「LEDなら省エネなので、あとは部屋が明るければ何でも同じですよね?」
新築の照明計画では、
ダウンライト。
ペンダントライト。
間接照明。
シーリングライト。
など、たくさんの選択肢があります。
しかし照明で重要なのは、
単に部屋を明るくすることではありません。
明るさ。
光の色。
照らす場所。
まぶしさ。
交換性。
まで考えて、
暮らしに必要な光を設計する
ことが大切です。
まず「ルーメン」って何?
LED照明を見ると、
lm(ルーメン)
という単位があります。
ルーメンとは、
簡単に言えば、
照明器具・光源から出る光の量を表す指標
です。
基本的には、
数値が大きいほど多くの光を出します。
以前は、
「60Wの電球」
のようにWで明るさをイメージしていましたが、
Wは消費電力。
lmは光の量。
です。
「ルクス」とは?
もう一つ覚えておきたいのが、
lx(ルクス)
です。
ルクスは、
ある場所・面がどの程度照らされているかを表す照度の単位
です。
例えば、
机の上。
キッチンの作業台。
床面。
など、
実際にその場所へどの程度の光が届いているかを見る指標です。
簡単に整理すると、
ルーメン=照明側の光の量
ルクス=照らされる面の明るさ
と考えると分かりやすいです。
明るければ明るいほどいい?
違います。
リビングを、
とにかく明るく。
ダウンライトをたくさん。
とすると、
落ち着かない。
まぶしい。
夜なのに昼間のよう。
と感じることがあります。
住宅では、
必要な場所に必要な明るさをつくる
ことが重要です。
「色温度」って何?
照明には、
暖かいオレンジ系の光。
白い光。
青白い光。
があります。
この光の色を考えるときに使うのが、
色温度
です。
単位は、
K(ケルビン)
です。
Kが高い・低いでどう違う?
一般的には、
色温度が低い
→ 暖かみのある電球色系
色温度が高い
→ 白っぽい・青白い光
という方向になります。
例えば、
リビング。
寝室。
では落ち着いた光。
キッチン。
洗面。
書斎。
では作業しやすい光。
というように、場所によって使い分けます。
家中同じ色温度でいい?
必ずしもそうではありません。
LDKでも、
くつろぐリビング。
料理するキッチン。
食事をするダイニング。
では目的が違います。
だから、
部屋単位ではなく、行動単位で照明を考える
ことがポイントです。
演色性って何?
照明では、
Ra
という数字を見ることがあります。
これは平均演色評価数と呼ばれ、
簡単に言えば、
照明によって物の色がどの程度自然に見えるかを考えるための指標
です。
例えば、
料理。
洋服。
化粧。
インテリア。
などでは、色の見え方も重要です。
洗面所は特に色の見え方が重要
朝、
洗面台で化粧。
洋服を選ぶ。
外へ出たら、
「思っていた色と違う」
ということがあります。
洗面・メイクスペースでは、
単に明るいだけでなく、
肌や服の色が確認しやすい照明
を考えます。
ダウンライトを並べすぎない
新築住宅では、
天井一面にダウンライト。
という計画をよく見ます。
しかし、
ソファに座ったとき。
ベッドに寝たとき。
真上のダウンライトが目に入ると、
まぶしさを感じる
ことがあります。
だから家具配置とセットで考えます。
テレビ上の照明にも注意
テレビ画面へ照明が映り込むと、
見にくくなる場合があります。
テレビ位置を決めたら、
照明位置。
窓。
まで一緒に確認します。
キッチンは「手元」が明るい?
キッチン全体は明るい。
でも調理台に立つと、
自分の身体で照明を遮り、
まな板の上が暗い。
ということがあります。
重要なのは、
部屋の明るさではなく、作業面の明るさ
です。
間接照明はおしゃれだけど注意
間接照明は、
天井。
壁。
などへ光を当て、その反射光で空間を照らします。
柔らかい雰囲気をつくりやすい一方、
施工場所によっては、
ほこりがたまる。
器具交換がしにくい。
想像より暗い。
ということがあります。
デザイン+掃除+交換
まで考えます。
調光とは?
調光とは、
照明の明るさを調整する機能
です。
例えばリビングなら、
昼間→明るめ。
食事→少し落とす。
映画→さらに暗く。
という使い分けができます。
一つの部屋を複数の用途で使うなら便利です。
調色とは?
調色とは、
光の色を変える機能
です。
昼間は白っぽく。
夜は暖色系。
というように変えられる製品があります。
ただし調光・調色機能を付けても、実際にはほとんど変更しない家庭もあります。
本当に使う機能か
を考えます。
一体型LEDは交換方法を確認
LEDは長寿命と言われます。
しかし、
永久に使えるわけではありません。
一体型ダウンライトでは、光源だけではなく器具ごと交換するタイプがあります。
だから、
「LEDだから交換不要」
ではなく、
故障・寿命時に誰がどう交換するのか
を確認します。
吹き抜け照明は特に注意
吹き抜けの高い位置に照明。
完成時は非常にきれいです。
しかし10年後、
交換。
清掃。
故障。
となったとき、
脚立では届かない。
高所作業が必要。
という可能性があります。
照明は付ける場所より、交換できる場所か
まで考えます。
よくある失敗例
「明るい家にしたい」
とLDKへ大量のダウンライトを配置。
完成すると十分明るい。
しかし夜はまぶしく、結局ほとんどの照明を消して使う。
さらにソファの真上にもダウンライトがあり、寝転ぶと直接目に入る。
「明るさの量ではなく、必要な場所へ光を配置すればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- lmの意味を理解したか
- lxとの違いを理解したか
- 色温度Kを確認したか
- Raを確認したか
- 家具配置と照明を合わせたか
- キッチン手元が明るいか
- テレビへ映り込まないか
- 調光・調色が必要か
- 照明器具を交換できるか
- 高所照明のメンテナンスを考えたか
まとめ
照明計画で重要なのは、
「何個付けるか」ではありません。
どこを照らす?
何をする場所?
何色の光?
どのくらい明るくする?
まぶしくない?
交換できる?
まで考える。
だから住宅会社へ、
「LDKは何個ダウンライトが必要ですか?」ではなく、「ソファ・ダイニング・キッチンを実際に使う位置で、どこに何lx程度必要と考えていますか?」
と聞いてみる。
天井を明るくするのではなく、暮らしに必要な場所を照らす。
これが照明計画で後悔しないポイントです。
















