「50代で建替えるなら、住宅ローンは70歳までに完済した方がいいですか?」
結論からいうと、
「必ず70歳まで」という正解はありません。
65歳完済が合う人。
70歳。
75歳。
それ以上でも家計上問題のない人。
状況はそれぞれ違います。
重要なのは、
金融機関が設定する完済可能年齢ではなく、自分たちが何歳まで安心して返したいか
です。
完済年齢から逆算する
例えば55歳で住宅ローンを組む場合、
65歳完済
→ 10年間
70歳完済
→ 15年間
75歳完済
→ 20年間
という考え方になります。
返済期間が変われば、
毎月返済。
総利息。
退職後にローンが残る期間。
も変わります。
早く完済すれば安心?
確かに、
住宅ローンが早くなくなる。
利息負担を抑えられる。
というメリットがあります。
でも返済期間を短くすれば、
毎月返済額は大きくなりやすい
という点も考えます。
65歳完済にこだわりすぎるケース
55歳から10年間で返す。
そのため、
毎月返済がかなり大きい。
旅行を我慢。
貯蓄もできない。
教育費も厳しい。
では、現役最後の10年間が住宅ローン中心になってしまいます。
逆に長すぎるローンも考える
毎月返済を小さくするため、
返済期間を長くする。
すると、
70代。
80代。
までローンが残る可能性があります。
その年齢でも、
収入。
預貯金。
生活費。
に余裕があるのか確認します。
「完済年齢」と「金融資産」を一緒に見る
例えば、
A案
→ 65歳完済・手元資金少なめ
B案
→ 70歳完済・手元資金標準
C案
→ 75歳完済・手元資金多め
というように比較します。
単純に、
早く返せる案=一番安全
とは限りません。
70歳完済を一つの基準として比較する
50代の建替えでは、
70歳前後の完済
を一つのシミュレーションとして作ると比較しやすくなります。
ただし、これは全家庭の正解ではありません。
年金。
預貯金。
退職金。
借入額。
家族構成。
によって変わります。
退職年齢との関係を見る
例えば、
65歳退職。
70歳完済。
なら、
年金生活で5年間返済。
この5年間、
生活に問題ない?
を確認します。
75歳完済なら?
65歳退職。
75歳完済。
なら、
退職後10年間ローンが残ります。
毎月返済が小さくても、
10年間継続すること
を家計へ入れて考えます。
繰上返済を組み合わせる方法
例えば、
契約上は75歳完済。
でも、
現役中の余裕資金。
光熱費削減分。
貯蓄。
などを積み立て、
余裕があるときだけ繰上返済。
結果として70歳前後の完済を目指す。
という方法も考えられます。
最初から繰上返済を約束しすぎない
「毎年100万円必ず繰上返済」
など、無理な計画にすると、
医療。
車。
子どもの支援。
などの予定外支出が発生したとき困ります。
余裕があるときに返す
という柔軟性も大切です。
団信との関係も確認
住宅ローンに団信が付いている場合、
完済すれば当然ローン残高はなくなります。
一方、ローン残高がある期間は保障内容が家計設計に関係します。
そのため、
金利だけではなく保障も含めて繰上返済を判断
します。
80歳時点まで見る
50代・60代の建替えでは、
完済した瞬間だけを見るのではなく、
70歳。
75歳。
80歳。
で、
預貯金はいくら?
住宅修繕費は?
車は?
生活費は?
まで確認します。
「住宅ローンゼロ・預貯金ゼロ」は避けたい
例えば65歳で、
住宅ローン完済。
でも預貯金もほとんどない。
より、
住宅ローンが少し残っていても、
生活予備資金。
医療費。
修繕費。
を確保できている方が安心できるケースもあります。
よくある失敗例
「借金は65歳までに絶対返す」
と返済期間を短く設定。
毎月返済が大きく、
現役中の貯蓄がほとんどできなかった。
65歳でローンはなくなった。
でも老後資金も思ったほど増えていない。
「完済年齢だけでなく、完済時にいくら残るかを見ればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- 退職予定年齢を確認したか
- 何歳まで返したいか決めたか
- 65歳完済を試算したか
- 70歳完済を試算したか
- 75歳完済も比較したか
- 毎月返済額を比較したか
- 総利息を比較したか
- 退職後の返済期間を確認したか
- 完済時の金融資産を確認したか
- 80歳時点まで資産を確認したか
まとめ
住宅ローンの完済年齢は、
「早ければ早いほど正解」ではありません。
大切なのは、
完済年齢+毎月返済+老後資金
の3つをセットで考えること。
住宅会社や資金計画の担当者へ、
「何歳までに返すべきですか?」ではなく、「65歳・70歳・75歳完済の3パターンで、毎月返済・総利息・完済時の預貯金・80歳時点の資産を比較してください」
とお願いする。
住宅ローンを早くなくすことより、ローンがなくなった後も安心して暮らせるお金を残すこと。
これが50代・60代の完済年齢を決めるポイントです。
















