【背景と概要】
年齢を重ねると、視力(特に暗所での視力)が低下し、色のコントラストが見えにくくなります。また、わずかな段差に気づかずに転倒したり、キッチンの火の不始末や、戸締まりの確認ミスといったうっかりが増えたりします。新しい家では、住む人の「五感の衰え」を建物のハードウェア側で優しくサポートする設計が必要です。
【視力を補う照明計画(ライティング)】
高齢者は、若者の約2倍〜3回以上の「明るさ」が必要であると言われています。ただし、単に明るい電球をつけると、眩しさ(グレア)を感じて疲れてしまいます。
- 間接照明の活用: 光源が直接目に入らない間接照明や、壁・天井を照らすダウンライトを採用し、眩しさを抑えつつ部屋全体を均一に明るくします。
- 足元灯(フットライト)の自動点灯: 夜間、寝室からトイレに行く廊下や足元に、人の動きを感知して自動で点灯するセンサー式のフットライトを必ず設置します。夜中に暗い中でスイッチを探す手間が省け、転倒を劇的に防げます。
- 色温度の使い分け: リビングや寝室はリラックスできる温かみのある色(電球色)にし、キッチンや洗面所、書斎など、手元をしっかり見たい場所は、はっきりと見える白い光(温白色〜昼白色)にします。
【防犯と安全を追求した設計】
- キッチンの脱・火の気(IHクッキングヒーター): シニアの建て替えでは、袖口への着火や消し忘れを防ぐため、ガスコンロではなくIHクッキングヒーターへの変更を強くお勧めします。
- 防犯ガラスとスマートロック(電子錠): 空き巣被害や訪問販売などのトラブルを防ぐため、1階の窓にはシャッターや防犯複層ガラスを採用します。玄関ドアには、鍵の閉め忘れをスマートフォンや室内モニターで確認・施錠できる「スマートロック」や、鍵を持っていればボタンを押すだけで開閉できるシステムを導入すると、鍵穴が見えにくくなったシニアでもストレスフリーになります。
















