【背景と概要】
住宅展示場に足を運ぶと、営業マンから「今月中に契約していただければ、キャンペーンで150万円値引きします」「来月から資材価格が上がるので、今が一番お買い得です」といった猛烈なアプローチを受けることがよくあります。シニア世代は、その誠実そうな態度や焦燥感から、不十分な内容のまま「請負契約」を結んでしまい、後から大幅な追加費用が発生してトラブルになるケースが後を絶ちません。
【契約を急がせる営業トークの罠】
営業マンが契約を急がせる理由は、会社のノルマだけでなく、「契約を結んでしまえば、他社に逃げられないから」です。
最大の罠は、「間取りも設備も細部が決まっていない『仮の状態』で見積りを出され、契約を迫られること」です。この段階の見積りは、最低限の標準仕様(グレードの低いもの)で計算されているため、契約後に「お風呂に手すりをつけたい」「システムキッチンを使いやすいものに変えたい」「窓の断熱性を上げたい」と要望を出すと、すべて「追加工事費用」として数百万円単位で金額が跳ね上がります。
【失敗しないための自己防衛策】
- 「契約前の値引き」に騙されない:
「今だけ値引き」と言われても、契約後の追加工事でその値引き分は簡単に回収されてしまいます。予算の総額が確定するまでは、絶対に判を押してはいけません。
- 請負契約の前に「建築確認申請」が出せるレベルまで打ち合わせる:
間取り、コンセントの位置、キッチンのグレード、外構工事の範囲まで、すべて仕様書に落とし込んでもらい、これ以上金額が変わらない「確定見積り」を出してもらってから契約するのが鉄則です。
- 重要事項説明書・契約約款のチェック:
契約の前に必ず建築士から「重要事項説明」を受けます。この際、万が一工事が遅れた場合の「引渡遅延違約金」の規定や、万が一業者が倒産した場合の「住宅完成保証制度」に加入しているかをしっかり確認してください。文字が小さくて読みづらい場合は、コピーを事前にもらい、子どもなど信頼できる家族と一緒に自宅でゆっくり読み直す時間を確保しましょう。
















