質問
「グラスウール・吹付ウレタン・セルロースファイバーなど、住宅会社によって使う断熱材が違います。結局、どの断熱材が一番いいのでしょうか?」
結論
断熱材は「○○が一番」と材料名だけで決めないことが重要です。
確認したいのは、
種類+熱伝導率+厚み+施工精度+防湿・気密+壁体構成+UA値
です。
特に長く住む家では、断熱性能だけでなく、壁の中へ水蒸気を入れにくくし、壁内結露リスクを抑える設計・施工まで確認します。
① グラスウール
住宅で広く使用される繊維系断熱材です。
同じグラスウールでも商品によって密度や熱伝導率などが異なるため、
「グラスウールだから性能が低い」
とは判断できません。
適切な材料を、必要な厚みで、隙間なく施工することが重要です。
② 吹付ウレタン
現場で発泡させて施工する断熱材です。
柱・間柱の間などへ施工しやすい特徴があります。
ただし、
「吹付ウレタン=自動的に高気密」
と考えないこと。
断熱性能と住宅全体の気密性能は分けて確認し、最終的にはC値の実測を見ることが重要です。
③ セルロースファイバー
木質繊維を主原料とし、吹込みなどで施工する断熱材です。
こちらも材料特性だけで、
「調湿するから壁内結露しない」
などと単純化せず、壁全体の防湿・透湿・通気計画を確認します。
④ 同じ100mmでも性能は違う
断熱材A=100mm。
断熱材B=100mm。
でも、熱伝導率が違えば断熱性能は同じではありません。
住宅会社には、
「何を使う?」
+「熱伝導率は?」
+「何mm施工する?」
まで質問します。
⑤ 防湿・気密シートはなぜ重要?
冬の室内では、
料理。
入浴。
洗濯。
加湿。
人の呼吸。
などによって水蒸気が発生します。
壁体構成によっては、室内側に適切な防湿・気密層を設け、水蒸気が壁の中へ入り込むことを抑えることが重要になります。
⑥ 壁内結露とは?
壁の中へ入った水蒸気が、壁体内部の低温部分などで結露する現象を一般に壁内結露・内部結露と呼びます。
問題なのは、窓の結露と違って壁を開けないと見えにくいことです。
長期間湿った状態が続けば、断熱材や木材などへ悪影響を与える可能性があります。
⑦ 「気密シートを張っています」だけでは判断しない
重要なのは気密層の連続性です。
特に、
コンセント。
配線。
配管。
換気ダクト。
窓まわり。
壁と天井の取り合い。
などの処理を確認します。
シートそのものより、家全体で切れ目なく気密層をつくれているかが重要です。
⑧ 外側へ湿気を逃がすことも考える
壁内結露対策は、
室内側から水蒸気を入れにくくする
だけではありません。
壁体構成に応じて、
防湿・気密層。
断熱材。
構造用面材。
透湿防水層。
通気層。
などを組み合わせ、壁全体として湿気を管理することが重要です。
⑨ 久留米では夏側の湿気も考える
久留米・福岡では、高温多湿になる時期があります。
そのため冬型の結露だけでなく、冷房時を含めた夏型結露のリスクにも配慮した壁体構成になっているか確認します。
⑩ 最後はUA値・C値も確認
材料名だけで比較せず、
UA値=設計上の断熱性能
C値=建物の隙間の程度を示す実測値
も確認します。
ただしC値が良いだけで壁内結露対策が完了するわけではありません。
断熱+防湿+気密+透湿・通気+施工
をセットで考えます。
チェックポイント
- 断熱材の種類を確認したか
- 熱伝導率・厚みを確認したか
- 防湿・気密層を確認したか
- 貫通部の気密処理を確認したか
- 壁内結露対策を確認したか
- 外壁側の通気計画を確認したか
- UA値・C値を確認したか
まとめ
住宅会社には、
「グラスウールと吹付ウレタン、どちらが高性能ですか?」ではなく、
「断熱材の熱伝導率・厚み・施工方法に加えて、防湿・気密層をどうつくり、壁内結露をどう防ぐ設計ですか?」
と質問する。
断熱材だけで高性能住宅は完成しません。
断熱+防湿+気密+通気+施工品質。
壁の中まで考えて設計することが、長く性能を維持するために重要です。
















