質問
「第三者検査・住宅性能評価・長期優良住宅の認定があれば、その家は高性能で施工品質も完璧と考えていいですか?」
結論
どれも重要な安心材料ですが、「これ一つがあれば全部安心」という制度ではありません。
それぞれ、
第三者検査
住宅性能評価
長期優良住宅認定
では、目的・確認内容・タイミングが異なります。
重要なのは、何を確認してくれる制度なのかを理解し、自社検査・実測・施工記録と組み合わせることです。
① 第三者検査とは?
住宅会社とは別の第三者が、工事中の一定の工程・項目を確認する仕組みです。
ただし「第三者検査」という名称だけでは、
何回?
どの工程?
何を検査?
誰が検査?
まで分かりません。
検査内容を具体的に確認することが重要です。
② 瑕疵保険の検査があるから全部安心?
新築住宅では瑕疵担保責任に関係する仕組みがありますが、そこで行われる検査が住宅性能のすべてを詳細に検査するものとは限りません。
例えば、
C値。
断熱材の全箇所。
換気風量。
細かな気密処理。
などは、別途確認が必要な場合があります。
③ 住宅性能評価とは?
住宅性能表示制度では、共通の基準を用いて住宅性能を評価する仕組みがあります。
耐震性能などを、住宅会社独自の言葉ではなく、共通の物差しで確認できることが大きなメリットです。
④ 設計住宅性能評価と建設住宅性能評価
前回も触れたように、
設計住宅性能評価
→ 設計図書等を評価。
建設住宅性能評価
→ 工事中・完成段階の検査を経て評価。
という違いがあります。
住宅会社には、
「設計だけ?建設まで?」
と確認します。
⑤ 長期優良住宅とは?
長期優良住宅は、長期間良好な状態で使用するための措置を講じた住宅について、一定の基準を満たした計画を認定する制度です。
例えば、
耐震性。
省エネルギー性。
劣化対策。
維持管理・更新の容易性。
維持保全計画。
など、長期利用を考えた基準があります。
⑥ 「長期優良住宅対応」と「認定取得」は違う
ここはQ91と同じく重要です。
「長期優良住宅仕様」
「長期優良住宅対応」
と、
「今回の家で正式に認定を取得する」
は同じとは限りません。
申請するのか、認定書が残るのかまで確認します。
⑦ 長期優良住宅ならC値も保証される?
C値は別に確認します。
長期優良住宅だから自動的に、
C値0.5以下。
全棟気密測定。
になるわけではありません。
だから、
認定+全棟気密測定
など、必要な項目を個別に確認します。
⑧ 長期優良住宅なら壁内結露も絶対起きない?
これも一律には言えません。
壁内結露には、
断熱。
防湿。
気密。
透湿。
通気。
室内外の温湿度。
などが関係します。
制度認定だけでなく、実際の壁体構成と施工を見ることが重要です。
⑨ 耐震等級3も「証明を残す」
耐震性能については、
耐震等級3。
第三者評価。
許容応力度計算。
構造図。
などを確認します。
Q53で説明したように、所定の確認資料等の条件を満たせば、地震保険の耐震等級割引にも関係します。
⑩ 制度+実測が強い
例えば、
断熱
→ 断熱等級・UA値を計算。
気密
→ C値を実測。
耐震
→ 構造計算+第三者評価。
換気
→ 計画+風量確認。
施工
→ 工程検査+写真。
というように、項目ごとに適した方法で確認することが重要です。
⑪ 認定後の維持管理も重要
特に長期優良住宅では、建てた瞬間だけでなく維持保全という考え方が重要です。
屋根。
外壁。
防水。
設備。
床下。
などを定期的に点検し、必要なメンテナンスを行います。
認定取得=50年間メンテナンス不要ではありません。
⑫ 書類は必ず保管する
引き渡し時には、
住宅性能評価関係資料。
長期優良住宅認定関係資料。
構造計算書。
地盤調査報告書。
UA値等の計算書。
C値測定結果。
検査記録。
施工写真。
などを整理して保管します。
比較すると
| 項目 | 主な役割 |
| 第三者検査 | 工事中の所定項目を第三者が確認 |
| 住宅性能評価 | 共通基準で住宅性能を評価 |
| 長期優良住宅 | 長期利用を前提とした計画を認定 |
| 気密測定 | 実際の住宅のC値を測定 |
| 構造計算 | 建物の構造安全性を計算 |
| 施工写真 | 完成後に見えない部分を記録 |
チェックポイント
- 第三者検査の内容・回数を確認したか
- 設計住宅性能評価を取得するか
- 建設住宅性能評価まで取得するか
- 長期優良住宅を実際に認定取得するか
- C値を別途実測するか
- 構造計算方法を確認したか
- 維持保全計画を確認したか
- 証明書・検査記録を保管できるか
まとめ
住宅会社には、
「第三者検査も長期優良住宅もあるから安心ですよね?」ではなく、
「それぞれ何を、誰が、どの段階で確認しますか?制度では確認しない項目について、C値測定・換気風量・施工検査をどう補完しますか?」
と質問する。
認定があるから安心。
検査があるから安心。
だけで終わらせない。
計算する性能。
測る性能。
第三者が評価する性能。
現場で検査する施工品質。
建てた後の維持管理。
この5つを組み合わせて考えることが、本当に性能を確認できる家づくりにつながります。
















