よくある質問

高断熱住宅なら小さいエアコン1台で家中快適になるの?

「断熱等級6なら、6畳用エアコン1台で家全体を冷暖房できると聞いたのですが、本当ですか?」

高性能住宅について調べると、

「家庭用エアコン1台で全館冷暖房」

という住宅を見ることがあります。

確かに、

断熱。

気密。

窓。

日射。

を適切に設計して住宅の冷暖房負荷を小さくできれば、

少ない冷暖房能力で広い範囲を空調できる可能性

があります。

しかし、

「断熱等級6=小型エアコン1台で必ず家中快適」

ではありません。

まず必要なのは「家から逃げる・入る熱を減らす」

冬なら、

暖房する。

熱が大量に外へ逃げる。

また暖房する。

という家では、小さなエアコン1台では負荷が大きくなります。

そこで、

高断熱。

高気密。

高性能窓。

熱交換換気。

などによって、

住宅そのものの冷暖房負荷を小さくする

ことが基本になります。

でも性能だけでは足りない

例えば、

非常に高断熱な家。

1階LDKにエアコン1台。

でも、

2階の寝室。

子ども部屋。

書斎。

まで空気が届かない。

これでは、

エアコン能力が足りないのではなく、

冷暖房した空気を運ぶ仕組みが足りない

可能性があります。

「熱」と「空気」は別に考える

ここが重要です。

家全体として必要な暖房能力が3kW。

エアコン能力も十分。

だから家中快適。

とは限りません。

その3kWの熱を、

リビング。

洗面。

脱衣所。

寝室。

子ども部屋。

へ、

どう届けるのか

が必要です。

個室のドアを閉めたら?

小さい子どものうちは、

ドアを開けっぱなし。

でも中学生・高校生になると、

子ども部屋のドアを閉めます。

夫婦の寝室も、

夜は閉めるでしょう。

その状態で、

エアコンの空気をどう個室へ届けるのか

を確認します。

階段や吹き抜けだけで大丈夫?

吹き抜け。

リビング階段。

を利用して空気を上下階へ動かす方法があります。

ただし、

暖かい空気。

冷たい空気。

では動き方が異なります。

また、

各個室まで届くかは別問題です。

必要に応じて、

ファン。

空気経路。

空調スペース。

などを設計します。

夏と冬でエアコン位置が違うことも

一般的に、

暖かい空気は上へ移動しやすい。

冷たい空気は下へ移動しやすい。

という性質があります。

そのため、

冬に適した暖房方法と、

夏に適した冷房方法が、

全く同じとは限りません。

1台方式を採用するなら、夏・冬の両方で空気がどう動くか確認します。

2階建てなら1階1台+2階1台もある

無理に、

「1台で全部」

へこだわる必要はありません。

例えば、

1階に家庭用エアコン1台。

2階に家庭用エアコン1台。

として、

各階をそれぞれ冷暖房する

方法もあります。

各階で温度調整しやすい。

故障時のリスクを分散できる。

といった考え方もできます。

1台が故障したら?

全館を1台だけに頼っている場合、

真夏。

真冬。

にそのエアコンが故障すると、

家全体の空調へ影響する可能性があります。

高性能住宅は温度変化を緩やかにしやすいとはいえ、故障への備えも考えます。

「6畳用」という名前にこだわらない

6畳用。

14畳用。

20畳用。

という表示だけで考えません。

重要なのは、

住宅の冷暖房負荷に対して、そのエアコンの能力が適切か

です。

「6畳用1台で40坪」

というキャッチコピーだけで判断するのではなく、

計算根拠を確認します。

冷暖房負荷計算を見せてもらう

住宅会社が、

「この家はエアコン1台で大丈夫です」

と言うなら、

私なら、

「その根拠となる冷暖房負荷計算を見せてください」

と聞きます。

さらに、

真夏。

真冬。

個室ドア閉鎖。

家族在宅。

など、どんな条件を想定しているか確認します。

温度だけでなく湿度を見る

特に夏は、

エアコン1台で室温が下がった。

でも湿度が高い。

という可能性も考えます。

快適性を見るなら、

温度+湿度

です。

換気。

除湿。

エアコン。

をどう組み合わせるのか確認します。

第一種熱交換換気は空調ではない

ここも混同しないでください。

第一種熱交換換気は、

換気設備。

家庭用エアコンは、

冷暖房設備。

です。

熱交換換気があるから、エアコン1台の空気が自動的に全室へ十分届くという意味ではありません。

換気と空調は役割が違います。

よくある失敗例

「断熱等級6ならエアコン1台で大丈夫」

という説明を聞いて採用。

LDKは快適。

しかし、

子どもが成長して個室のドアを閉めるようになると、部屋ごとの温度差が気になる。

さらにエアコンが故障すると、家全体の空調が止まる。

「台数だけでなく、空気を各部屋へどう届けるかまで確認すればよかった」

と感じた。

チェックポイント

  • 冷暖房負荷を計算したか
  • エアコン能力に根拠があるか
  • 断熱性能を確認したか
  • C値を実測するか
  • 窓・日射計画を確認したか
  • 個室を閉めた状態を考えたか
  • 夏・冬の空気の流れを考えたか
  • 温度だけでなく湿度も考えたか
  • 故障時の対応を考えたか
  • 1階1台+2階1台も比較したか

まとめ

高断熱・高気密住宅では、

少ない冷暖房能力で家を快適にできる可能性があります。

しかし、

「高性能住宅だからエアコン1台」

ではありません。

必要なのは、

住宅の冷暖房負荷を小さくする。

必要なエアコン能力を計算する。

その熱を各部屋へ届ける。

夏・冬・個室を閉めた状態まで確認する。

という設計です。

だから住宅会社へ、

「エアコン1台で大丈夫ですか?」ではなく、「この家の最大冷暖房負荷は何kWで、その熱をドアを閉めた各個室へどう届けますか?」

と聞いてみる。

そして2階建てなら、

「1台方式と1階1台+2階1台では、この家にはどちらが適していますか?」

まで比較する。

エアコンの台数を減らすことを目的にせず、少ないエネルギーで家中を快適にすることを目的にする。

これが、高性能住宅の空調計画で最も重要なポイントです。

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