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車椅子生活を見据えた「可変性のあるバリアフリー間取り」

【背景と概要】

建て替えの計画時、多くのシニアは「まだ元気だから大丈夫」と、現在の身体能力に合わせた家を造りがちです。しかし、家は20年、30年と住み続けるものです。将来、杖が必要になったり、車椅子生活になったりしたときにも、リフォームなしでそのまま暮らし続けられる「先回りしたバリアフリー設計(ユニバーサルデザイン)」が求められます。

【車椅子対応の具体的な寸法と設計ルール】

  1. 廊下と出入口の有効幅:

一般的な住宅の廊下幅は芯々で910mm(有効幅約780mm)ですが、車椅子でスムーズに回転したり離合したりするには、廊下の有効幅を「850mm以上」、ドアの有効開口幅を「800mm以上」確保することが理想です。

  1. 開き戸から「引き戸」への変更:

車椅子や杖を使用している場合、前後の動きが必要な「開き戸」は非常に開け閉めしづらく、転倒の原因になります。家中の建具は、横にスライドするだけで軽い力で開閉できる「引き戸(上吊り式で床にレールのないもの)」を基本に選んでください。

  1. 玄関の段差解消とアプローチ:

道路から玄関、そして室内への段差を極力なくします。玄関土間の段差(上がりがまち)は、将来スロープやベンチが設置できるスペースをあらかじめ確保しておくか、段差を10cm以下に抑える設計にします。

【可変性(将来変化できる)という考え方】

最初からすべてを福祉施設のようにしてしまうと、かえって使いづらかったり、デザイン的に味気なくなったりします。そこで重要なのが「可変性」です。

  • 手すりの下地補強: 今は手すりが不要でも、将来必要になった場所にいつでもネジで固定できるよう、トイレ、お風呂、廊下、玄関の壁の内部に「下地(補強木材)」をあらかじめ入れておきます。これにかかる費用は数千円〜数万円ですが、後から壁を壊して下地を入れると数十万円かかります。
  • 間仕切りの変更: 将来、介護ベッドを入れることを見据え、寝室の隣にトイレを配置したり、引き戸を開放すればリビングと寝室が一続きになるような間取りにしておくと、お互いのプライバシーを保ちつつ、介護がしやすい家になります。

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