質問
「エアコンは余裕を持って大きめを選んだほうが安心だと思います。高気密・高断熱住宅でも、20畳のLDKなら20畳用を選べばいいですか?」
結論
高性能住宅では、「部屋の畳数=エアコンの畳数表示」だけで機種を決めないことが重要です。
エアコンは、
住宅の断熱性能+気密性能+窓+日射+地域+部屋の広さ
から必要な冷暖房能力を考えます。
高性能住宅では、従来の感覚で選ぶと必要以上に大きなエアコンになる可能性があります。
① 「○畳用」は住宅性能そのものを表していない
家電量販店では、
6畳用。
10畳用。
14畳用。
20畳用。
などと表示されています。
しかし同じ20畳LDKでも、
断熱性能が低い家。
断熱等級6の家。
大きな西窓がある家。
日射遮蔽された家。
では必要な冷暖房能力は同じとは限りません。
② 大きければ安心ではない
エアコン能力が大きければ、短時間で室温を下げたり上げたりできます。
しかし、住宅の負荷に対して必要以上に大きい機器が最適とは限りません。
必要な能力を計算して選ぶことが基本です。
③ 夏の除湿で問題になることも
高性能住宅では冷房負荷が小さく、室温が比較的早く設定温度へ到達する場合があります。
するとエアコンの冷房運転が弱まり、条件によっては、
室温26℃
でも湿度が高い
という状態になることがあります。
特に久留米の梅雨では重要なポイントです。
④ 小さければ小さいほどいい?
これも違います。
能力不足なら、
真夏に設定温度まで下がらない。
真冬に暖まらない。
常に高負荷運転。
となる可能性があります。
大きすぎず、小さすぎず、住宅負荷に合った能力を選びます。
⑤ 暖房能力も確認する
エアコン選びでは冷房能力だけでなく、
暖房能力
も確認します。
冬の外気条件で必要な暖房能力を確保できるかを見ることが重要です。
⑥ 最小能力も見る
高性能住宅では、最大能力だけでなくどこまで小さな能力で連続運転できるかも比較ポイントになります。
負荷の小さい時期に細かく能力を調整できれば、室温を安定させやすくなる場合があります。
⑦ COP・APFなど効率も確認
エアコンには、消費電力に対してどれだけ冷暖房能力を得られるかを示す性能指標があります。
単に、
一番大きな機種
ではなく、
必要能力+省エネ性能
で比較します。
⑧ エアコン位置も性能の一部
適切な能力でも、
壁の端。
家具で風が遮られる。
吹き抜け上部だけを冷やす。
など、設置位置が悪ければ能力を活かしにくくなります。
エアコン位置を間取り完成後に余った壁へ決めないことが重要です。
⑨ 室外機の位置も考える
室外機についても、
風通し。
直射日光。
メンテナンススペース。
近隣への音。
配管距離。
などを新築時から考えます。
⑩ 将来交換できるようにする
エアコンは住宅より寿命の短い設備です。
10年・15年後などに交換する可能性があります。
そのため、
配管。
専用コンセント。
室外機。
ドレン。
点検スペース。
などを、将来交換しやすい計画にしておきます。
⑪ 「高性能住宅だから小型1台」も決めつけない
高性能住宅のPRで、
「6畳用エアコン1台で家中快適」
などの表現を見ることがあります。
実際に可能な住宅もありますが、
建物面積。
UA値。
C値。
地域。
日射。
間取り。
家族の使い方。
によって条件は変わります。
数字だけを真似しないことが重要です。
チェックポイント
- 畳数表示だけで選んでいないか
- 冷暖房負荷を計算したか
- UA値・C値を反映したか
- 夏の日射を反映したか
- 除湿性能を確認したか
- 最大・最小能力を確認したか
- エアコン位置を設計段階で決めたか
- 将来交換しやすいか
まとめ
住宅会社には、
「20畳LDKなので20畳用エアコンですよね?」ではなく、
「今回のUA値・C値・窓・日射・間取りから冷暖房負荷を計算すると、必要なエアコン能力は何kWですか?」
と質問する。
エアコンは、大きければ安心という設備ではありません。
高性能住宅では、
家の負荷を小さくする
↓
必要能力を計算する
↓
その能力に合った機種を選ぶ。
この順番で考えることが、快適性・除湿・省エネを両立する空調計画につながります。
















