「住宅会社から“断熱等級6です”と言われました。でも、そもそも断熱等級って何ですか?」
家づくりを始めると、
断熱等級5。
断熱等級6。
断熱等級7。
という言葉を聞くようになります。
数字が大きい方が良さそうなのは分かる。
でも、
「何を表している数字なの?」
という方も多いと思います。
まずは、ここから説明します。
そもそも「断熱等級」とは?
断熱等級とは、
正式には、
「断熱等性能等級」
といい、
住宅の断熱性能を評価するための基準です。
簡単に言えば、
「外の暑さ・寒さの影響を受けにくく、室内の熱を逃がしにくい家かどうかを見るための等級」
と考えると分かりやすいです。
数字が大きくなるほど、求められる断熱性能も高くなります。
現在は等級1〜7まである
断熱等性能等級は、
等級1〜等級7
まで設定されています。
その中でも、これから新築住宅を検討する際に比較することが多いのが、
等級4・5・6・7
です。
大まかには、
等級4
従来の省エネ基準レベル
等級5
ZEH水準
等級6
さらに高い断熱性能
等級7
現行制度上、最も高い断熱等性能等級
という位置づけで考えると分かりやすいでしょう。
では、なぜ断熱性能が重要なの?
例えば真冬。
外は5℃。
室内はエアコンで22℃。
断熱性能が低ければ、室内で暖めた熱が外へ逃げやすくなります。
反対に断熱性能が高ければ、
室内の熱を保ちやすくなります。
夏も同じです。
冷房で涼しくした室内へ、外の熱の影響を受けにくくする。
つまり断熱とは、
エアコンでつくった快適な室温を守るための「家の保温性能」
と考えるとイメージしやすいと思います。
断熱性能が高いと何が変わる?
適切に設計・施工された住宅では、断熱性能を高めることで、
冬に室温が下がりにくい。
夏に外気温の影響を受けにくい。
冷暖房負荷を抑えやすい。
部屋間の温度差を小さくしやすい。
といったメリットが期待できます。
つまり、
快適性だけでなく、冷暖房に必要なエネルギーにも関係する性能
です。
では「断熱等級7」が絶対に正解?
ここが今回のポイントです。
数字が大きいほど求められる断熱性能は高くなります。
しかし、
「とにかく一番高い等級を選べば、それだけで最高に快適な家になる」
とは限りません。
なぜなら、家の快適性には断熱以外にも、
窓。
気密。
日射。
換気。
エアコン。
間取り。
などが関係するからです。
断熱等級6でも「暑い家」はあり得る
例えば、
断熱等級6。
でも、
西側に大きな窓。
夏の西日が大量に入る。
軒やシェードなどの日射対策がない。
となれば、夏に暑さを感じる可能性があります。
断熱性能が高いことと、
日射を適切にコントロールできていることは別の話
です。
「断熱」と「気密」も別
これも非常に重要です。
断熱性能が高い。
=
自動的に気密性能も高い。
ではありません。
断熱は、
熱を伝わりにくくする性能。
気密は、
建物の隙間を少なくすること。
です。
だから高断熱住宅を検討するなら、
断熱等級だけでなく、
「全棟で気密測定をしていますか?」
まで確認したいところです。
窓も断熱性能の重要な部分
壁に高性能な断熱材を入れていても、
窓の仕様を考えなければなりません。
サッシ。
ガラス。
窓の大きさ。
窓の方角。
なども住宅の温熱環境に関係します。
だから住宅会社へは、
「断熱材は何を使っていますか?」だけでなく、「窓は何を標準にしていますか?」
まで聞いてください。
UA値も確認する
断熱性能を詳しく見るときに出てくるのが、
UA値(外皮平均熱貫流率)
です。
簡単に言えば、
住宅の外皮から、どの程度熱が逃げやすいかを見る数値。
基本的には数値が小さいほど、熱が逃げにくいことを示します。
だから、
「断熱等級6です」
だけではなく、
「実際に建てるこの家のUA値はいくつですか?」
まで確認すると、より具体的に性能を見ることができます。
UA値についてはQ2で詳しく説明します。
等級を上げるなら費用も確認
例えば、
等級5→6。
等級6→7。
へ上げる場合、
断熱材。
窓。
施工方法。
建物形状。
などによって費用が変わる可能性があります。
だから、
「一番高い等級にしてください」
だけではなく、
「いくら追加になる?」
「冷暖房負荷はどのくらい変わる?」
「この地域ではどこまで必要?」
と比較します。
よくある失敗例
住宅会社から、
「当社は断熱等級6なので高性能です」
と言われて安心して契約。
しかし、
気密測定はしていない。
窓性能も詳しく確認していない。
西側の大きな窓の日射対策も十分考えていなかった。
完成後、
「断熱等級だけで家の快適性を判断してしまった」
と気づいた。
後悔しないためのチェックポイント
- 断熱等級の意味を理解したか
- 自分の家が何等級になるか確認したか
- UA値を確認したか
- 窓の仕様を確認したか
- 気密性能を確認したか
- 全棟で気密測定するか
- 夏の日射遮蔽を考えたか
- 冬の日射取得を考えたか
- 換気方式を確認したか
- エアコン計画まで考えたか
まとめ
断熱等級とは、
住宅の断熱性能を評価するための基準です。
基本的には、
数字が大きいほど高い断熱性能が求められます。
ただし、
断熱等級だけで「良い家」は決まりません。
断熱。
気密。
窓。
日射。
換気。
空調。
これらをセットで考えることが重要です。
だから住宅会社へ最初に聞いてほしいのは、
「断熱等級はいくつですか?」
そして、その次に、
「その断熱性能を、実際の快適さにつなげるために、気密・窓・日射・換気・空調をどう設計していますか?」
です。
断熱等級はゴールではなく、快適な家をつくるための一つの指標。
この理解から設備・仕様選びを始めることが大切です。
















