「気になる土地に古い擁壁があります。今まで家が建っていたので、そのまま使えますよね?」
結論
古い擁壁がある土地は、契約前の確認が非常に重要です。
特に、
①擁壁の構造
②高さ・長さ
③築造時期
④図面・許可・検査等の資料
⑤ひび割れ・傾き
⑥水抜き・排水
⑦新築時にそのまま利用できるか
を確認します。
「今まで家が建っていた=新築でもそのまま使える」とは限りません。
① 擁壁とは?
高低差のある土地で、土が崩れないように支える構造物です。
道路より土地が高い。
隣地と高低差がある。
斜面を造成している。
といった土地で見られます。
② 見た目だけでは判断できない
ひび割れがない。
傾いていない。
きれいに見える。
からといって、安全性を判断できるとは限りません。
反対に、小さなひびがあるだけで直ちに危険とも断定できません。
専門的な確認が必要です。
③ いつ造られた擁壁?
古い住宅地では、
数十年前に施工。
施工時期不明。
という擁壁もあります。
まず、
いつ・どのように造られたものなのか
を確認します。
④ 図面・記録を確認
可能であれば、
構造図。
造成関係資料。
許可・検査等の資料。
過去の補修記録。
などを確認します。
資料がない場合は、そのこと自体も判断材料になります。
⑤ 水抜き穴を見る
擁壁の裏側には雨水等が入ります。
適切に排水できないと、擁壁へ水圧がかかる可能性があります。
そのため、
水抜き・排水状態
は重要な確認ポイントです。
⑥ 擁壁の上に家を建てられる?
擁壁があるからといって、
そのすぐ近くへ自由に建物を配置できるとは限りません。
擁壁の状態。
高さ。
建物位置。
基礎計画。
法令等。
を踏まえて設計者が確認します。
⑦ 「古家があるから大丈夫」は危険
例えば、
築40年の住宅が建っている。
↓
解体。
↓
同じ場所へ新築。
だから問題なし。
とは限りません。
新築時には現在の条件で改めて確認します。
⑧ 擁壁を使えない場合は?
状況によっては、
既存擁壁撤去。
掘削。
残土処分。
新しい擁壁。
造成。
などが必要になる可能性があります。
⑨ 擁壁工事はいくら?
これは、
高さ。
長さ。
構造。
重機の入りやすさ。
道路条件。
残土量。
などで大きく変わります。
「擁壁なら200万円程度」と一律に予算を決めないことが重要です。
⑩ 土地の安さが消える可能性
例えば、
周辺相場より土地が300万円安い。
↓
擁壁対応に400万円。
となれば、土地価格だけではお得とは言えません。
※金額は説明用の例です。
⑪ 隣地側の擁壁も見る
自分の土地に擁壁がなくても、
隣地の高い擁壁が近接している。
自分の土地が擁壁の下側。
という場合があります。
敷地内だけでなく周囲の高低差も確認します。
⑫ 将来の維持管理も考える
擁壁は、
家を建てたら終わり。
ではありません。
長期間住むなら、状態確認や必要に応じた補修なども考えます。
チェックポイント
- 擁壁の構造を確認したか
- 高さ・長さを確認したか
- 築造時期を確認したか
- 図面・許可等の資料を確認したか
- ひび・傾きを確認したか
- 水抜き・排水を確認したか
- 建物配置への影響を確認したか
- 再施工の可能性を確認したか
- 概算費用を確認したか
- 隣地の擁壁も確認したか
まとめ
古い擁壁のある土地では、
「今まで問題なかったから大丈夫」で購入しないこと。
住宅会社・不動産会社には、
「この擁壁は使えますか?」だけではなく、「現在の状態・資料・新築計画を確認して、そのまま利用できるのか、補修・再施工が必要ならいくら想定するのか確認してください」
と相談する。
擁壁のある土地は、土地価格ではなく「擁壁対応後の建築総額」で判断する。
これが大きな予算オーバーを防ぐポイントです。
















