質問
「高断熱住宅は電気代だけでなく健康にも良いと聞きます。家の暖かさと、睡眠・血圧・活動量には本当に関係があるのでしょうか?」
結論
住宅性能を考える目的は、省エネだけではありません。
断熱性能を高め、冬の室温低下や部屋間の大きな温度差を抑えることは、毎日過ごす室内環境を改善することにつながります。
住宅の温熱環境と、
血圧
+睡眠
+身体活動
+健康
との関連については、国の調査や大学等でも研究されています。
ただし、
「断熱等級6にすれば病気にならない」
という意味ではありません。
① 人は家の中で長い時間を過ごす
住宅は、
寝る。
食事する。
入浴する。
くつろぐ。
子どもが勉強する。
という、生活の大部分を過ごす場所です。
だからこそ、室温・湿度・温度差も住宅性能の一部として考えます。
② 冬の「寒い家」を当たり前にしない
昔の住宅では、
リビングだけ暖房。
廊下は寒い。
脱衣室はさらに寒い。
寝室は暖房を切ると冷える。
という暮らしも珍しくありません。
高断熱化では、暖房している部屋だけでなく、家全体が極端に冷えにくい状態を目指します。
③ 室温と血圧の関係
住宅の温熱環境と血圧については、国土交通省のスマートウェルネス住宅等推進調査などでも研究されています。
重要なのは、
「暖かい家なら高血圧が治る」
と断定することではありません。
住宅側でできることは、冬の極端に寒い室内環境や急激な温度変化をできるだけ減らすことです。
④ 睡眠環境にも室温は関係する
寝室が、
冬は極端に寒い。
夏は暑くて寝苦しい。
湿度が高い。
となれば、快適な睡眠環境をつくりにくくなります。
断熱・気密・日射遮蔽・空調によって、夜間も温湿度を管理しやすい住宅を目指します。
⑤ 「寝るときエアコンを切る」が正解とは限らない
高性能住宅では、エアコンを短時間だけ強運転するより、住宅性能や季節に応じて穏やかに運転する方法が適する場合があります。
特に夏の久留米では、
温度+湿度
を確認し、無理にエアコンを切らないことも重要です。
⑥ 暖かい家は活動量にも関係する?
寒い住宅では、
暖房しているリビングから動きたくない。
廊下へ出たくない。
脱衣室が寒い。
ということがあります。
住宅内の温度差を小さくすることは、家の中で活動しやすい環境づくりという視点でも考えられます。
⑦ 高齢になるほど「家の中の寒さ」を考える
若いときは、
「少し寒ければ厚着すればいい」
と思うかもしれません。
しかし住宅は30年・50年使います。
70代・80代になったときにも暮らす可能性を考え、将来の身体状況まで含めて住宅性能を選ぶことが重要です。
⑧ 夏の暑さも健康面で重要
健康を考えるなら冬だけではありません。
夏は、
室温上昇。
高湿度。
夜間の暑さ。
などにも注意が必要です。
久留米では、高断熱+日射遮蔽+適切な冷房・除湿をセットで考えます。
⑨ 住宅性能だけで健康は決まらない
健康には、
年齢。
食事。
運動。
生活習慣。
既往歴。
医療。
など多くの要因があります。
したがって、住宅会社が、
「この家なら病気になりません」
といった説明をするのは適切ではありません。
住宅は、健康的に暮らしやすい室内環境をつくる一つの要素として考えます。
チェックポイント
- 光熱費だけで断熱性能を考えていないか
- 冬の室温低下を考えたか
- 部屋間温度差を確認したか
- 寝室の温湿度を考えたか
- 夏の暑さ・湿度を考えたか
- 高齢期の暮らしまで考えたか
- 健康効果を断定的に説明されていないか
まとめ
住宅会社には、
「高断熱住宅なら健康になりますよね?」ではなく、
「冬の室温低下や部屋間温度差、夏の暑さ・湿度を抑えるために、断熱・気密・窓・日射・空調をどう設計していますか?」
と質問する。
住宅性能は、電気代だけのために上げるものではありません。
毎日過ごす、
温度・湿度・睡眠環境・家の中の温度差
まで考える。
これが、健康まで視野に入れた家づくりです。
















