質問
「断熱等級6・UA値0.46以下なら、C値はそれほど気にしなくてもいいですか?断熱性能が高ければ十分ではないのでしょうか?」
結論
断熱性能が高くても、気密性能は別に確認する必要があります。
断熱材は、
熱を伝わりにくくするもの。
気密は、
意図しない空気の出入りを抑えるもの。
役割が違います。
高断熱住宅の性能を活かすためにも、気密施工と実測C値を確認することが重要です。
① 「魔法瓶」に例えるだけでは不十分
高気密・高断熱住宅を「魔法瓶のような家」と表現することがあります。
分かりやすい例えですが、実際の住宅では、
断熱。
気密。
換気。
日射。
空調。
湿度。
が複雑に関係します。
断熱材を厚くして隙間を塞げば完成、ではありません。
② 意図しない空気の出入りが増える
隙間が多ければ、風圧や室内外の温度差などによって、意図しない空気の出入りが起こります。
冬なら冷たい外気。
夏なら高温多湿な外気。
が入る可能性も考えます。
③ 冷暖房にも影響する
せっかく冷暖房しても、意図しない空気の出入りが多ければ、室内環境を維持するうえで不利になる場合があります。
そのため、断熱と気密をセットで考えます。
④ 換気計画にも関係する
換気設備は、
ここから給気。
↓
室内を通る。
↓
ここから排気。
という計画を行います。
建物に意図しない隙間が多ければ、想定した空気経路への影響も考えられます。
⑤ 壁の中への空気移動にも注意
冬の室内空気には水蒸気が含まれています。
気密層の不連続部分などから湿った空気が壁体内へ移動し、条件がそろえば内部結露につながる可能性があります。
そのため前回の断熱編でも、
防湿・気密層の連続性
を重視しました。
⑥ C値が悪い=すぐ結露する、ではない
ここは正確に理解したい部分です。
C値だけで、
「壁内結露する・しない」
を判断することはできません。
壁内結露には、
温度。
湿度。
断熱。
防湿。
壁体構成。
通気。
気候条件。
なども関係します。
だから、C値だけで結露性能を断定しないことも重要です。
⑦ 高断熱化するなら施工品質も高める
UA値は図面上で高性能にできます。
しかしC値は、現場で実際に施工してみなければ結果が分かりません。
だから高性能住宅では、
設計
↓
施工
↓
検査
↓
気密測定
という流れが重要になります。
⑧ 「高気密です」ではなく測る
住宅会社が、
「気密には自信があります」
と言っていても、測定しなければ今回の住宅のC値は確認できません。
そこで、
全棟気密測定をしているか
を確認します。
チェックポイント
- UA値だけで判断していないか
- C値を測定するか
- 防湿・気密層を確認したか
- 貫通部の処理を確認したか
- 換気計画を確認したか
- 壁内結露対策を確認したか
- 全棟測定か確認したか
まとめ
住宅会社には、
「断熱等級6ならC値は気にしなくてもいいですよね?」ではなく、
「断熱等級6・UA値○○の性能を実際の家で活かすために、気密施工をどう行い、C値を全棟で測定していますか?」
と質問する。
断熱性能は図面で設計できても、気密性能は現場施工の結果として確認するものです。
だから高性能住宅では、
UA値を計算する。
C値を測る。
防湿・気密施工を確認する。
この3つをセットで考えることが重要です。
















