質問
「住宅ローンの事前審査で、銀行から4,000万円まで借りられると言われました。当初は3,000万円程度で考えていましたが、せっかく借りられるなら住宅予算を上げて、もう少し大きな家を建てても大丈夫でしょうか?」
結論|住宅ローンは「借りられる額」ではなく「無理なく返せる額」で決める
住宅ローンの借入可能額と、家族が無理なく返済できる金額は同じではありません。
金融機関が4,000万円まで融資可能と判断しても、4,000万円を借りて家計に余裕を持ちながら生活できるとは限りません。
住宅購入後には、住宅ローン以外にも次のような費用が必要になります。
- 固定資産税・都市計画税(課税対象の場合)
- 火災保険・地震保険
- 住宅の修繕・設備交換費
- 子どもの教育費
- 車の維持費・買替え費用
- 毎月の生活費・貯蓄
- 将来の老後資金
特に久留米市・筑後市・大木町周辺で30代の子育て世帯が家を建てる場合は、現在の収入だけでなく、10年後・20年後の家計まで考えた資金計画が重要です。
① 住宅ローンの審査に通れば安心とは限らない
金融機関は、年収、勤務状況、年齢、既存借入、返済期間、信用情報などを総合的に審査します。
しかし住宅ローンの審査は、家族が希望する生活水準や将来の教育費まで保証するものではありません。
例えば、同じ世帯年収700万円でも、子どもが1人の家庭と3人の家庭では将来必要になる教育費が異なります。
また、車を2台所有する家庭と1台の家庭でも生活費は変わります。
銀行の審査に通ることと、家計に余裕があることは別です。
② 3,000万円と4,000万円では返済額がどれくらい違う?
例えば、次の条件で比較します。
- 金利:年1.5%
- 返済期間:35年
- 返済方法:元利均等返済
- ボーナス払い:なし
- 金利が35年間変わらないと仮定
| 借入額 | 毎月返済額の目安 |
|---|---|
| 3,000万円 | 約9.2万円 |
| 3,500万円 | 約10.7万円 |
| 4,000万円 | 約12.2万円 |
3,000万円と4,000万円では、毎月約3万円の返済差が生じます。
年間では約36万円、35年間では利息を含む返済総額に約1,260万円の差が生じる計算です。
※概算例です。金利変動、諸費用、保険料などは含みません。実際の返済額は金融機関や借入条件によって異なります。
「あと1,000万円借りられる」という理由だけで住宅予算を増やさないことが重要です。
③ 「今の家賃と同じ返済額」でも安心とは限らない
例えば、現在の家賃が月8万円だったとします。
住宅ローンも月8万円なら、毎月の支払いは同じように見えます。
しかし持ち家になると、住宅ローンとは別に固定資産税、保険、修繕費、設備交換費などが必要になります。
新築直後は修繕費が少なくても、10年後・20年後にはまとまった費用が必要になる可能性があります。
住宅ローンの毎月返済額だけで、住居費全体を判断しないことが大切です。
④ 30代の家づくりでは教育費のピークを考える
30代で住宅を建てる場合、住宅ローンの返済期間と子どもの教育費が増える時期が重なる可能性があります。
住宅購入時には子どもが小さくても、10年後・15年後には高校や大学などの進学費用が必要になるかもしれません。
住宅ローン返済額を限界まで増やすと、教育費が増えたときに家計が苦しくなる可能性があります。
「今払えるか」だけでなく、「教育費が増えても払えるか」まで確認しましょう。
⑤ 共働き収入をすべて前提にしない
現在は夫婦共働きでも、将来の収入が同じとは限りません。
育児休業、時短勤務、転職、介護、病気やけがなどによって世帯収入が変わる可能性があります。
住宅ローンを検討するときは、現在の収入が続く場合だけでなく、収入が減少した場合の家計も試算しておくことが重要です。
⑥ 久留米周辺では車の維持費も忘れない
久留米市・筑後市・大木町周辺では、通勤や買い物などに車を利用する家庭もあります。
車を2台所有する場合、住宅ローン返済期間中にも車検、自動車保険、燃料費、買替え費用などが必要です。
住宅費だけを優先すると、車の買替え時に家計が苦しくなる可能性があります。
住宅ローンと車の維持費を一緒に考えることが大切です。
⑦ 住宅ローン返済中にも修繕費は必要になる
新築住宅でも、長く住めば設備の修理や交換が必要になります。
例えば、給湯器、エアコン、換気設備、外壁、屋根、防水などです。
住宅ローン返済中に大きな修繕費が発生しても対応できるよう、毎月一定額を準備しておく考え方が重要です。
住宅ローンを返せるだけでなく、住宅を維持できる家計にすることが必要です。
⑧ 頭金を入れすぎることも後悔につながる
借入額を減らしたいからと、貯蓄をほとんど頭金に使ってしまうケースもあります。
しかし新築後には、引越し、家具・家電、車の買替え、急な生活費などが必要になる場合があります。
借入額を減らすことは大切ですが、手元資金を残すことも重要です。
頭金は多ければ多いほど良い、というわけではありません。
⑨ 予算オーバーしたら借入額を増やす前に考えること
例えば、希望をすべて入れた結果、住宅予算が300万円オーバーしたとします。
その場合、借入額を増やすだけでなく、建物面積、収納、設備、造作、間取りなどを見直す方法があります。
住宅会社には、予算を増やす提案だけでなく、予算内に収めるための具体的な提案も求めたいところです。
⑩ 住宅予算は建物本体ではなく総額で決める
住宅会社の広告に「建物価格2,400万円」と書かれていても、土地、付帯工事、外構、諸費用などが別に必要になる場合があります。
家づくりの予算は、建物本体価格だけではなく、入居までに必要な費用を含めて考える必要があります。
住宅会社へ予算を伝えるときは、
「建物本体だけで○万円」
なのか、
「土地・建物・付帯工事・諸費用まで含めて○万円」
なのかを明確にしましょう。
⑪ 変動金利を選ぶなら金利上昇も想定する
住宅ローンの返済額は、金利タイプによっても変わります。
特に変動金利を選ぶ場合は、現在の金利だけでなく、将来金利が上昇した場合の返済負担も試算することが重要です。
金利上昇によって返済負担が増えた場合、教育費や貯蓄へ影響する可能性があります。
「今の金利なら返せる」だけでなく、「金利が上がっても対応できるか」まで確認します。
⑫ 住宅ローンの返済期間は完済年齢まで考える
返済期間を長くすると、毎月の返済額を抑えられる場合があります。
しかし、その分だけ返済が長期間続きます。
例えば35歳で40年ローンを組むと、当初予定どおりなら完済は75歳です。
住宅ローンを組む際には、毎月返済額だけでなく、退職時点の残債や完済年齢も確認します。
⑬ 住宅ローンは「家計の余裕」から逆算する
住宅ローンを検討する際は、次の順番で考えると整理しやすくなります。
- 現在の手取り収入と生活費を確認する。
- 教育費・車・将来の貯蓄を考える。
- 固定資産税・保険・修繕費を見込む。
- 無理なく支払える毎月返済額を決める。
- 金利・返済期間を設定して借入額を試算する。
- 土地・建物・諸費用を含めた総予算を決める。
- その予算内で住宅会社へ提案を依頼する。
借入可能額から家の予算を決めるのではなく、家計から住宅予算を逆算することが重要です。
後悔しないための最終チェックリスト
- 借入可能額と返済可能額を区別しているか
- 固定資産税・保険・修繕費を考えているか
- 教育費が増える時期を想定しているか
- 車の維持費・買替え費用を考えているか
- 収入が減った場合も試算しているか
- 金利上昇時の返済額を確認しているか
- 完済年齢を確認しているか
- 住宅購入後の貯蓄を確保できるか
- 建物本体ではなく家づくり総額で考えているか
まとめ|住宅ローンは借りられる額ではなく返せる額
住宅ローンを考えるときに大切なのは、「銀行からいくら借りられるか」だけではありません。
「住宅ローンを返しながら、教育費・車・生活費・修繕費・老後資金まで確保できる金額はいくらか」という視点です。
家づくりの目的は、大きな家を建てることでも、借入可能額を使い切ることでもありません。
家族が安全に、快適に、無理のない費用で長く暮らせることです。
借りられる額ではなく、返せる額。
さらに、返しながら暮らしを楽しめる額。
これを住宅予算の基準にしてください。
建てる前に気づけた人が勝ち。
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