質問
「窓の結露は見えますが、壁の中でも結露すると聞きました。内部結露が起きると、住宅にはどんな影響があるのでしょうか?」
結論
内部結露とは、壁・屋根などの内部で水蒸気が結露する現象です。
特に注意したいのは、完成後には見えにくいため、気づかないまま湿った状態が続く可能性があることです。
対策では、
断熱+防湿+気密+透湿+通気
を壁全体として考えることが重要です。
① 壁の中には何がある?
木造住宅の外壁は、仕様によって異なりますが、
室内仕上げ。
防湿・気密層。
断熱材。
柱・間柱。
構造用面材。
透湿防水層。
通気層。
外壁材。
など、複数の材料で構成されます。
断熱材だけで壁ができているわけではありません。
② 冬の内部結露はどう起きる?
冬は一般的に、
室内=暖かく、水蒸気を含む
外=寒い
という状態になります。
室内の水蒸気が壁体内へ移動し、内部で温度が下がって露点条件に達すると、結露が生じる可能性があります。
③ 水蒸気はどうやって壁へ入る?
大きく考えると、
材料を通した水蒸気移動
と、
隙間から湿った空気そのものが移動すること
があります。
特に後者を抑えるためにも、気密層の連続性が重要です。
④ コンセントの小さな隙間にも注意
例えば外壁側に、
コンセント。
スイッチ。
配管。
配線。
換気ダクト。
などがあります。
こうした部分で気密層が途切れていれば、湿った室内空気が壁体内へ移動する経路になる可能性があります。
⑤ 内部結露が続くとどうなる?
長期間湿潤状態が続けば、
断熱材。
木材。
その他の建材。
などへ悪影響を及ぼす可能性があります。
条件によっては、
カビ
+木材腐朽
+断熱性能低下
などにつながることも考えられます。
⑥ 「グラスウールだから結露する」は違う
内部結露を、
「グラスウールだから」
「吹付ウレタンだから」
と断熱材の種類だけで判断しないことが重要です。
見るべきなのは、
断熱材。
防湿層。
気密層。
面材。
通気層。
室内外の温湿度。
を含めた壁体構成全体です。
⑦ 防湿層で室内側からの水蒸気を抑える
壁体構成に応じて、室内側へ適切な防湿層を設けることで、水蒸気が壁体内へ移動することを抑えます。
ただし、
防湿シートを使っている=内部結露対策完了
ではありません。
連続して施工されているかが重要です。
⑧ 外側は通気層で乾燥しやすくする
外壁通気工法では、外壁材の内側に通気層を設けます。
雨水対策だけでなく、壁体内から外側へ移動した湿気を排出しやすくすることにも関係します。
入れにくくする+乾かしやすくする
という両方の視点を持ちます。
⑨ 壁体内の結露計算はできる?
壁を構成する各材料には、熱や水蒸気の通しやすさがあります。
住宅会社には、
「この壁構成で内部結露リスクをどのように検討していますか?」
と聞いてみます。
特に高断熱化する場合は、経験だけでなく根拠を持った壁体設計が重要です。
⑩ 久留米では夏型結露も考える
久留米・福岡では、高温多湿な外気と冷房された室内が組み合わさる時期があります。
そのため、
冬の室内→屋外
だけでなく、
夏の屋外→冷房された室内側
という水蒸気移動についても考える必要があります。
これはQ76で詳しく扱います。
チェックポイント
- 壁体構成を確認したか
- 防湿層を確認したか
- 気密層を確認したか
- 配線・配管貫通部を確認したか
- 外壁通気層を確認したか
- 内部結露リスクを検討しているか
- 夏型結露まで考えているか
まとめ
住宅会社には、
「断熱材は何を使っていますか?」だけではなく、
「室内の水蒸気を壁へ入れにくくし、入った湿気を外へ逃がすために、防湿・気密・透湿・通気をどのように設計していますか?」
と質問する。
高断熱住宅で本当に確認したいのは、断熱材の商品名だけではありません。
壁の中を30年・50年、できるだけ健全な状態に保つための壁体設計ができているか。
ここまで確認することが重要です。
















