「換気は空気をきれいにするものなら、たくさん換気した方がいいですよね?」
24時間換気の目的は、
必要な量の外気を取り入れ、室内の空気を計画的に入れ替えること
です。
ここで勘違いしやすいのが、
「換気量は多ければ多いほど良い」
という考え方です。
必要な換気量を確保することは重要ですが、必要以上に外気を入れれば、
冬は冷たい空気。
夏は高温多湿な空気。
を多く取り込むことになります。
つまり、
換気は「多さ」ではなく「必要な量を計画的に」が基本
です。
換気量の単位は?
換気設備のカタログなどを見ると、
㎥/h
という単位が出てきます。
これは、
1時間に何立方メートルの空気を動かすか
を表します。
例えば100㎥/hなら、単純には1時間に100㎥の空気を換気する能力という意味です。
「換気回数」とは?
もう一つ出てくるのが、
回/h
です。
例えば、
0.5回/h
なら、
1時間に住宅内の空気量の半分相当を入れ替えるという考え方です。
ただし、家中の空気が一斉に半分だけ新品へ入れ替わるという意味ではありません。
実際には、
給気→室内→排気
という空気の流れがあります。
換気量が少なすぎると?
必要な換気量を確保できなければ、
室内で発生する、
水蒸気。
臭い。
二酸化炭素。
その他の室内空気汚染物質。
などを十分に排出しにくくなる可能性があります。
特に、
寝室。
子ども部屋。
など、夜間に長時間人がいる部屋では換気計画が重要です。
では多ければ安心?
必要以上に換気量を増やせば、
その分だけ外気も多く入ります。
冬なら、
せっかく暖房した室内から熱を多く排出することにつながります。
夏なら、
外の熱や湿気を多く取り込むことにもつながります。
熱交換換気ならその影響を抑える方向に働きますが、
熱交換率100%ではありません。
だから必要以上の換気をすればいいわけではありません。
換気量と冷暖房負荷はつながっている
例えば冬。
室温22℃。
外気5℃。
この状態で大量の外気を取り込めば、暖房でその空気を暖める必要があります。
つまり換気は、
空気環境だけでなく冷暖房負荷にも関係する
ということです。
だから高性能住宅では、
断熱。
気密。
換気。
空調。
を別々に考えません。
第一種熱交換換気の意味がここにある
第一種熱交換換気では、
排気する室内空気の熱を利用しながら給気します。
そのため、
必要な換気を行いながら、
換気による熱損失を抑える
ことを狙います。
設計風量と実際の風量は同じ?
ここも確認したいところです。
図面上では、
この部屋は○㎥/h。
こちらは○㎥/h。
と計画されていても、
ダクト。
曲がり。
分岐。
フィルター。
給排気口。
などの抵抗があります。
だから、
計画した換気量を実際に確保できているか
という視点も重要です。
完成後に風量測定する?
住宅会社によっては、完成時などに各給排気口の風量を測定・調整する場合があります。
ここは確認しておきたいポイントです。
住宅会社へ、
「換気計算をするだけですか?完成後に実際の風量も確認しますか?」
と聞いてみます。
設計した換気量と、実際の住宅での換気量は分けて考える必要があります。
フィルターが汚れると?
入居時には適切な風量。
しかし、
フィルターが汚れる。
↓
空気が通りにくくなる。
↓
換気状態へ影響する可能性があります。
フィルターメンテナンス
も換気量を維持するために重要です。
「強運転」にしておけば安心?
換気設備には、
弱。
標準。
強。
などの運転モードがある場合があります。
常に強運転にすればいいわけではありません。
風量が増えれば、
消費電力。
運転音。
換気による熱負荷。
なども変わる可能性があります。
必要な換気量に合わせて適切に運転します。
よくある失敗例
「換気は多いほど空気がきれい」
と思い、常に強運転。
しかし、
冬は給気の影響が気になる。
運転音も大きい。
電力も余計に使っていた。
反対に、
音が気になるから弱運転にしていた家庭では、必要な換気量を確保できているのか確認していなかった。
「強・弱ではなく、必要な換気量を知ることが先だった」
と気づいた。
チェックポイント
- ㎥/hの意味を理解したか
- 換気回数の意味を理解したか
- 必要換気量を計算しているか
- 各部屋の換気量を確認したか
- 換気と冷暖房負荷の関係を理解したか
- 熱交換換気か確認したか
- 設計風量を確認したか
- 完成後に風量測定・調整するか
- フィルター清掃を続けられるか
- 強運転だけに頼っていないか
まとめ
換気量は、
多ければ多いほど良いわけではありません。
大切なのは、
必要な空気を、必要な場所へ、必要な量だけ届けること。
そのうえで、
熱交換。
消費電力。
音。
メンテナンス。
まで考える。
だから住宅会社へ、
「24時間換気は付いていますか?」ではなく、「各部屋に何㎥/h必要と計算し、完成後にその風量をどう確認しますか?」
と聞いてみる。
換気設備の有無ではなく、実際に必要な空気が動いているかを見る。
これが換気計画で重要なポイントです。
















