「住宅会社から“UA値0.46です”と言われました。でも、0.46が良いのか悪いのか分かりません。」
Q1では、
断熱等級とは住宅の断熱性能を評価するための等級
だと説明しました。
その断熱性能を考えるときに、よく出てくる数字が、
UA値(ユーエー値)
です。
住宅会社によっては、
「UA値0.6です」
「0.46以下です」
「0.4を切っています」
などと説明されます。
まずは、
UA値が何を意味する数字なのか
から理解しましょう。
そもそもUA値とは?
UA値とは、
外皮平均熱貫流率
のことです。
難しく聞こえますが、簡単に言えば、
「家の中の熱が、屋根・壁・床・窓などを通して、どのくらい外へ逃げやすいか」
を見る指標です。
基本的には、
UA値は小さいほど、熱が逃げにくい住宅
と考えます。
魔法瓶で考えると分かりやすい
例えば、
温かい飲み物を入れた魔法瓶。
保温性能が高ければ、時間が経っても温かさを保ちやすいですよね。
住宅も同じように、
冬にエアコンで暖めた室内の熱を、
できるだけ外へ逃がさない
ことが重要です。
UA値は、その「熱の逃げにくさ」を考えるための数字の一つです。
どこから逃げる熱を計算するの?
UA値では住宅の外側を囲っている、
屋根・天井。
外壁。
床・基礎。
窓。
玄関ドア。
などを通して移動する熱を考えます。
つまり、
壁の断熱材だけを評価している数字ではありません。
特に窓は、住宅の温熱環境を考えるうえで重要な部分です。
0.60と0.46なら、0.46の方が高性能?
UA値だけを比較すれば、
0.46の方が熱を逃がしにくい設計
ということになります。
ただし、ここで注意してほしいのが、
UA値が小さい家=必ず快適な家
とは限らないことです。
家の快適性には、
気密。
日射。
窓配置。
換気。
エアコン。
間取り。
なども関係するからです。
断熱等級とUA値は何が違う?
ここは混乱しやすいところです。
簡単に整理すると、
断熱等級
→ 住宅の断熱性能を一定の基準によって評価した「等級」
UA値
→ その住宅の外皮から熱がどの程度逃げやすいかを示す「数値」
です。
つまり、
「断熱等級6です」
と聞いたら、
さらに、
「では、この家のUA値はいくつですか?」
と確認すると、具体的な設計性能を把握しやすくなります。
「会社のUA値」ではなく「自分の家」を確認する
ここは非常に重要です。
住宅会社から、
「当社のUA値は0.4台です」
と言われても、それだけでは分かりません。
モデルハウスなのか。
過去の施工例なのか。
標準仕様の目安なのか。
あなたが実際に建てる家なのか。
で意味が違います。
家の、
大きさ。
形。
窓の数。
窓の大きさ。
玄関ドア。
などによってUA値は変わります。
だから確認したいのは、
「このプラン、この仕様で計算したUA値はいくつですか?」
です。
UA値を良くするために窓を減らせばいい?
数字だけを追いかけると、
「窓を小さくすればUA値が良くなる」
という考え方になることがあります。
しかし、
窓には、
光を入れる。
景色を見る。
冬の日射を取り込む。
庭とつながる。
という役割もあります。
UA値を良くするためだけに窓を極端に減らし、
暗い。
景色が見えない。
冬の日射を利用できない。
となれば、本来の家づくりの目的から離れてしまいます。
UA値と暮らしやすさのバランス
が重要です。
夏の暑さはUA値だけでは分からない
ここも重要です。
例えば、
UA値0.4台の高断熱住宅。
でも、
西側に大きな窓。
日射遮蔽なし。
なら、夏の夕方に強い日射が入る可能性があります。
UA値は重要ですが、
太陽から入ってくる熱をどうコントロールするかは別に考える必要があります。
だから、
夏の快適性を見るなら、
窓の方角。
ガラス。
軒。
庇。
シェード。
なども確認します。
UA値とC値は全く違う
もう一つ覚えておきたいのが、
C値。
UA値とC値は、どちらも高性能住宅でよく聞く数字ですが、意味は違います。
UA値
→ 熱の逃げやすさを見る指標
C値
→ 建物の隙間の程度を見る指標
です。
そして大きな違いの一つが、
UA値は設計内容から算出する数値。
C値は実際の住宅で気密測定を行って確認する数値。
という点です。
だから、
UA値が良い=C値も良い
とは限りません。
「高気密です」ではなく測定するか確認する
住宅会社から、
「高断熱・高気密住宅です」
と言われたら、
「全棟で気密測定していますか?」
と聞いてみてください。
断熱性能を設計する。
そして実際の建物で気密性能を確認する。
この両方を見ることが重要です。
UA値0.46と0.50なら0.46の会社を選ぶ?
ここも注意したいポイントです。
例えば、
A社
UA値0.46
気密測定なし
日射計画の説明なし
B社
UA値0.50
全棟気密測定
窓・日射・換気・空調まで設計
だった場合、
UA値だけを見て、
「0.46だからA社の方が絶対に良い」
とは判断できません。
0.04という数字の差だけを見るのではなく、
家全体をどう設計・施工・確認しているか
を見る必要があります。
光熱費もUA値だけでは決まらない
UA値が小さくなれば、一般に熱が逃げにくい方向になります。
しかし実際の光熱費には、
家の大きさ。
家族人数。
設定温度。
生活時間。
窓。
日射。
換気。
エアコン効率。
なども関係します。
だから、
「UA値0.46だから電気代は必ず○円」
という単純なものではありません。
光熱費シミュレーションを見る場合は、計算条件も確認します。
住宅会社には「なぜそのUA値なのか」を聞く
私なら、数字だけでなく、
「なぜ御社はこのUA値を標準にしているのですか?」
と聞きます。
さらに、
「この地域で必要と考える理由は?」
「もう少し性能を上げると費用はいくら増える?」
「その場合、冷暖房負荷はどの程度変わる?」
まで聞いてみる。
大切なのは、
数字を言える会社ではなく、その数字の意味を説明できる会社か
を見ることです。
よくある失敗例
A社はUA値0.46。
B社はUA値0.50。
「0.46の方が数字が小さいから高性能」
という理由だけでA社を選んだ。
しかし契約後、
気密測定を標準で行っていないことを知った。
さらに、
窓。
日射遮蔽。
エアコン計画。
についても十分確認していなかった。
結果、
「UA値だけで住宅性能を判断してしまった」
と感じた。
後悔しないためのチェックポイント
- UA値の意味を理解したか
- 数字が小さいほど熱が逃げにくいことを理解したか
- 自分が建てる家のUA値を確認したか
- モデルハウスの数値と混同していないか
- 断熱等級も確認したか
- 窓の仕様を確認したか
- 夏の日射遮蔽を考えたか
- C値との違いを理解したか
- 全棟で気密測定するか確認したか
- 換気・空調まで含めて比較したか
まとめ
UA値とは、
家の中の熱が外へどのくらい逃げやすいかを見るための重要な指標です。
基本的には、
数字が小さいほど熱が逃げにくい。
ここは覚えておいてください。
ただし、
UA値が小さい=必ず良い家
ではありません。
断熱。
気密。
窓。
日射。
換気。
空調。
そして施工品質。
これらが組み合わさって、実際の快適性につながります。
だから住宅会社へ、
「UA値はいくつですか?」
と聞いたら、もう一つ、
「そのUA値を、実際の快適性につなげるために、気密・窓・日射・換気・空調をどう設計していますか?」
まで聞いてみる。
UA値は住宅会社を順位付けする数字ではなく、家の性能を理解するための数字。
この使い方をすることが大切です。
















