質問
「最近、SNSで『廊下のない家』をよく見ます。廊下は無駄なスペースなので、できるだけゼロにしたほうがいいですか?」
結論
廊下は短くできれば床面積を有効活用できますが、「廊下ゼロ」が正解ではありません。
重要なのは、
必要のない廊下を減らし、必要な距離は残すこと。
です。
特に、
トイレ
+洗面・脱衣
+寝室
+子ども部屋
+LDK
の関係では、
音・臭い・視線・プライバシー
まで考える必要があります。
① なぜ廊下は「無駄」と言われる?
例えば延床30坪の家で、
廊下。
ホール。
通路。
に多くの面積を使えば、その分、
LDK。
収納。
個室。
などに使える面積が減ります。
② 廊下を減らすと建物をコンパクトにできる
例えば、
玄関。
↓
長い廊下。
↓
LDK。
という間取りを、
玄関。
↓
短いホール。
↓
LDK。
にできれば、床面積を抑えられる可能性があります。
③ 面積を減らせば建築費にも影響
必要のない廊下を整理して延床面積を小さくできれば、建築費を抑えられる可能性があります。
ただし、単純に「廊下1坪=○万円安くなる」とは一律には言えません。
④ 移動距離も短くなる
廊下が少ない家では、
キッチン。
洗面。
ランドリー。
収納。
などを近く配置できれば、家事動線も短くできます。
⑤ では全部LDKから出入り?
ここで注意が必要です。
廊下をなくすため、
LDKから、
トイレ。
脱衣室。
寝室。
子ども部屋。
へ直接出入りする間取りもあります。
これが家族に合うか確認します。
⑥ トイレがLDK直結は気にならない?
ドアを開けたらすぐダイニング。
という配置では、
音。
臭い。
視線。
が気になる可能性があります。
少しホールを挟むだけで改善できる場合があります。
⑦ 脱衣室も同じ
LDKから脱衣室へ直接出入り。
↓
来客中にお風呂へ行きにくい。
ということもあります。
家族だけでなく、来客時も想像します。
⑧ 寝室とLDKが近すぎる問題
平屋では特に注意したいポイントです。
LDKのテレビ。
家族の会話。
食洗機。
キッチン。
などの生活音が寝室へ届きやすくなる可能性があります。
⑨ 子どもが寝た後は?
小さな子どもが20時に就寝。
↓
大人は23時までLDK。
という家庭なら、
LDKと子ども部屋の距離
は重要です。
⑩ 逆に離しすぎると面積が増える
音が気になるから、
長い廊下。
↓
寝室。
とすると、床面積が増えます。
そこで、
収納。
クローゼット。
水回り。
などを間に入れて緩衝帯として使う方法もあります。
⑪ 収納を「廊下代わり」に使う
例えば、
LDK
→ ファミリークローゼット
→ 寝室
というように、必要な機能を挟みながら距離を取る考え方もできます。
単なる通路だけを増やさないことがポイントです。
⑫ 回遊動線は廊下が増えることもある
「回遊できるから便利」
と思って、
キッチンの両側に通路。
洗面の両側に通路。
ファミクロの両側に通路。
をつくると、実は通路面積が増えていることがあります。
⑬ 回遊できる=家事動線が短い、ではない
大切なのは、
一周できることではなく、
よく使う場所同士が近いこと
です。
キッチンとランドリーが遠ければ、回遊できても家事動線は長くなります。
⑭ 廊下にも役割を持たせる
廊下をつくるなら、
収納。
本棚。
洗面。
室内物干し。
家族の写真。
など、単なる移動だけではない使い方を検討できます。
ただし通行幅を妨げないことが前提です。
⑮ 老後は「短い動線」がメリット
年齢を重ねると、
寝室。
トイレ。
洗面。
LDK。
の移動が短いことはメリットになります。
特に平屋では、コンパクトな動線をつくりやすい特徴があります。
⑯ ただし夜間のトイレ動線も確認
寝室からトイレまで、
LDKを横切る。
段差がある。
遠い。
という間取りになっていないか確認します。
老後まで考えるなら重要です。
⑰ 冷暖房にも関係
廊下を減らして空間をつなげると、家全体の温熱環境を考えやすくなる場合があります。
一方、単に空間を開放すれば快適になるわけではありません。
断熱・気密・換気・空調計画とセットで考えます。
⑱ 「廊下率」だけで良い間取りを判断しない
廊下が少ない。
↓
優秀な間取り。
とは限りません。
必要なプライバシーまで削っていないか確認します。
チェックポイント
- 不要な廊下を減らしたか
- トイレがLDK直結になっていないか
- 脱衣室の視線を確認したか
- 寝室への生活音を考えたか
- 子ども部屋との距離を確認したか
- 回遊通路を増やしすぎていないか
- 収納を緩衝帯にできないか
- 夜間のトイレ動線を確認したか
- 老後の移動距離を考えたか
- 住宅性能・空調と一緒に考えたか
まとめ
廊下については、
「廊下=無駄だから全部なくす」
と考えないこと。
住宅会社には、
「廊下のない間取りにしてください」ではなく、「移動だけの無駄な廊下は減らしながら、トイレ・脱衣室・寝室の音や視線を守るために必要な距離は残してください」
と相談する。
つまり、
なくすべきなのは「廊下」ではなく「意味のない移動スペース」です。
コンパクトな家ほど、1畳を削ることより、その1畳に役割があるかを考える。
これが、坪数を抑えながら暮らしやすい間取りをつくるポイントです。
















