質問
「高気密・高断熱住宅は建築費が高くなるイメージがあります。できるだけ初期費用を抑えた住宅のほうがお得ではないですか?」
結論
高性能化によって初期費用が増える場合はあります。
しかし住宅は、建てた瞬間だけでなく30年・40年・50年と使うものです。
そのため、
建築費+光熱費+設備交換+メンテナンス+快適性
まで含めた長期的なコストで比較することが重要です。
① 「建物価格」だけで比較しない
例えば、
A社
→ 建築費は安い。
B社
→ 断熱・気密・窓性能を高めて初期費用が上がる。
この差額だけを見てA社が得とは判断できません。
住み始めた後の費用も考えます。
② 光熱費は毎月発生する
住宅ローンは意識しても、
電気代。
冷暖房費。
給湯費。
などは見落とされがちです。
高性能住宅では、少ないエネルギーで室温を保ちやすい建物を目指すことが重要になります。
③ 大きなエアコンで解決すればいい?
断熱性能が十分でない家を、
大型エアコン。
複数台のエアコン。
で冷暖房する方法もあります。
しかしまず、建物そのものから熱が出入りしにくい状態をつくることを考えます。
④ 太陽光だけでも解決しない
太陽光発電をたくさん載せれば省エネ住宅になる、という単純な話でもありません。
基本は、
断熱・気密・日射計画でエネルギー需要を抑える
↓
高効率設備を使う
↓
太陽光等でエネルギーをつくる
という順番で考えます。
⑤ 快適性も「価値」の一つ
例えば、
冬の朝にLDKが極端に冷えにくい。
脱衣室との温度差を抑えやすい。
夏の西日を適切に遮る。
など、室内環境の違いは単純な建築費だけでは比較できません。
⑥ 後から高性能化すると費用がかかる
新築後に、
窓を全面交換。
壁を開けて断熱改修。
気密層をやり直す。
となれば、大掛かりな工事になる可能性があります。
新築時だからこそ施工しやすい性能があります。
⑦ 「高性能なら必ず元が取れる」とも言い切らない
ここも重要です。
性能アップにかかる追加費用が、必ず光熱費だけですべて回収できるとは限りません。
地域。
家の大きさ。
家族人数。
設定温度。
電気料金。
設備。
生活スタイル。
によって結果は変わります。
「○年で必ず元が取れます」という説明だけで判断しないことが重要です。
⑧ 追加費用を具体的に比較する
住宅会社には、
断熱等級5→6でいくら?
窓性能を上げるといくら?
気密測定はいくら?
換気方式を変えるといくら?
と、性能ごとの追加費用を出してもらいます。
そのうえで何を優先するか判断します。
チェックポイント
- 建築費だけで比較していないか
- 光熱費まで考えたか
- 設備交換費を考えたか
- 後から改修する費用を考えたか
- 性能アップ費用を項目別に確認したか
- 「必ず元が取れる」という説明だけで判断していないか
- 快適性まで含めて比較したか
まとめ
住宅会社には、
「高性能住宅はいくら高くなりますか?」だけではなく、
「性能を上げるための追加費用を項目別に示し、建築費だけでなく入居後の光熱費・設備・メンテナンスまで含めるとどう違いますか?」
と相談する。
住宅は、買った日が一番安ければ成功という商品ではありません。
大切なのは、
建てる費用+住む費用+維持する費用。
この3つを合わせて考えること。
それが、高性能住宅の「本当の価格」を比較するときの基本です。
















