「LDKが20畳なら、20畳用のエアコンを選べばいいんですよね?」
エアコンを選ぶとき、
6畳用。
10畳用。
14畳用。
20畳用。
といった、
「畳数の目安」
を見ますよね。
そのため、
20畳のLDK
=20畳用エアコン
と考えがちです。
しかし、高断熱・高気密住宅では、
部屋の広さだけでエアコン能力を決めない
ことが重要です。
そもそも「○畳用」とは?
エアコンの畳数表示は、
そのエアコンが冷暖房できる広さの目安
として表示されています。
ただし住宅は、
同じ20畳でも条件がまったく違います。
断熱性能。
気密性能。
窓。
方角。
日射。
天井高さ。
地域。
などによって、
必要な冷暖房能力は変わります。
見るべきなのは「kW」
エアコンの能力を見るときに重要なのが、
kW(キロワット)
です。
エアコンの仕様を見ると、
例えば、
冷房能力 2.8kW。
暖房能力 3.6kW。
などと表示されています。
これは、
エアコンがどの程度の冷暖房能力を持っているか
を見るための数値です。
つまり本来は、
「何畳用?」
だけではなく、
「この家には何kWの冷暖房能力が必要?」
と考える方が合理的です。
なぜ同じ20畳でも必要能力が違う?
例えば、
A住宅
断熱性能が低い。
大きな窓。
隙間が多い。
西日が強い。
一方、
B住宅
高断熱。
高気密。
高性能窓。
適切な日射遮蔽。
同じ20畳でも、
室内へ入ってくる熱。
外へ逃げる熱。
が違います。
だから、
必要なエアコン能力も同じとは限りません。
「冷暖房負荷」とは?
そこで重要になるのが、
冷暖房負荷
という考え方です。
簡単に言えば、
冬なら、
その室温を維持するために、どのくらい熱を加える必要があるか。
夏なら、
室内へ入ってくる熱を、どのくらい取り除く必要があるか。
ということです。
冬の暖房負荷は何で変わる?
主に、
外気温。
UA値。
窓。
換気。
気密。
日射。
建物の大きさ。
などが関係します。
だからQ1〜Q30で扱ってきた、
断熱。
気密。
窓。
日射。
換気。
が、
すべてエアコン選びにつながってきます。
夏は湿度も重要
夏は室温を下げるだけではありません。
外から入ってくる湿気。
人から発生する水蒸気。
料理。
入浴。
などもあります。
そのため、
冷房+除湿
の両方を考える必要があります。
「室温26℃だから快適」
とは限らず、湿度によって体感は変わります。
大きいエアコンなら安心?
ここも注意してください。
「能力不足が怖いから、一番大きいエアコンを付けよう」
という考え方です。
必要以上に大きな能力の機種を選ぶことが、必ずしも最適とは限りません。
エアコンには、
定格能力。
最大能力。
最小能力。
などがあります。
高性能住宅では負荷が小さいため、
大きすぎるエアコンが住宅の負荷に合わない
可能性も考えます。
最小能力も見る
例えば春や秋。
真夏ほど冷房は必要ない。
真冬ほど暖房も必要ない。
このような小さな負荷のとき、
エアコンがどこまで小さな能力で安定して運転できるかも重要です。
だから、
最大能力だけでなく最小能力
も比較材料になります。
吹き抜けがある場合は?
吹き抜けがある。
勾配天井。
大きな窓。
という場合も、
単純に、
「LDK20畳+吹き抜け10畳=30畳用」
と決めるのではなく、
建物全体の熱負荷から考えます。
よくある失敗例
LDK20畳だから、
家電量販店で20畳用の大型エアコンを購入。
しかし住宅は高断熱・高気密。
後から、
「住宅会社に冷暖房負荷を計算してもらい、必要能力から選べばよかった」
と気づいた。
反対に、
小さなエアコン1台で大丈夫という言葉だけを信じ、負荷計算の根拠を確認していないケースもあります。
チェックポイント
- 畳数表示だけで選んでいないか
- 冷房能力kWを確認したか
- 暖房能力kWを確認したか
- 冷暖房負荷を計算しているか
- UA値を反映しているか
- 窓・日射を考えているか
- 換気負荷を考えているか
- 最小能力を確認したか
- 最大能力を確認したか
- 地域の外気温を考えているか
まとめ
エアコンの、
「○畳用」
は選ぶための目安の一つです。
しかし高性能住宅では、
部屋の広さだけでエアコンを選ばないこと。
大切なのは、
その家に、
何kWの冷暖房能力が必要なのか
です。
だから住宅会社へ、
「LDKが20畳ですが、何畳用エアコンですか?」ではなく、「この家の冷房負荷・暖房負荷は何kWで計算していますか?」
と聞いてみる。
畳数ではなく、住宅の熱負荷からエアコンを選ぶ。
これが、高性能住宅のエアコン選びの基本です。
















