります。
停電時にIHは使える?
これも、
蓄電池があるから必ず使える、
とは言えません。
IH。
エアコン。
電子レンジ。
エコキュート。
などは大きな電力を使う場合があります。
蓄電池の、
出力。
200V対応。
回路。
などによって変わります。
「停電したら何を使いたい?」から決める
例えば、
冷蔵庫。
スマホ充電。
照明。
Wi-Fi。
テレビ。
夏ならエアコン。
これをまず書き出します。
そして、
何W・何kW必要なのか
を確認する。
容量から選ぶのではなく、
停電時の生活から容量・出力を決める
ことが重要です。
太陽光があれば停電中も充電できる?
太陽光+蓄電池システムでは、停電時に太陽光から蓄電池へ充電できる構成があります。
昼間、
太陽光発電。
↓
家で使用。
↓
余剰分を蓄電池へ。
↓
夜に使用。
という使い方ができれば、停電が長引いた場合の安心感につながります。
ただし実際の動作は採用システムで確認します。
蓄電池なしでも太陽光は停電時に使える?
太陽光発電システムには、停電時に一定条件で自立運転を利用できるものがあります。
ただし、
使えるコンセント。
出力。
操作方法。
天候。
などに制限があります。
だから、
太陽光だけの場合と蓄電池ありの場合で、停電時に何が違うのか
を具体的に比較します。
経済性だけで元を取れる?
ここは慎重に考えたいところです。
蓄電池は、
昼間の余剰電力をためて夜に使うことで、買電を減らす方向に働きます。
しかし、
本体価格。
工事費。
電気料金。
売電条件。
使用量。
劣化。
将来交換。
などによって経済性は変わります。
だから、
「○年で絶対元が取れます」だけで判断しない
ことが重要です。
蓄電池は劣化する?
蓄電池は充放電を繰り返す設備です。
長期間使用すると、蓄電できる容量が変化していく可能性があります。
そこで、
保証期間。
保証容量。
サイクル。
などを確認します。
「サイクル」とは?
一般的には、
充電。
↓
放電。
という繰り返しを、
サイクル
として表すことがあります。
ただし保証条件やカウント方法は製品によって異なります。
数字だけ比較せず、保証内容を確認します。
15年後に交換するとしたら?
蓄電池は住宅本体と同じ寿命とは限りません。
だから、
30年間のシミュレーションでは、
将来交換する可能性
も考えておきます。
初期費用だけでなく、
交換費用まで含めて比較します。
V2Hという選択肢もある
EVに大きなバッテリーが搭載されている場合、
車の電気を住宅で利用できるシステムがあります。
将来EVを所有する予定なら、
家庭用蓄電池。
V2H。
両方。
のどれが自分たちに合うか比較する方法もあります。
エコキュートも「太陽光をためる」方法の一つ
昼間の太陽光で、
エコキュートを沸かす。
↓
お湯として夜に使う。
これは電気そのものを蓄えるわけではありませんが、
太陽光を熱として自家消費する方法
です。
だから、
太陽光が余る。
↓
すぐ蓄電池。
ではなく、
エコキュート。
EV。
生活時間。
なども含めて考えます。
よくある失敗例
「太陽光を載せるなら蓄電池もセットがお得」
と言われ、そのまま採用。
しかし、
停電時に使える回路。
実効容量。
最大出力。
将来交換費。
については確認していなかった。
後から、
「何kWhあるかより、何を何時間使えるのかを聞けばよかった」
と気づいた。
チェックポイント
- 蓄電池を付ける目的を決めたか
- kWとkWhの違いを理解したか
- 実際に使える容量を確認したか
- 最大出力を確認したか
- 特定負荷・全負荷を確認したか
- 200V機器が使えるか
- 停電時に使いたい家電を書き出したか
- 太陽光から再充電できるか
- 容量保証・保証期間を確認したか
- 将来の交換費用まで考えたか
- V2Hとの違いを比較したか
- エコキュート・EVによる自家消費も比較したか
まとめ
蓄電池は、
太陽光を付けたら必ず必要な設備ではありません。
大切なのは、
「何のために蓄電池を付けるのか?」
です。
電気代を減らしたいのか。
太陽光の自家消費率を上げたいのか。
停電対策を重視するのか。
目的によって必要な容量やシステムは変わります。
だから住宅会社へ、
「蓄電池は何kWhですか?」だけではなく、「停電したとき、冷蔵庫・照明・Wi-Fi・エアコンを同時に使うと何時間程度使える想定ですか?」
と聞いてみる。
さらに、
「15年・20年後に蓄電池を交換すると仮定した場合でも、経済的なメリットがありますか?」
まで比較する。
そして、
太陽光。
エコキュート。
EV。
V2H。
蓄電池。
を別々に考えるのではなく、
家全体のエネルギーシステムとして考える。
蓄電池は「付ければ得」ではなく、目的・容量・出力・交換費まで確認して判断する。
これが蓄電池で後悔しないポイントです。
















