「夏は冷房より除湿運転の方が電気代も安くて快適なんですよね?」
夏の快適性を考えるとき、
室温
だけでなく、
湿度
も重要です。
例えば同じ27℃でも、
湿度が高い部屋と、
適度に除湿された部屋では、体感が違うことがあります。
そこで使うのが、
冷房。
除湿。
です。
しかし、
「除湿」という名前でも、エアコンによって仕組みが違う
ことがあります。
そもそも冷房はどうやって除湿する?
エアコンの冷房では、
室内の暖かい空気をエアコン内部へ取り込み、
冷たい熱交換器に通します。
空気が冷やされると、
空気中の水蒸気が結露して水になります。
その水を、
ドレン配管から屋外へ排出します。
つまり冷房は、
室温を下げながら、同時に除湿もしている
ということです。
なぜ水が出るの?
夏に冷たい飲み物を入れたコップを見ると、
外側に水滴が付きますよね。
これと同じように、
湿った空気を冷たい熱交換器に触れさせることで結露させ、
空気中の水分を取り除く
のがエアコン除湿の基本的な仕組みです。
「弱冷房除湿」とは?
一般的な除湿方式の一つが、
弱冷房除湿
です。
簡単に言えば、
弱い冷房運転を行いながら、
空気中の水分を取り除く方法です。
そのため、
除湿すると同時に、
室温も下がる方向
になります。
梅雨時期に寒くなることがある
例えば、
室温24℃。
湿度75%。
「湿度だけ下げたい」
と思って弱冷房除湿。
しかし除湿するためには空気を冷やす必要があります。
結果、
室温が22℃。
21℃。
と下がって、
湿度は下がったけれど寒い
と感じることがあります。
特に梅雨時期など、
気温はそれほど高くない。
でも湿度が高い。
という条件で起こりやすい問題です。
再熱除湿とは?
そこで出てくるのが、
再熱除湿
です。
簡単に言えば、
一度空気を冷やして水分を取り除く。
↓
その空気を再び暖める。
↓
室内へ戻す。
という方式です。
つまり、
室温を下げすぎずに湿度を下げる
ことを目的とします。
なぜわざわざ暖め直すの?
「せっかく冷やしたのに、また暖めるなんてもったいない」
と思いますよね。
しかし、
梅雨。
秋雨。
など、
室温は低くしたくない。
でも湿度は下げたい。
という時期があります。
そのような条件で、
温度と湿度を別々にコントロールしやすくする
ための方法です。
再熱除湿は電気代が安い?
ここは単純に、
再熱除湿=省エネ。
とは言えません。
除湿方式や機種、運転条件によって消費電力は異なります。
一般に、空気を冷却して除湿した後に再加熱する仕組みでは、その分のエネルギーも考える必要があります。
だから、
冷房・弱冷房除湿・再熱除湿のどれが常に一番安い
とは決めつけないことが重要です。
高断熱住宅では湿度が重要になることも
高断熱・高気密住宅では、
少ない冷房能力で室温が早く下がる場合があります。
すると、
室温は設定温度に到達。
↓
エアコンの冷房能力が下がる。
↓
除湿量も減る。
という状況が起こる場合があります。
その結果、
温度は低いのに湿度が高い
と感じることがあります。
大きすぎるエアコンとの関係
ここでもQ31のエアコン容量が関係します。
必要以上に大きなエアコンを設置。
↓
短時間で室温が下がる。
↓
冷房運転が弱くなる・停止する。
↓
十分な除湿時間を確保しにくい。
という可能性があります。
だから高性能住宅では、
エアコンを大きくしすぎないことが湿度管理にも関係する
場合があります。
第一種熱交換換気があれば除湿できる?
ここも混同しないでください。
第一種熱交換換気は、
換気設備。
エアコンは、
冷暖房・除湿設備。
です。
全熱交換換気なら外気から入る湿気の負荷を抑える方向に働く場合がありますが、
それ自体がエアコンのように室内を積極的に除湿する設備とは限りません。
湿度は「相対湿度」だけで考えない
室温が変わると、
同じ水分量でも相対湿度は変わります。
そのため、
「湿度60%だから必ず問題」
という数字だけではなく、
室温。
外気条件。
露点温度。
絶対湿度など。
必要に応じて複数の指標で考えます。
ただ、一般の家づくりではまず、
温度と湿度を同時に見る習慣
を持つだけでも大きな違いがあります。
よくある失敗例
高断熱住宅なので、
大型エアコン1台を設置。
真夏は快適。
しかし梅雨時期、
室温はすぐ下がるのに、
湿度が思ったほど下がらない。
除湿運転にすると今度は寒い。
後から、
エアコン容量。
除湿方式。
換気方式。
まで一緒に考える必要があったと知った。
「温度だけでなく湿度まで設計すればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- 冷房でも除湿することを理解したか
- 弱冷房除湿の仕組みを理解したか
- 再熱除湿の仕組みを理解したか
- 採用機種の除湿方式を確認したか
- 梅雨時期の湿度対策を考えたか
- エアコンを大きくしすぎていないか
- 最小冷房能力を確認したか
- 換気方式との関係を考えたか
- 室温と湿度を同時に考えたか
- 消費電力を比較したか
まとめ
夏の快適性は、
「何℃か」だけでは決まりません。
重要なのは、
温度+湿度。
冷房は、
温度を下げながら除湿する。
弱冷房除湿は、
弱く冷房しながら除湿する。
再熱除湿は、
一度冷やして除湿した空気を再び暖め、室温低下を抑えながら湿度を下げる
という考え方です。
だから住宅会社へ、
「このエアコンは何畳用ですか?」だけではなく、「梅雨時期に室温を下げすぎず湿度を下げたい場合、この機種ではどう運転しますか?」
と聞いてみる。
さらに、
「この家の冷房負荷に対して、エアコン能力が大きすぎませんか?」
まで確認する。
冬は断熱性能。夏は断熱性能+日射+湿度管理。
ここまで考えることが、一年中快適な高性能住宅につながります。
















