「ペアガラスの中にアルゴンガスが入っていると言われました。普通の空気と何が違うんですか?」
Q7では、
ペアガラスは、
ガラス|中空層|ガラス
トリプルガラスは、
ガラス|中空層|ガラス|中空層|ガラス
という構造だと説明しました。
では、この中空層には何が入っているのでしょうか。
そこで出てくるのが、
アルゴンガス
です。
そもそもアルゴンガスとは?
アルゴンは、大気中にも存在する気体です。
窓では、複層ガラスの中空層にアルゴンガスを封入することで、
空気を入れた場合より熱の移動を抑え、断熱性能を高める
目的で使用されることがあります。
つまり、
アルゴンガスが部屋を暖めるわけではありません。
ガラスとガラスの間で熱を伝わりにくくするために使う
ということです。
なぜガラスの間に気体を入れるの?
1枚ガラスでは、
室内。
↓
ガラス。
↓
屋外。
という形で熱が移動します。
ペアガラスでは、
2枚のガラスの間に中空層を作ります。
この中空層によって熱の移動を抑えます。
さらに、その中空層へ断熱性能向上に適したガスを使用することで、
窓全体の熱の移動をさらに抑える
という考え方です。
アルゴンガス入りなら全部同じ性能?
ここは注意してください。
アルゴンガスが入っている=すべて同じ高性能窓
ではありません。
窓性能には、
サッシ。
ペア・トリプル。
Low-E膜。
中空層の厚さ。
スペーサー。
窓サイズ。
開閉方式。
なども関係します。
だから最終的には、
Q5で説明した、
Uw値(W/㎡・K)
で窓全体の性能を確認します。
中空層は厚ければ厚いほどいい?
これも単純ではありません。
「空間を広くすれば、もっと断熱できそう」
と思いますよね。
しかし中空層には、使用する気体などに応じて性能を発揮しやすい厚さがあります。
必要以上に広げればいいというものではありません。
そのため、
「中空層は何mmですか?」だけで優劣を判断する必要はありません。
製品としてのUw値を見る方が分かりやすいでしょう。
クリプトンガスという選択肢もある
高性能な窓では、
クリプトンガス
などが使われる製品もあります。
一般にアルゴンより熱を伝えにくい気体として、高断熱なガラス構成で利用されることがあります。
ただし、
性能。
価格。
中空層。
製品仕様。
などが異なるため、
「クリプトンだから絶対に良い」
ではなく、
窓全体の性能と費用
で比較します。
ガスはずっと入っているの?
複層ガラスは、ガスを封入した中空層を保つよう製造されています。
ただし長期間使用する製品ですから、
ガラスだけではなく、
中空層を密閉している部分も重要です。
製品の保証内容なども確認しておくと安心です。
ガスが抜けたか自分で分かる?
一般の方が見ただけで、
「アルゴンガスが○%残っている」
と判断するのは難しいでしょう。
そのため、
製品性能。
メーカー保証。
施工方法。
などを確認することが重要です。
結露にも関係する?
窓全体の断熱性能が高くなれば、冬の室内側ガラス表面温度を保ちやすくする方向に働きます。
そのため、結露リスクを抑えるうえでも窓性能は重要です。
ただし、
アルゴンガス入りなら結露しない
ということではありません。
室温。
湿度。
換気。
外気温。
なども関係します。
「アルゴン入りです」で終わらない
住宅会社から、
「当社はアルゴンガス入りLow-Eペアガラスです」
と言われると、
かなり高性能に聞こえます。
でも本当に比較したいなら、
「その窓全体のUw値はいくつですか?」
まで聞きます。
アルゴンガスは、
窓性能をつくる一つの要素だからです。
よくある失敗例
A社は、
「アルゴンガス入りです」
B社は、
「トリプルガラスです」
という説明。
名称だけを聞いて、
どちらが高性能なのか判断しようとした。
しかし、
サッシ。
Low-E。
中空層。
Uw値。
を比較していなかった。
「部品の名前ではなく、窓全体の性能を比較すればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- 中空層の役割を理解したか
- 封入されている気体を確認したか
- アルゴンガスの意味を理解したか
- ペア・トリプルを確認したか
- Low-E仕様を確認したか
- サッシを確認したか
- 中空層だけで判断していないか
- Uw値を確認したか
- 保証内容を確認したか
- 窓全体の費用対効果を比較したか
まとめ
アルゴンガスは、
複層ガラスの中空層で熱の移動を抑え、窓の断熱性能を高めるために使われる気体
です。
ただし、
アルゴンガス入り=それだけで最高性能
ではありません。
サッシ。
ガラス枚数。
Low-E。
中空層。
スペーサー。
これらが組み合わさって窓性能になります。
だから、
「アルゴンガス入りですか?」の次に、「その窓のUw値は何W/㎡・Kですか?」
と聞く。
部品の名称ではなく、完成した窓全体の性能を見る。
これが重要です。
















