「家は毎年古くなるので、固定資産税も毎年どんどん安くなって、最後はほぼゼロになるんですよね?」
結論からいうと、
そうではありません。
建物は古くなることで評価が下がっていく仕組みがありますが、
毎年必ず固定資産税が下がるわけではなく、古くなっても建物の評価額がゼロになる仕組みでもありません。
ここが固定資産税で勘違いされやすいポイントです。
建物はどうやって評価する?
家屋の評価は基本的に、
再建築価格 × 経年減点補正率
という考え方で算定されます。(久留米市公式サイト)
簡単にいうと、
「今、この家と同じものを建てるとしたらいくら?」
という再建築価格を基準にして、
そこから、
築年数による経年劣化を反映する
仕組みです。
古くなると評価は下がる
新築から、
5年。
10年。
20年。
と経過すれば、建物は少しずつ古くなります。
そこで使われるのが、
経年減点補正率
です。
でも「毎年税金が下がる」ではない
ここが重要です。
固定資産税の土地・家屋は、
原則3年ごとに評価替え
が行われます。
久留米市でも、固定資産税の基準年度は3年度ごとと定められています。(久留米市公式ホームページ)
つまり、
毎年1年ずつ古くなった分だけ、毎年税金が下がっていく
という単純な仕組みではありません。
さらに再建築価格も見直される
評価替えでは、
築年数だけを見るわけではありません。
現在の建築物価などを考慮して、
再建築価格も見直されます。
そのため、
築年数は古くなった。
↓
経年減点補正率は下がった。
でも、
建築費が上昇。
ということもあります。
久留米市も、在来家屋について建築物価の動向等を考慮して再建築価格を求めると説明しています。(久留米市公式サイト)
ただし評価額が上がる場合は?
既存家屋では、評価替えによって計算した評価額が前年度の評価額を上回る場合、原則として前年度の評価額に据え置く仕組みがあります。(久留米市公式サイト)
つまり、
建築費が上がったから、古い家の評価額もどんどん上がる
という単純な仕組みでもありません。
古くなれば最終的に0円になる?
ここも重要です。
基本的にゼロにはなりません。
家屋の経年減点補正率には下限があり、
一般的な家屋では、
最終的に20%程度の評価が残る仕組み
になっています。
つまりイメージとしては、
新築時
100%
↓
築年数とともに低下
↓
最終的には
20%程度で下げ止まる
という考え方です。
「残価20%」と覚えると分かりやすい
例えば単純化して、
新築時の評価を100とすると、
古くなるにつれて、
90。
70。
50。
30。
と下がっていっても、
最終的に、
0にはならず20程度が残る
イメージです。
※実際の評価は建物の構造・用途・再建築価格などによって決まるため、この数字は仕組みを説明するためのイメージです。
なぜ0円にならない?
古い家でも、
住宅として存在し、使用されている以上、
一定の価値が残っている
という考え方です。
そのため、
「築30年になったら建物の固定資産税はゼロ」
とは考えません。
住宅ローンが終わっても税金は残る
例えば、
70歳で住宅ローン完済。
でも、
固定資産税等。
火災保険。
修繕費。
設備交換費。
はその後も続きます。
つまり、
住宅ローン完済=住居費ゼロ
ではありません。
新築直後はさらに注意
新築住宅には一定の要件で固定資産税の軽減措置があります。
そのため、
新築時
→ 軽減されている
↓
軽減期間終了
→ 税負担が増える
ということがあります。
つまり、
家は古くなったのに固定資産税が上がった
という現象も起こり得ます。
よくある勘違い
「家は毎年古くなる」
↓
「評価額も毎年下がる」
↓
「固定資産税も毎年下がる」
↓
「30年後にはほぼゼロ」
と思っていた。
でも実際は、
原則3年ごとの評価替え
があり、
さらに、
経年減点補正率には下限があるため、古くなっても評価がゼロにはならない。
「老後も固定資産税が残る前提で資金計画すればよかった」
となります。
チェックポイント
- 家屋評価は毎年ではなく原則3年ごとの評価替え
- 再建築価格も見直される
- 経年減点補正率が使われる
- 古くなっても評価額はゼロにならない
- 経年減点補正率には下限がある
- 新築軽減終了後は税負担が増える場合がある
- 土地と建物は別々に考える
- 住宅ローン完済後も固定資産税等は続く
まとめ
固定資産税について覚えておきたいのは、
「古くなれば毎年安くなって、最後はゼロ」ではない
ということです。
建物は、
再建築価格
×
経年減点補正率
を基本に評価され、
原則3年ごとに評価替えが行われます。(久留米市公式ホームページ)
そして経年減点補正率には下限があるため、
古くなっても一定の評価が残ります。
住宅会社へは、
「30年後には固定資産税はほとんどなくなりますよね?」ではなく、「新築軽減終了後と、20年・30年後にも固定資産税等が残る前提で資金計画をしてください」
とお願いする。
家は古くなっても、固定資産税がゼロになるとは考えない。
















