「予算が限られています。断熱・窓・耐震などの住宅性能にお金をかけるより、その分家を安くして住宅ローンを減らしたほうがいいですか?」
結論
どちらか一方ではありません。
重要なのは、
後から変更しにくい住宅性能は必要な水準を確保し、そのうえで借入額を無理のない範囲に抑えること
です。
予算オーバーだからと、
断熱・耐震・気密などを最初に削る
のは慎重に考えます。
住宅性能には後から変えにくいものがある
例えば、
断熱材。
構造。
耐震設計。
窓。
気密施工。
換気計画。
などです。
完成後に性能を上げようとすると、大掛かりな工事になる場合があります。
後から交換しやすいものもある
一方、
家具。
一部家電。
一部住宅設備。
内装。
などは、将来交換・変更できるものがあります。
予算調整には順番がある
例えば100万円予算を下げたい。
そのとき、
断熱性能を下げる
前に、
建物を少しコンパクトにできない?
高額な設備を減らせない?
造作を見直せない?
外構を整理できない?
などを検討します。
住宅ローンを減らすメリット
借入額を減らせば、
毎月返済額。
利息負担。
を抑えられます。
これは家計にとって大きなメリットです。
性能を上げるメリット
適切な住宅性能を確保すれば、
冷暖房負荷を抑えやすい。
室温を維持しやすい。
家の中の温度差を減らしやすい。
などのメリットが期待できます。
住宅性能は光熱費にも関係する
例えば建築費を100万円下げるために断熱・窓性能を大きく下げた結果、
30年間の冷暖房費が増える。
となれば、
建築時だけの100万円では判断できません。
※実際の差額は住宅ごとに計算が必要です。
耐震は「元を取る」で考えにくい
耐震等級3などの耐震性能は、
「何年で元が取れる?」
という設備ではありません。
地震が起きなければ経済的メリットが見えにくくても、
万一への備え
として考える性能です。
断熱も「光熱費だけ」ではない
断熱性能も、
年間3万円安くなるから採用。
というだけではありません。
毎日の、
寒い。
暑い。
足元が冷える。
脱衣所が寒い。
などの快適性にも関係します。
おすすめの優先順位
予算調整では、
①安全性に関わるもの
耐震など。
②後から変更しにくいもの
断熱・気密・窓・構造など。
③毎日使うもの
間取り・家事動線など。
④後から交換しやすいもの
一部設備・内装等。
という考え方ができます。
「高性能だから借りすぎる」も違う
逆に、
高性能住宅だから光熱費が安い。
↓
住宅ローンを限界まで増やす。
という考え方もおすすめできません。
性能と無理のない資金計画の両方が必要
です。
30年間の総住居費で比較する
例えば、
A案
建築費が安い
+住宅ローンが少ない
+光熱費・修繕費が高め
B案
建築費が高い
+住宅ローンが多い
+光熱費・修繕費を抑えやすい
という場合、
30年間の総額
で比較します。
チェックポイント
- 耐震性能を確保したか
- 断熱性能を確認したか
- 気密性能を確認したか
- 窓性能を確認したか
- 後から変更できるか考えたか
- 建物面積を見直したか
- オプションを整理したか
- 30年間の光熱費を比較したか
- 住宅ローンが無理のない範囲か
まとめ
住宅性能と住宅ローンで迷ったら、
「性能を取るか、安さを取るか」の二択にしないこと。
まず、
安全・快適に暮らすために必要な性能を決める。
そのうえで、
建物の大きさ・設備・オプションを調整して、住宅ローンを無理のない金額にする。
住宅会社には、
「100万円安くするには性能を下げるしかありませんか?」ではなく、「後から変更しにくい性能を残したまま、建物面積・設備・仕様で100万円調整する方法を提案してください」
と相談する。
性能も大切。住宅ローンも大切。
だから「必要な性能を、無理のない総額で建てる」。
これが長期的に後悔しにくい住宅予算の考え方です。
















