結論:長年住んだ今の家(実家)を売却した際に出た「売却益(譲渡益)」にかかる約20%の税金を、今すぐ払うのではなく、将来(新しく買い換えた家をさらに手放すとき)まで「先送り(繰り延べ)」できる制度です。今の手取り額を最大化して、新しい平屋などの建築資金に丸ごと回すことができます。
「高齢になり、広すぎて階段の上り下りも危険な郊外の大きな実家を維持できなくなったため、売却し、利便性の高い駅前の小さな土地を買い直して、シニア向けのバリアフリーなコンパクトハウス(平屋など)に建て替える(住み替える)」というケースで、絶大な効果を発揮する特例です。
実家の土地を大昔に非常に安い価格で購入していた場合や、周囲の発展によって土地が高値で売れた場合、売却した金額から当時の購入費を差し引いた「利益(譲渡所得)」に対して、約20%(所有期間10年超の長期譲渡所得の特例を適用後)の譲渡所得税・住民税が課されます。
例えば、実家が3000万円で売れ、当時の購入価格が不明(売却額の5%とみなされます)な場合、約2800万円がまるまる利益とみなされ、その20%である約560万円という巨額の税金を、翌年の確定申告時に現金で一括納税しなければなりません。
しかし、この「特定の居住用財産の買換え特例」を適用すると、「今回実家を売って得たお金で、すぐに次の新しい家(建て替え先)を取得するなら、今回の確定申告での税金は0円で結構です。その560万円もすべて次の新しい家の建築費に回してください」という優遇を受けることができます(課税が将来に先送りされます)。
住宅売却の王道「3000万円特別控除」との天秤(比較)
自宅を売却する際、もうひとつ極めて有名な「居住用財産の3000万円特別控除」という制度もあります。こちらは、売却益の3000万円までを先送りではなく「完全に免除(チャラに)」してくれる制度です。
- シニアの賢い選び方:
- 実家を売った利益(売却益)が3000万円以下に収まる大半のケースでは、税金が将来にわたって永久に消滅する「3000万円特別控除」を選んだ方が圧倒的にお得です。
- 売却益が5000万円や1億円など、3000万円の枠を大幅に超えるような一等地の実家を売却し、かつ次に建てる新居の建築費・土地代の方が売却額よりも高いという特殊な場合に限り、今回の「買換え特例」を選んで税金を100%先送りするメリットが生まれます。
















