「樹脂サッシ+Low-Eガラスなら、夏の日差し対策はしなくても大丈夫ですよね?」
Q5〜Q11まで、
Uw値。
樹脂サッシ。
ペア・トリプル。
Low-E。
アルゴンガス。
日射熱取得率。
と、窓そのものの性能を見てきました。
しかし、
高性能窓を付ければ、それだけで夏の暑さ対策が完成するわけではありません。
夏の快適性を考えるうえで非常に重要なのが、
日射遮蔽
です。
そもそも日射遮蔽とは?
簡単に言えば、
夏の強い太陽の日射を、できるだけ室内へ入れないこと
です。
窓へ日射が当たり、
室内へ太陽熱が入る。
↓
室内の床・壁・家具などが暖められる。
↓
エアコンで冷やす。
それより、
最初から不要な日射を入れない
という考え方です。
「断熱」と「日射遮蔽」は別
ここは重要です。
断熱は、
室内と屋外の温度差による熱の移動を抑えること。
日射遮蔽は、
太陽から直接入ってくる熱を抑えること。
です。
高断熱住宅でも、大きな窓から強い日射が入れば、室温へ影響する可能性があります。
だから、
高断熱+日射遮蔽
で考えます。
カーテンを閉めればいい?
もちろんカーテンにも、まぶしさや日射を調整する役割があります。
しかし夏の日射対策では、
窓の外側で遮る
という考え方が重要です。
なぜなら、日射がガラスを通って室内へ入る前に遮ることができるからです。
外側で遮る方法
例えば、
軒。
庇。
外付けシェード。
すだれ。
植栽。
などがあります。
住宅デザインや方角に合わせて使い分けます。
南側は軒を利用しやすい
夏の南側では太陽高度が高くなります。
そのため、
適切に設計された軒や庇で、
夏の日射を遮りながら、冬の低い日射を取り込む
という設計が可能な場合があります。
ただし、
軒は深ければ深いほど良いわけではありません。
深すぎれば冬の日射まで遮る可能性があります。
西日は軒だけでは難しい
西日は、
夕方の低い位置から入ります。
そのため、
上から出ている軒だけでは遮りにくい場合があります。
そこで、
外付けシェード。
植栽。
窓を小さくする。
日射取得を抑えたガラス。
などを組み合わせます。
方角によって対策を変える
ことが重要です。
東側も忘れない
東側では、
夏の朝から日射が入ります。
寝室などに大きな東窓があると、
朝早くから室温やまぶしさへ影響する場合があります。
西側ほど話題にならなくても、
東西の低い日射
は確認しておきたいポイントです。
大きな窓ほど日射計画が重要
リビングに、
幅2.5m。
3m。
という大開口。
とても魅力的です。
しかし窓面積が大きくなれば、日射の影響も大きくなります。
だから、
「大きな窓+高性能ガラス」だけではなく、「大きな窓+日射遮蔽」
までセットで考えます。
太陽の入り方をシミュレーションする
設計段階で、
夏。
冬。
春・秋。
そして、
朝。
昼。
夕方。
の太陽の入り方を確認すると、窓計画が分かりやすくなります。
住宅会社へ、
「夏至と冬至で、この窓からどこまで日射が入りますか?」
と聞いてみるのも一つの方法です。
エアコンを大きくする前に考える
夏暑い。
↓
大きなエアコンを付ける。
だけではありません。
まず、
断熱。
窓。
日射遮蔽。
気密。
を適切に設計し、
家に入ってくる熱そのものを減らす。
そのうえで必要な冷房能力を考える。
これが高性能住宅の基本的な考え方です。
よくある失敗例
樹脂サッシ。
Low-Eガラス。
断熱等級6。
「これなら夏も快適」
と思っていた。
しかし、
西側に大きな窓。
外付けの日射遮蔽なし。
夏の夕方になると強い西日が入る。
結局、
遮光カーテンを閉めっぱなし。
「窓性能だけでなく、日射を窓の外で止める設計まで考えればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- 断熱と日射遮蔽の違いを理解したか
- 南側の軒・庇を考えたか
- 西側の窓を大きくしすぎていないか
- 東側の朝日を考えたか
- 外付けシェードを検討したか
- Low-Eガラスの仕様を確認したか
- 窓サイズを確認したか
- 夏の日射をシミュレーションしたか
- 冬の日射取得も考えたか
- エアコンだけで暑さを解決しようとしていないか
まとめ
夏の暑さ対策は、
高性能な窓を付けるだけでは完成しません。
大切なのは、
熱を入れないこと。
断熱で熱の移動を抑える。
高性能窓を使う。
そして、
夏の日射を窓の外側で遮る。
だから住宅会社へ、
「窓のUw値はいくつですか?」に加えて、「真夏、この窓へ当たる日射をどう遮りますか?」
と聞いてみる。
特に、
南。
東。
西。
で対策がどう違うのか確認する。
高性能窓+日射設計。
この2つをセットで考えることが、夏も快適な家をつくるポイントです。
















