「太陽光発電を付けておけば、停電しても普段どおり電気が使えるんですよね?」
これは太陽光発電で非常に誤解されやすいポイントです。
屋根で太陽光が発電していても、
停電時に家中の電気がそのまま使えるとは限りません。
重要になるのが、
自立運転
という機能です。
そもそも自立運転とは?
通常、太陽光発電は電力会社の電力系統と連系して運転しています。
停電すると、安全上の理由などから通常の連系運転を停止します。
そこで対応機種では、
通常運転から自立運転へ切り替え、太陽光で発電した電気を一定の条件で利用する
ことができます。
「自立運転コンセント」とは?
太陽光発電システムによっては、停電時に、
自立運転用コンセント
から電気を使えるものがあります。
つまり、
停電。
↓
太陽光発電。
↓
自立運転。
↓
専用コンセント。
↓
必要な家電へ給電。
というイメージです。
どこにあるか知っている?
これが非常に重要です。
太陽光は付いている。
でも停電時、
「自立運転コンセントはどこ?」
「どう切り替えるの?」
となっては困ります。
新築時に、
停電時の操作方法と使用場所
まで確認しておきます。
太陽光5kWなら5kW使える?
そうとは限りません。
屋根に5kWの太陽光があっても、自立運転時に利用できる出力にはシステムごとの上限があります。
さらに太陽光発電は、
晴天。
曇天。
雨。
時間帯。
影。
によって発電量が変化します。
だから、
太陽光容量=停電時に使える電力
ではありません。
夜はどうする?
太陽光発電の大きな特徴です。
太陽が出ていない夜間は、太陽光パネルだけでは発電できません。
つまり、
太陽光だけでは夜間の停電対策には限界があります。
そこで、蓄電池。
EV+V2H。
などが選択肢になります。
曇りの日も注意
昼間だから必ず十分な電力を使える、
とも限りません。
天候によって発電量が小さくなれば、使える電力にも影響します。
停電対策では、
晴天の昼間だけを前提にしない
ことが重要です。
停電時に何を使いたい?
まず書き出します。
冷蔵庫。
スマートフォン。
照明。
Wi-Fi。
テレビ。
夏ならエアコン。
冬なら暖房。
これらの、
優先順位
を決めます。
冷蔵庫は優先度が高い
停電が長時間続くと、冷蔵庫・冷凍庫の食品への影響が出ます。
そのため非常時の電力計画では、
冷蔵庫をどの回路から使うか
を確認しておくと安心です。
Wi-Fiも意外と重要
災害時には、
スマートフォン。
インターネット。
から情報を得ることがあります。
ONU。
ルーター。
Wi-Fi機器。
にも電気が必要です。
ただし通信事業者側の設備状況などによって、停電時にインターネットが必ず利用できるとは限りません。
エアコンは使える?
ここは特に確認してください。
太陽光がある。
↓
停電時もエアコンが使える。
とは限りません。
エアコンには、
100V。
200V。
があります。
さらに必要な電力も大きくなります。
採用する、
太陽光。
蓄電池。
パワコン。
非常用回路。
によって使用可否が変わります。
真夏の停電を考える
災害対策では、
照明が点くか。
スマホが充電できるか。
だけではありません。
真夏。
外気温35℃以上。
停電。
エアコン停止。
という状況も想定します。
高断熱住宅でも、日射が入り続ければ室温上昇を完全には防げません。
だから、
日射遮蔽+非常時電源
も重要です。
冬の停電は?
エアコン暖房。
電気設備。
などが止まる可能性があります。
ここでも、
断熱性能。
気密性能。
高性能窓。
が役立ちます。
暖房が止まった瞬間に急激に室温が下がる住宅より、
熱を逃がしにくい住宅の方が非常時にも室温変化を緩やかにしやすい
からです。
エコキュートのお湯は?
エコキュートの貯湯タンクには水・お湯が蓄えられています。
非常時の利用方法を備えた製品もあります。
ただし、
飲用できるか。
どう取り出すか。
停電・断水時に通常どおり給湯できるか。
などは機種によって異なります。
非常時の取扱説明を事前に確認
しておきます。
蓄電池があれば全部解決?
蓄電池にも、
容量。
出力。
特定負荷。
全負荷。
200V対応。
などがあります。
だから、
蓄電池がある=停電前と同じ生活ができる
とは限りません。
V2Hなら?
対応するEVとV2Hを組み合わせれば、EVに蓄えた電気を住宅へ供給できるシステムがあります。
EVには比較的大きな容量のバッテリーを搭載した車種もあるため、非常時電源として活用できる可能性があります。
ただし、
車種。
設備。
出力。
接続。
などの条件を確認します。
「停電シミュレーション」をしてもらう
おすすめなのが、
停電したと仮定して説明してもらうこと。
例えば、
8月。
午後3時。
停電。
家族4人。
停電は翌朝まで。
この場合、
何が使える?
夜は?
エアコンは?
冷蔵庫は?
スマホは?
と具体的に聞きます。
よくある失敗例
「太陽光5kWがあるから停電しても安心」
と思っていた。
しかし実際に停電して初めて、
自立運転への切り替え方法が分からない。
使えるコンセントも知らない。
夜は太陽光だけでは発電しない。
と気づいた。
「設備容量ではなく、停電時の使い方まで確認すればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- 自立運転の意味を理解したか
- 自立運転への切替方法を確認したか
- 非常時に使えるコンセントを確認したか
- 最大出力を確認したか
- 夜間の電源を考えたか
- 冷蔵庫を使えるか
- Wi-Fi関連設備を使えるか
- エアコンを使えるか
- エコキュートの非常時利用を確認したか
- 蓄電池・V2Hとの違いを理解したか
まとめ
太陽光発電は、
停電時にも役立つ可能性のある設備です。
しかし、
「太陽光がある=停電しても家中いつでも使える」
ではありません。
重要なのは、
昼間は?
夜は?
晴れ?
雨?
何W・何kW使える?
どのコンセントが使える?
を確認すること。
だから住宅会社へ、
「太陽光があれば停電しても大丈夫ですか?」ではなく、「今ここで停電したと仮定して、どの家電をどこから何時間使えるのか説明してください」
と聞いてみる。
災害対策は設備を付けることではなく、停電したときに実際に使える状態まで準備すること。
これが重要です。
















