質問
「許容応力度計算をしてもらっても、専門的すぎて自分では読めません。それでも構造計算書を確認・保管する意味はありますか?」
結論
施主が構造計算書のすべてを理解する必要はありません。
しかし、
今回の家について本当に構造計算したことを確認する
+結果を説明してもらう
+構造関係資料を住宅履歴として残す
ことには大きな意味があります。
住宅会社には、専門用語をそのまま見せてもらうだけでなく、重要ポイントを分かりやすく説明してもらうことが重要です。
① まず「自分の家」の計算書か確認
モデルプラン。
過去の施工例。
標準プラン。
ではなく、最終的に建築する自分たちの住宅について構造計算されているか確認します。
② 最終間取りが反映されている?
確認したいのは、
大開口。
吹き抜け。
壁位置。
屋根。
バルコニー。
太陽光。
など、最終仕様が構造条件へ反映されているかです。
③ 何の計算をしたのか聞く
単に、
「構造計算済みです」
ではなく、
どの構造確認方法?
許容応力度計算?
住宅性能表示制度による確認?
耐震等級はいくつ?
まで確認します。
④ 計算結果を説明してもらう
専門的な計算式を全部理解する必要はありません。
住宅会社には、
この家の構造上の特徴は?
大開口はどう成立させた?
どこが重要な耐力壁?
どこに大きな力がかかる?
などを説明してもらいます。
⑤ 柱・梁の図面も確認
構造図には、
柱。
梁。
耐力壁。
金物。
などの情報があります。
例えばLDKの大空間なら、どの梁で支えているのかを説明してもらうと、間取りと構造の関係が理解しやすくなります。
⑥ 基礎図も確認
上部構造だけでなく、
基礎伏図。
配筋。
立ち上がり。
人通口。
アンカーボルト等。
など、基礎関係の図面も重要です。
建物から地盤まで力をどう伝えるのかを見る資料になります。
⑦ 構造計算書と「第三者評価」は別
許容応力度計算を行ったことと、第三者機関による耐震等級3の評価を取得したことは同じではありません。
理想的には、
構造計算
+第三者評価
+施工確認
をそれぞれ確認します。
⑧ 現場が図面どおりかも重要
構造計算書が完璧でも、施工が違えば意味がありません。
そこで、
耐力壁。
金物。
釘・ビス。
アンカーボルト。
基礎配筋。
などを、施工中に誰が検査するか確認します。
⑨ 施工写真もセットで残す
将来、
壁を開けないと見えない部分。
基礎コンクリートの中。
構造金物。
などは、施工写真を残しておくと住宅履歴として役立ちます。
⑩ 将来のリフォームで役立つ
例えば20年後、
「この壁を撤去してLDKを広げたい」
となった場合。
構造図・計算書が残っていれば、既存住宅の構造を検討する重要な資料になります。
⑪ 売却時にも「根拠」を残せる
将来住宅を売却するときにも、
耐震等級関係資料。
構造計算書。
住宅性能評価書。
施工記録。
などが残っていれば、住宅性能を説明する資料になります。
ただし、資料があるから必ず高値で売却できるという意味ではありません。
⑫ 施主が保管したい構造関係資料
可能であれば、
構造計算書
構造図
基礎図
耐震等級関係の評価書
地盤調査報告書
地盤改良記録
施工検査記録
構造部分の施工写真
などを住宅履歴として整理して保管します。
チェックポイント
- 自宅専用の構造計算か
- 最終間取りを反映しているか
- 許容応力度計算か確認したか
- 耐震等級を確認したか
- 基礎図まで確認したか
- 第三者評価を取得するか
- 現場検査を行うか
- 構造資料・施工写真をもらえるか
まとめ
住宅会社には、
「構造計算していますよね?」だけではなく、
「今回の最終プランについて、どの構造計算を行い、耐震等級・柱・梁・耐力壁・基礎をどう確認したのか説明してください。計算書・構造図・評価書・施工記録も引き渡し時にもらえますか?」
と質問する。
構造計算書は、施主が計算式を採点するためのものではありません。
「この家をどの根拠で安全と判断したのか」を将来まで残す住宅の重要資料です。
耐震性能は、計算するだけでなく、施工し、検査し、証拠を残すところまで考えることが重要です。
















