質問
「住宅会社から『耐震等級3相当なので、耐震等級3と同じくらい地震に強いです』と言われました。正式な耐震等級3とは何が違うのでしょうか?地震保険の割引も受けられますか?」
結論
「耐震等級3」と「耐震等級3相当」は、同じものとして判断しないことが重要です。
特に確認したいのは、
① 本当に耐震等級3を取得するのか
② 第三者機関による評価・確認があるのか
③ どの方法で構造を確認するのか
④ 耐震等級3を証明する書類が残るのか
⑤ 地震保険の耐震等級割引に使える確認資料があるのか
です。
正式に耐震等級3を確認でき、地震保険で必要な確認資料等の条件を満たせば、**耐震等級3の地震保険料割引は50%**です。
① そもそも耐震等級3とは?
耐震等級は、住宅性能表示制度における住宅の耐震性能を示す指標です。
耐震等級1
↓
耐震等級2
↓
耐震等級3
とあり、耐震等級3が最高等級です。
構造躯体の倒壊等防止について、等級3は等級1で想定する地震力の1.5倍の力に対して倒壊・崩壊等しない程度とされています。
ただし、
「震度7の1.5倍まで絶対に壊れない」
という意味ではありません。
② 「耐震等級3相当」とは?
「耐震等級3相当」は、住宅会社が設計・構造検討などをもとに、
「耐震等級3と同程度の性能を想定している」
という意味合いで使用しているケースがあります。
しかし「相当」という言葉だけでは、
第三者評価を受ける?
正式な等級を取得する?
証明書類が発行される?
まで分かりません。
だから必ず中身を確認します。
③ 「相当だから弱い」とも限らない
ここは誤解しないことが重要です。
耐震等級3相当=必ず耐震性能が低い
という意味ではありません。
構造上は高い耐震性能を確保している住宅も考えられます。
問題は、施主側から見て、その性能を客観的に確認・証明できるかどうかです。
住宅会社には、
「何を根拠に耐震等級3相当と判断していますか?」
と聞きます。
④ 正式な耐震等級3は第三者評価で確認できる
住宅性能表示制度を利用する場合、登録住宅性能評価機関による評価を受けて、耐震等級を客観的に確認する方法があります。
つまり、
住宅会社が、
「うちは地震に強いです」
と説明するだけでなく、第三者による評価を利用して性能を確認できます。
これは住宅会社選びでも大きな違いになります。
⑤ 「設計住宅性能評価」と「建設住宅性能評価」も確認
住宅性能評価には、
設計段階の図面等を評価する「設計住宅性能評価」
と、
施工段階・完成段階の検査を行う「建設住宅性能評価」
があります。
住宅会社から、
「耐震等級3を取得します」
と言われたら、
「どの評価まで取得しますか?」
と確認すると、より具体的です。
⑥ 耐震等級3でも構造確認方法を見る
耐震等級3という結果だけでなく、
建築基準法に基づく壁量等の確認。
住宅性能表示制度に基づく確認。
許容応力度計算。
など、どのように構造安全性を確認しているのかも重要です。
特に注文住宅では、
大開口。
吹き抜け。
大空間LDK。
太陽光パネル。
など、実際の住宅条件を反映した構造計画になっているか確認します。
⑦ 最終間取りで耐震等級3になっている?
初期プランでは耐震等級3。
その後、
窓を大きくした。
吹き抜けを追加した。
壁を移動した。
屋根形状を変えた。
ということもあります。
構造条件が変わるため、最終的に建築するプランで耐震等級3を確認することが重要です。
⑧ 設計だけでなく施工も重要
耐震等級3の図面をつくっても、実際の施工が設計どおりでなければ意味がありません。
確認したいのは、
耐力壁。
構造金物。
接合部。
釘・ビス。
柱・梁。
基礎。
などです。
だからこそ、設計段階の評価だけでなく、施工中にどのような検査を行うのかも確認します。
⑨ 耐震等級3は地震保険の割引にも関係する
正式な耐震等級を確認でき、地震保険で求められる確認資料等の条件を満たす場合、**「耐震等級割引」**を利用できます。
割引率は、
| 耐震等級 | 地震保険の耐震等級割引 |
| 耐震等級1 | 10% |
| 耐震等級2 | 30% |
| 耐震等級3 | 50% |
つまり耐震等級3には、耐震性能だけでなく、地震保険料の負担軽減につながる可能性もあります。
⑩ 「耐震等級3相当」なら50%割引になる?
「耐震等級3相当」という住宅会社の説明だけで、自動的に50%割引になるわけではありません。
地震保険の耐震等級割引を適用するには、所定の確認資料によって耐震等級を確認できることなど、条件を満たす必要があります。
そのため、
「等級3相当だから保険も50%安くなりますよね?」
と決めつけないことが重要です。
⑪ 「耐震等級3を証明する書類は何ですか?」まで聞く
契約前に住宅会社へ、
耐震等級3を証明できる書類は残る?
住宅性能評価関係の書類は?
地震保険申込み時に使える確認資料は?
と聞いておきます。
実際に割引を適用できるかは、契約する保険会社・代理店等にも確認します。
「性能がある」と「性能を証明できる」は別問題です。
⑫ 地震保険は長期的な費用で考える
住宅は30年・40年と住む可能性があります。
耐震等級3の割引が適用されるなら、地震保険へ加入している期間の保険料負担にも関係します。
耐震等級3の取得費用を比較するときは、
構造性能
+第三者評価
+証明書類
+地震保険料への影響
まで考えると、取得する意味を判断しやすくなります。
⑬ 耐震等級3でも地震保険は必要?
耐震等級3だから、
地震保険はいらない
ということではありません。
大地震では、構造躯体だけでなく、
内装。
設備。
家具。
家財。
などに被害が生じる可能性があります。
住宅の耐震性能と地震保険は役割が違うため、分けて考えます。
住宅会社に聞きたい7つの質問
- 今回の家は正式な耐震等級3を取得しますか?
- 「耐震等級3相当」ではありませんか?
- 第三者機関による評価を受けますか?
- どの方法で構造安全性を確認しますか?
- 最終間取りで耐震等級3を確認しますか?
- 耐震等級3を証明できる書類はもらえますか?
- 地震保険の耐震等級割引に使える確認資料は何ですか?
まとめ
住宅会社には、
「耐震等級3相当なら、耐震等級3と同じですよね?」
ではなく、
「今回の住宅は正式な耐震等級3を第三者機関で確認しますか?どの構造確認方法を採用し、耐震等級3を証明する書類は残りますか?その書類で地震保険の耐震等級割引を受けられるかも確認したいです」
と質問する。
耐震性能で大切なのは、
「耐震等級3」という言葉だけではありません。
耐震等級3
+構造確認方法
+第三者評価
+施工確認
+証明書類
まで確認する。
さらに、条件を満たせば地震保険の耐震等級3による50%割引も利用できます。
だから「耐震等級3」と「耐震等級3相当」を比較するときは、地震への強さだけでなく、「その性能を第三者に証明できるか」まで確認することが重要です。
















