質問
「UA値は小さいほど良いなら、できるだけ断熱等級7に近づけたほうがいいのでしょうか?どこまで性能を上げれば十分ですか?」
結論
断熱性能を高めることには意味がありますが、UA値を小さくすること自体を家づくりの目的にしないことが重要です。
考えたいのは、
断熱性能+建築費+窓+日射+気密+換気+空調+暮らし方
のバランスです。
「最高性能にするか、最低基準でいいか」の二択ではなく、久留米で長く暮らす家として、どの水準が家族に合うかを比較します。
① 性能を上げるほど効果は同じように増える?
断熱性能を高めれば、外皮からの熱損失を小さくする方向に働きます。
ただし性能を高めていくほど、追加する断熱材・高性能窓などに費用が必要になる場合があります。
そこで、追加費用に対して何が変わるのかを確認します。
② 等級5・6・7を費用込みで比較する
例えば6地域では、
等級5:UA値0.60以下
等級6:UA値0.46以下
等級7:UA値0.26以下
です。
住宅会社には、それぞれの仕様にした場合、
断熱材はどう変わる?
窓は?
追加費用は?
冷暖房負荷は?
と比較してもらいます。
③ UA値だけ極端に追いかけない
例えばUA値をさらに小さくするために、
必要な窓まで小さくする。
予算を大幅に超える。
他の重要性能を削る。
のであれば、家全体の優先順位を見直します。
④ 耐震性能を犠牲にしない
断熱性能を最高水準へ上げるために、
構造。
耐震。
基礎。
などの予算を削るのは慎重に考えます。
住宅性能は総合点で見ることが重要です。
⑤ C値も忘れない
高い断熱性能を設計しても、実際の施工品質はUA値だけでは確認できません。
断熱性能を高めるほど、
気密施工+気密測定
も重要になります。
⑥ 久留米では夏の日射対策との予算配分も重要
例えば、
壁の断熱をさらに強化する。
一方で、
西側に大きな窓。
日射遮蔽なし。
では、夏の快適性を考えた予算配分として最適とは限りません。
断熱+窓+日射遮蔽を一体で考えます。
⑦ 換気・空調も置き去りにしない
高断熱住宅でも、
換気計画が不十分。
エアコン位置が悪い。
除湿計画がない。
では、性能を十分活かせない場合があります。
⑧ 「元が取れるか」だけでも判断しない
性能向上の価値は、光熱費だけではありません。
室温。
温度差。
快適性。
冷暖房の使い方。
なども含めて考えます。
一方で、「高断熱なら必ず○年で元が取れる」と断定する説明にも注意します。
⑨ まず目標性能を決める
家づくりの最初に、
最低どこまで確保する?
できればどこまで上げる?
予算が増えたら何を優先する?
という3段階で考えると、予算調整しやすくなります。
チェックポイント
- 等級5・6・7を比較したか
- 性能アップ費用を確認したか
- UA値だけを競っていないか
- 耐震・構造を犠牲にしていないか
- C値を実測するか
- 夏の日射遮蔽を考えたか
- 換気・空調まで含めて判断したか
まとめ
住宅会社には、
「UA値はどこまで小さくできますか?」ではなく、
「久留米で暮らす場合、断熱等級5・6・7で仕様・追加費用・冷暖房負荷がどう変わり、どの水準が費用と快適性のバランスを取りやすいですか?」
と相談する。
住宅性能は数字の競争ではありません。
必要な断熱性能を確保しながら、
耐震・気密・窓・日射・換気・空調・予算
をバランスよく整える。
それが、30年・50年後まで性能を活かせる高性能住宅をつくる考え方です。
















