【背景と概要】
新しい家が完成し、引き渡しを受ける際、法務局に対して「この土地に新しくこのような建物が建ちました」という登録の手続きを行います。これを「登記(とうき)」と呼びます。シニアの建て替えでは、まず建物の物理的な状態を記録する「建物表題登記」を行い、その後に「この家は誰の所有物か」を証明する「所有権保存登記」を行います。この保存登記をする際にかかる国税が「登録免許税」であり、新築には一見地味ですが重要な軽減措置が用意されています。
【所有権保存登記の税率と軽減の仕組み】
原則として、新築建物の所有権保存登記にかかる登録免許税の税率は、国が定める建物の評価額(認定基準)の「0.4%」です。
しかし、一定の要件(個人が自分の住む家として新築、床面積50㎡以上など)を満たす場合、以下の軽減税率が適用されます。
- 一般の新築住宅:0.15%(本来の半分以下に軽減)
- 長期優良住宅、または低炭素住宅:0.1%(さらに優遇)
例えば、建物の評価額が2,000万円と算定された場合、本来なら8万円の税金がかかるところ、一般新築軽減なら3万円、長期優良住宅なら2万円にまで下がります。
【住宅ローンを組む場合の「抵当権設定登記」の軽減】
もし、シニア向けローン(リ・バース60など)を利用して建て替える場合、銀行は土地と新しい建物に「抵当権(担保の権利)」を設定します。この「抵当権設定登記」にも登録免許税がかかります。
- 原則:借入額の0.4%(例:2,000万円の借入なら8万円)
- 軽減適用後:借入額の0.1%(例:2,000万円の借入なら2万円)
【実務上の注意点:住宅用家屋証明書の取得】
これらの軽減措置を受けるためには、登記を申請する時点で、その建物が所在する市区町村役場が発行する「住宅用家屋証明書」という書類を添付しなければなりません。この証明書を取得するには、「新居への住民票の移動」が原則として必要になります。引っ越しのバタバタの中で住民票を移すタイミングが遅れると、軽減が受けられないまま通常の高い税率で登記されてしまうミスが起きるため、司法書士やハウスメーカーの登記担当者と事前に「いつ住民票を移すべきか」をすり合わせておく必要があります。
















