「高耐久シーリングを使うので、30年間メンテナンス不要と言われました。本当ですか?」
サイディング外壁を見ると、
板と板の間。
窓まわり。
などに、ゴムのような材料が施工されています。
これが、
シーリング材
です。
「コーキング」と呼ばれることもあります。
外壁材ほど目立ちませんが、
住宅の防水を考えるうえで重要な部分
です。
そもそもシーリングとは?
シーリングは、
外壁材同士の継ぎ目。
窓などとの取り合い。
その他必要な部分。
へ充填し、
隙間から水が入りにくくするとともに、部材の動きに追従する役割
を持つ材料です。
なぜ硬い材料で埋めないの?
住宅は、
温度変化。
湿度。
風。
地震。
材料の伸縮。
などによって、わずかに動きます。
外壁の継ぎ目を完全に硬い材料だけで固定すると、その動きに対応しにくい場合があります。
そこで、
柔軟性を持ったシーリング材
が使われます。
シーリングも劣化する?
屋外にあるシーリングは、
紫外線。
雨。
暑さ。
寒さ。
などの影響を受けます。
時間が経つと、
硬化。
ひび割れ。
剥離。
などが起こる可能性があります。
そのため、
定期的な点検が重要
です。
高耐久シーリングとは?
最近では、
耐候性などを高めた、
高耐久タイプのシーリング材
があります。
一般的なシーリング材より長期間の耐久性を期待できる製品があります。
ただし、
「高耐久=絶対に○年間何もしなくていい」
と単純には考えません。
「30年耐久」の意味を確認する
例えば、
30年相当。
高耐候。
という表現があった場合、
何の試験なのか。
どの条件なのか。
保証期間は何年なのか。
実際の住宅で30年間無点検という意味なのか。
を確認します。
試験上の耐久性と保証期間は別
の場合があります。
材料が良くても施工が悪ければ?
ここが非常に重要です。
シーリングは、
材料性能だけではありません。
目地の幅。
深さ。
下地。
プライマー。
施工時の天候。
施工方法。
などが関係します。
どんなに高性能な材料でも、
施工品質が重要
です。
プライマーとは?
シーリング施工前に、
接着性を確保するために使用する下塗り材があります。
一般に、
プライマー
と呼ばれます。
シーリング材と下地を適切に接着させるために重要な工程です。
「三面接着」って何?
シーリングでは、
施工箇所によって、
二面接着
という考え方があります。
シーリング材を目地の左右二面に接着させ、奥側には接着させないようにすることで、目地の動きに追従しやすくする考え方です。
そのために、
バックアップ材。
ボンドブレーカー。
などを使用する場合があります。
施主がそこまで確認する必要ある?
専門施工まで理解する必要はありません。
ただ、
「高耐久シーリングを使っています」だけで安心しない
ことが大切です。
住宅会社へ、
「どの商品を使いますか?」
「メーカー保証は?」
「施工後は誰が検査しますか?」
と聞けば十分です。
窓まわりも確認する
外壁材の継ぎ目だけではなく、
窓。
ドア。
換気フード。
配管貫通部。
など、外壁にはさまざまな取り合いがあります。
だから、
家全体でシーリングを使っている場所
を確認します。
シーリングレス外壁なら安心?
外壁材の接合方法を工夫して、表面に見えるシーリング目地を減らした製品・工法もあります。
これはメンテナンス面でメリットになる可能性があります。
ただし、
窓まわり。
設備貫通部。
異素材部分。
などまで完全にシーリングゼロとは限りません。
「シーリングレス=家全体にシーリングがない」
ではありません。
打ち替えと増し打ちの違い
シーリングのメンテナンスでは、
既存材を撤去して新しく施工する、
打ち替えや、
既存材の上から施工する、
増し打ち
という方法があります。
どの方法が適切かは、場所や状態などによって判断します。
メンテナンス時には足場も必要になる
2階外壁。
窓まわり。
などのシーリングを補修する場合、
足場が必要になることがあります。
だから、
シーリング材の費用だけではなく、
足場費+外壁塗装等
と一緒に考えます。
外壁とシーリングの寿命を合わせる
例えば、
外壁塗装はまだ大丈夫。
でもシーリングだけ先に劣化。
↓
足場を組む。
数年後、
今度は外壁塗装。
↓
また足場。
となると費用が増えます。
だから、
外壁材・塗膜・シーリングのメンテナンス時期をできるだけ合わせられるか
という視点も重要です。
30年間「点検しない」は避ける
高耐久材料を使っていても、
台風。
地震。
飛来物。
施工状態。
周辺環境。
などがあります。
だから、
30年耐久。
と言われても、
30年間一度も外壁を見なくていい
とは考えない方がよいでしょう。
定期点検は重要です。
よくある失敗例
「30年高耐久シーリングだから安心」
と言われ、
30年間メンテナンス不要だと思っていた。
しかし保証書を確認すると、
自分がイメージしていた「30年間完全保証」とは内容が違っていた。
さらに窓まわりなど、別のシーリング箇所もあった。
「30年という数字ではなく、保証条件と施工箇所を確認すればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- シーリングの役割を理解したか
- 採用商品を確認したか
- 耐候性を確認したか
- 「○年相当」の試験条件を確認したか
- メーカー保証期間を確認したか
- 施工保証を確認したか
- 窓まわりのシーリングを確認したか
- シーリングレス部分との違いを確認したか
- 外壁とのメンテナンス時期を比較したか
- 定期点検の内容を確認したか
まとめ
高耐久シーリングは、
将来のメンテナンス負担を抑えるための重要な選択肢
です。
しかし、
「30年耐久」=「30年間、絶対に交換も点検も不要」
とは限りません。
重要なのは、
材料。
施工。
保証。
点検。
そして、
外壁材とのメンテナンス周期です。
だから住宅会社へ、
「このシーリングは何年持ちますか?」だけではなく、「その年数は試験上の耐久性ですか?保証期間ですか?実際には何年ごとに点検しますか?」
と聞いてみる。
さらに、
「外壁塗装とシーリング補修を同じ足場でできる計画ですか?」
まで確認する。
長持ちする材料を選ぶだけでなく、家全体のメンテナンス時期をそろえる。
これが、外壁の維持費を抑えるうえで重要なポイントです。
















