質問
「熱交換率90%の第一種換気なら、外が0℃でも室温20℃の90%、つまり18℃の空気が入ってくるという意味ですか?」
結論
「室温の90%の温度で給気される」という意味ではありません。
熱交換率は、室内外の温度差のうち、どの程度を回収できるかという考え方で理解するのが分かりやすいです。
例えば単純化して、
室温20℃
外気温0℃
温度交換効率90%
と仮定すれば、
室内外温度差は20℃。
その90%=18℃分を回収。
理論的なイメージでは、給気温度は**約18℃**となります。
ただし実際の給気温度は、機器・風量・運転条件・熱損失などによって変わります。
① 外気5℃ならどうなる?
例えば、
室温20℃。
外気5℃。
温度差15℃。
交換効率90%。
と単純化すると、
15℃×90%=13.5℃
外気5℃+13.5℃で、
約18.5℃
という計算イメージになります。
つまり、単純に、
20℃×90%=18℃
と計算するものではありません。
② 「90%」でも実際の給気温度は一定ではない
外気温が、
0℃。
5℃。
10℃。
と変われば、給気温度も変わります。
さらに、
風量。
室温。
機器内部の熱損失。
霜取り等の運転条件。
などでも変化します。
③ 「熱交換率」と「温度交換効率」は同じ?
カタログでは、
熱交換率。
温度交換効率。
全熱交換効率。
など、異なる表現が使われることがあります。
特に全熱交換では、温度だけでなく湿度に関係する交換性能もあります。
何の効率が90%なのかを確認することが重要です。
④ カタログの最大値だけを見ない
例えば、
「熱交換率最大90%」
と書いてある場合。
いつでも90%?
どの風量?
どの試験条件?
弱運転?
強運転?
を確認します。
最大値=一年中の実際の性能とは限りません。
⑤ 熱交換率100%ならエアコン不要?
仮に非常に高い熱交換性能があっても、換気設備は暖房・冷房設備そのものではありません。
住宅には、
壁・屋根・窓からの熱損失・熱取得。
日射。
人・家電からの発熱。
などがあります。
そのため、熱交換換気とエアコンの役割は別です。
⑥ 90%と80%なら90%を選べばいい?
効率だけなら高い数値は魅力的です。
しかし換気設備では、
風量+消費電力+フィルター+圧力損失+メンテナンス+本体価格
なども比較します。
熱交換率だけで製品を決めないことが重要です。
⑦ 風量が足りなければ意味がない
熱交換率が高くても、住宅に必要な換気量を確保できなければ本来の目的を果たせません。
住宅全体で、
どの部屋へ何㎥/h?
給気と排気のバランスは?
まで確認します。
⑧ C値も重要
熱交換器を通過する空気は熱交換できます。
しかし、建物の意図しない隙間から出入りする空気は、その熱交換器を通りません。
だからこそ、
高い熱交換性能+高い気密性能
をセットで考えます。
⑨ 久留米では「湿度交換」も確認
冬の温度だけでなく、久留米では夏・梅雨の高湿度も重要です。
全熱交換型なら、
湿度交換効率は?
も確認します。
ただし、湿度交換率が高いから除湿設備が不要になるわけではありません。
⑩ 実際の電気代も見る
熱交換によって冷暖房負荷を抑える一方、換気設備自体も電力を使用します。
住宅会社には、
年間消費電力量
+フィルター代
+本体交換費
+冷暖房負荷削減
を含めて比較してもらいます。
チェックポイント
- 何の交換効率か確認したか
- 最大値だけを見ていないか
- 実際の運転風量を確認したか
- 給気温度の考え方を理解したか
- 湿度交換性能を確認したか
- 消費電力を確認したか
- C値を確認したか
- メンテナンス費まで比較したか
まとめ
住宅会社には、
「熱交換率90%なら、いつでも暖かい空気が入りますよね?」ではなく、
「90%とは温度交換効率ですか、全熱交換効率ですか?実際に使用する風量では何%で、夏・冬の給気温度と湿度をどう想定していますか?」
と質問する。
「熱交換率90%」という数字だけでは、換気性能のすべては分かりません。
交換効率+実際の風量+消費電力+気密性能+湿度+維持管理。
ここまで確認することで、本当にその住宅に合った熱交換換気なのか判断しやすくなります。
















