「換気設備が高性能なら、給気口や排気口の位置は住宅会社に任せて大丈夫ですよね?」
高性能な第一種熱交換換気。
熱交換率90%。
高性能フィルター。
これだけ聞くと、
「換気設備は安心」
と思うかもしれません。
しかし、
換気設備本体が高性能でも、空気の入口と出口の位置が適切でなければ、家全体の換気計画は完成しません。
換気で大切なのは、
どこから入れて、どこを通して、どこから出すか
です。
まず「給気口」と「排気口」とは?
給気口
→ 外の新鮮な空気を室内へ取り入れる場所
排気口
→ 室内の空気を外へ排出する場所
です。
換気では、
給気口から入った空気が室内を通り、
最終的に排気口へ向かう、
空気のルート
を考えます。
寝室にはなぜ給気が必要?
寝室では、
夜間に長時間人が過ごします。
例えば夫婦2人で、
6時間。
8時間。
と寝ます。
その間も人は呼吸しています。
だから、
寝室へどのように新鮮な空気を届けるのか
を考えることが重要です。
給気口と排気口が近すぎると?
例えば同じ空間で、
給気口。
↓
すぐ近くに排気口。
となっている。
すると、入ってきた空気が室内全体を十分通らず、短い経路で排気される可能性があります。
これを避けるため、
空気が部屋全体を通る経路
を考えます。
個室のドアを閉めたら空気はどう動く?
ここが非常に重要です。
昼間は、
子ども部屋のドアを開けている。
でも夜は閉める。
寝室も閉める。
その状態で、
給気された空気はどこへ抜けるのでしょうか。
換気では、
ドアの下部。
通気部材。
廊下。
などを利用して空気経路を確保する設計があります。
だから、
「ドアを全部閉めた状態で、空気はどう流れますか?」
と確認してください。
アンダーカットとは?
室内ドアの下を見ると、
床との間に少し隙間があることがあります。
これを換気経路として利用する場合があります。
一般に、
アンダーカット
と呼ばれます。
給気された空気が、
個室。
↓
ドア下。
↓
廊下。
↓
排気場所。
へ流れるように計画する考え方です。
トイレ・洗面などを排気側にする理由
住宅では、
居室側から給気。
↓
廊下等を通る。
↓
トイレ・洗面などから排気。
という計画が採用されることがあります。
これによって、
比較的きれいな空気を居室へ入れ、臭いや湿気が発生しやすい場所から排出する
という空気の流れを作ります。
ただし具体的な換気経路は採用システムによって異なります。
キッチンのレンジフードは別に考える
料理をすると、
臭い。
水蒸気。
油煙。
などが発生します。
そのためレンジフードは、24時間換気とは別に大きな排気量を持つ設備として考える必要があります。
高気密住宅では、
レンジフードを強運転したときに、
どこから給気するのか
も重要です。
外の給気口と排気口も確認
給気口・排気口には、
室内側だけでなく、
屋外側の位置
もあります。
例えば、
排気した空気の近くから再び外気を取り入れる。
これでは望ましい換気とは言いにくいですよね。
だから、
外壁の、
給気。
排気。
の位置関係も確認します。
給湯設備などの排気にも注意
外気取入口の近くに、
燃焼機器等の排気。
キッチン排気。
その他の排気口。
などがないか確認します。
新鮮な外気をどこから取るか
まで含めて換気計画です。
寝室の枕元に給気口?
給気口位置によっては、
風。
音。
を感じることがあります。
特に寝室では、
ベッドの頭側。
枕元。
の近くに給気口があると、気になる人もいます。
だから、
換気図面+家具配置
をセットで確認します。
家具で給気口をふさがない
新築時は何もない部屋。
でも入居すると、
ベッド。
本棚。
カーテン。
収納家具。
などを置きます。
その結果、
給気口を家具でふさいでしまう。
ということがあります。
換気口も家具配置まで考える
必要があります。
よくある失敗例
高性能な第一種熱交換換気を採用。
設備性能には満足。
しかし寝室の給気口がベッドの頭側。
夜になると風や音が気になる。
さらに子ども部屋では家具を置いたら給気口の近くをふさいでしまった。
「換気本体だけでなく、給排気口の位置まで確認すればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- 給気口の位置を確認したか
- 排気口の位置を確認したか
- 空気の流れを図面で確認したか
- 個室ドアを閉めても換気できるか
- アンダーカット等の空気経路を確認したか
- 寝室の枕元に給気口がないか
- 家具でふさがないか
- 屋外の給気・排気位置を確認したか
- 他設備の排気位置を確認したか
- 完成後の風量測定を確認したか
まとめ
換気で重要なのは、
高性能な換気本体を付けることだけではありません。
空気は、
どこから入る?
↓
どの部屋を通る?
↓
ドアを閉めても流れる?
↓
どこから出る?
ここまで設計して初めて、換気計画になります。
だから住宅会社へ、
「第一種換気ですか?」だけではなく、「寝室のドアを閉めた状態で、給気された空気はどこを通って排気口まで行きますか?」
と聞いてみる。
そして、
実際の家具を置いた状態でも給排気口をふさがないか確認する。
設備ではなく、空気の通り道を設計する。
これが、換気設備を本当に活かすためのポイントです。
















