「回遊動線って便利そうなので、絶対に作った方がいいですよね?」
最近の家づくりで人気なのが、
回遊動線です。
例えば、
玄関
↓
洗面
↓
ファミリークローゼット
↓
ランドリー
↓
キッチン
↓
玄関
というように、行き止まりを作らず家の中をぐるっと回れる間取りです。
確かに、
家事がしやすい。
家族がすれ違いやすい。
移動距離を短くできる。
というメリットがあります。
しかし、
回遊できること自体を目的にすると、逆に使いにくい家になることがあります。
回遊動線には「通路」が必要
回遊するためには、
当然、人が通るスペースが必要です。
例えばファミリークローゼットを、
2方向から出入りできるようにする。
すると、
入口が2か所。
通路も必要。
その分、
収納として使える壁が減ります。
収納を便利にするための回遊動線なのに、
収納量が減ってしまうこともあります。
ドアが増えると家具を置けなくなる
回遊動線では、
出入口が増えます。
すると、
壁が減ります。
壁が減れば、
収納。
テレビ。
ソファ。
棚。
家具。
を置ける場所も減ります。
間取り図では便利そうでも、
家具を配置すると使いにくい
ということがあります。
キッチン回遊も本当に必要?
例えば、
アイランドキッチンの左右を通れる回遊動線。
家族が複数人で料理する家庭なら便利です。
しかし、
片側しかほとんど通らない家庭なら、
もう片方の通路は、
毎日ほとんど使わないスペース
になる可能性があります。
そのスペースを収納にした方が、暮らしやすい場合もあります。
「近道」になっているか確認する
回遊動線で重要なのは、
本当に移動距離が短くなるか
です。
ぐるっと回れる。
でも、
目的地まで遠い。
では意味がありません。
例えば、
玄関からキッチンへ行くために、
洗面。
ランドリー。
ファミリークローゼット。
を通る。
回遊はできても、買い物袋を持って毎回そのルートを歩くなら、本当に便利なのか確認する必要があります。
家族の動線がぶつかることもある
朝、
ご主人は洗面へ。
子どもはファミリークローゼットへ。
奥様はランドリーへ。
全員が同じ回遊動線へ集中すると、
便利なはずの通路が渋滞する
ことがあります。
特に、
洗面。
トイレ。
ファミリークローゼット。
玄関。
など、朝使う場所が集中している場合は注意します。
プライバシーにも注意
回遊動線によって、
玄関。
洗面。
脱衣室。
ファミリークローゼット。
がつながる場合があります。
便利な反面、
来客時に、
洗濯物。
着替え。
収納内部。
などが見えやすくなる可能性があります。
家族動線と来客動線を分ける
という考え方も必要です。
冷暖房にも影響する
出入口が増えれば、
空間同士のつながり方も変わります。
ドアを開けたまま使うのか。
閉めるのか。
どの空間まで冷暖房するのか。
なども考える必要があります。
特に、
洗面。
脱衣室。
ランドリー。
LDK。
をつなげる場合には、間取りだけでなく温熱環境も一緒に考えます。
回遊しなくても短ければいい
例えば、
キッチン。
ランドリー。
ファミリークローゼット。
が一直線につながっている。
行き止まりではある。
でも、
移動距離は短い。
この場合、無理にもう一つ出口を作らなくても、十分使いやすい可能性があります。
よくある失敗例
SNSで見た回遊動線に憧れて、
玄関。
洗面。
ファミリークローゼット。
ランドリー。
キッチン。
をぐるっとつないだ。
完成すると、
通路が多い。
収納できる壁が少ない。
ほとんど使わない入口もある。
結果、
「回れるけれど、そのために収納を減らしてしまった」
という後悔につながった。
原因
「回遊できること」を目的にしてしまい、「なぜ回遊する必要があるのか」を考えなかったことです。
後悔しないためのチェックポイント
- 回遊する目的は明確か
- 本当に移動距離が短くなるか
- ほとんど使わない通路がないか
- 出入口を増やして収納が減っていないか
- 家具を置ける壁が残っているか
- 朝の家族動線が重ならないか
- 来客から生活空間が見えないか
- 冷暖房計画まで考えているか
- 一本道の方が使いやすくないか
- 回遊動線のために建物面積を増やしていないか
まとめ
回遊動線は、
作ることが目的ではありません。
本当の目的は、
家族の移動を楽にすることです。
だから、
「ぐるっと回れます」
ではなく、
「この回遊によって、毎日の何が楽になるのか」
を確認する。
回れる家より、
無駄なく動ける家。
そこを優先することが、回遊動線で後悔しないポイントです。
















