【背景と概要】
バリアフリーの洗面脱衣所を設計する際、単に「お風呂に入るために服を脱ぐだけの場所」として狭く作ってしまうのは非常にもったいないです。シニアの日常生活において、脱衣所は「最も転倒リスクが高く、かつ家事負担が大きい場所」の1つです。この空間を少し広めに確保し、ベンチの設置や洗濯動線を結合させる「マルチスペース(多目的空間)」に進化させることで、老後の暮らしの安全度と家事ラク度が跳ね上がります。
【脱衣所に「造作ベンチ(または椅子)」が絶対必要な理由】
シニア、特に高齢者が立ったまま靴下やズボンを脱いだり、バスタオルで身体を拭いたりする行為は、片足立ちになるため極めて不安定です。濡れた床の上でバランスを崩せば大事故になります。
- 解決策: 脱衣所の壁面に、あらかじめ腰掛けられる「折りたたみ式のベンチ」や「造作カウンターベンチ」を設置します。座った状態で落ち着いて服の着脱ができ、お風呂上がりに血圧が落ち着くまで一休みする「休憩スペース」としても機能します。
【「脱衣 ⇔ 洗濯 ⇔ 物干し」のゼロ歩動線設計】
コンパクトな平屋や減築の強みを活かし、洗面脱衣所を「ランドリールーム」として兼用させます。
- 動線の結合: 洗濯機のすぐ上、または隣に、天井吊り下げ式の「室内物干しホスクリーン(昇降式)」を設置します。
- メリット: 脱いだ衣類をその場で洗濯機に入れ、洗い終わったら重い洗濯カゴを運ぶことなく、座ったままその場で天井の物干し竿に干すことができます。さらに、洗面台のカウンターベンチをそのまま「洗濯物を畳むアイロン台」として使う仕様にすれば、家事動線がこの1部屋の中で「一歩も動かずに」完結します。
















