質問
「注文住宅ならLDK20畳以上が理想だと思っています。20畳あれば、広くて開放的なリビングになりますよね?」
結論
LDK20畳=必ず広く感じる、ではありません。
同じ20畳でも、
形
+天井
+窓
+家具
+収納
+動線
+視線の抜け
によって体感的な広さは大きく変わります。
大切なのは、
「何畳あるか」ではなく「20畳を何畳分使えているか」
です。
① 20畳なのに狭い家がある理由
例えばLDK中央を、
玄関→洗面。
キッチン→ランドリー。
LDK→階段。
という複数の動線が横切れば、その部分には家具を置けません。
つまり、床面積は20畳でも通路として使われる面積が増えます。
② LDK内の「交通整理」をする
家族が、
料理する人。
テレビを見る人。
ダイニングに座る人。
洗面へ行く人。
階段へ行く人。
でぶつからないようにします。
③ キッチン前を通路にしすぎない
料理中に、
子ども。
家族。
来客。
が何度もキッチン前を横切ると、広くても落ち着きません。
家事動線と家族動線を整理します。
④ 冷蔵庫位置もLDKの使いやすさを変える
冷蔵庫をキッチンの一番奥へ置くと、
飲み物を取りたい家族が料理中の人の後ろを通る。
ということがあります。
冷蔵庫位置はキッチンだけでなく、家族全員の動線で決めます。
⑤ 20畳より18畳が使いやすいことも
例えば、
20畳+通路が多いLDK
より、
18畳+通路が整理されたLDK
のほうが家具を配置しやすく、実際の生活スペースを広く取れる場合があります。
⑥ 「壁」があることも重要
窓が多すぎるLDKでは、
テレビ。
収納。
家具。
絵。
時計。
などを置く壁がなくなります。
窓のない壁も大切な間取り要素です。
⑦ 大開口窓は目的を決める
庭とのつながり。
採光。
眺望。
など明確な目的があれば効果的です。
ただし、
道路から丸見え。
隣家から見える。
夏の日差しが強い。
なら、カーテンを閉めっぱなしになる可能性があります。
⑧ 「カーテンを閉めたままの大窓」にしない
開放感のためにつくった大きな窓でも、
外から見える。
↓
常にカーテン。
では、本来の開放感を活かせません。
土地・外構・窓を一緒に計画します。
⑨ 久留米では夏の日射も考える
南側に大きな窓をつくるなら、
軒。
庇。
外付けシェード等。
などの日射遮蔽も検討します。
西側の大開口についても、夏の西日を考えます。
⑩ 天井の高さで体感が変わる
床面積を増やさなくても、
高天井。
勾配天井。
吹き抜け。
などで縦方向の広がりをつくる方法があります。
⑪ ただし天井を高くすれば全部解決ではない
高天井・吹き抜けでは、
空調。
照明。
音。
掃除。
メンテナンス。
なども考えます。
住宅性能とセットで検討します。
⑫ 建具の高さを揃える
ドア・収納扉等の高さやラインを整理すると、壁面がすっきり見え、空間に連続性を出しやすくなります。
⑬ 床材を途中で細かく変えない
リビング。
ダイニング。
キッチン。
を同じ床材でつなげるなど、視覚的に空間を分断しない方法があります。
⑭ 家具の高さも重要
背の高い家具がLDK中央付近に多いと、視線が遮られます。
低めの家具を使うなど、視線の抜けを考えます。
⑮ キッチンの腰壁も検討
キッチンを完全に見せる?
少し隠す?
でLDKの印象は変わります。
生活感をどこまで見せたいかも考えます。
⑯ 収納が広さを守る
20畳LDKでも、
子どもの荷物。
書類。
掃除用品。
おもちゃ。
日用品。
が床へ出ていれば狭く感じます。
広さを維持するための収納が必要です。
⑰ 「収納を増やせばいい」でもない
収納を増やしすぎれば、その分LDKが小さくなります。
必要なのは巨大収納ではなく、使う場所の近くに必要量を置くことです。
⑱ 20畳にするために住宅性能を削らない
例えば予算調整で、
LDKを20畳にするために、
断熱。
窓性能。
耐震。
など、後から変更しにくい基本性能を下げることは慎重に考えます。
⑲ 2畳増やす費用と価値を比較
18畳から20畳へ広げるなら、
その2畳で、
何を置く?
どう使う?
毎日使う?
を考えます。
目的がないなら、面積を増やさない選択もあります。
⑳ 「数字より体感」で判断する
可能ならモデルハウス・完成住宅などで、
16畳。
18畳。
20畳。
のLDKを実際に体感します。
ただし家具サイズ・天井高・窓などの条件も一緒に確認します。
チェックポイント
- 20畳という数字だけで決めていないか
- LDK内の通路を確認したか
- キッチン動線を確認したか
- 冷蔵庫位置を確認したか
- 家具を実寸で配置したか
- 家具を置ける壁があるか
- 大窓からの視線を確認したか
- 夏の日射遮蔽を考えたか
- 天井・視線の抜けを考えたか
- 収納を適所に配置したか
まとめ
LDKを考えるとき、
「20畳以上なら広い家」という数字だけの判断をしないこと。
住宅会社には、
「LDK20畳にしてください」ではなく、「家具・家族動線・収納・窓・庭・天井まで含めて、18畳と20畳では実際の暮らしがどう変わるのか比較してください」
と相談する。
20畳あっても使えない4畳があれば、広さを活かせません。
反対に18畳でも、動線が整理され、庭へ視線が抜け、物が片付くなら広く感じる家をつくれます。
LDKは「何畳あるか」ではなく、「家族が自由に使える空間がどれだけあるか」で考えることが重要です。
















