結論:親や祖父母から「住宅の取得・建築資金」として現金の贈与を受ける場合、省エネやバリアフリー等の質の高い住宅であれば、最大1000万円まで贈与税が完全に「非課税」になります。親から子へ、また所得等の要件を満たせば子から高齢の親への支援でも使えます。
実家の建て替えにおいては、「シニアの親の土地に、子ども世代が家を建てるために、親が退職金から資金を援助する(親→子)」、あるいは逆に「高齢になった親の一人暮らしが心配なので、安全な平屋に建て替えてあげるために、現役の子ども世代が資金をプレゼントする(子→親)」という、家族間での資金の移動がよく発生します。
通常、年間110万円(基礎控除)を超える現金を誰かから受け取ると、非常に重い贈与税が課されますが、住まいを新築・リフォームするための資金であれば、「住宅取得等資金の贈与税の非課税特例」という強力な免除制度を使うことができます。
この特例による非課税の限度額は以下の通りです。
- 質の高い住宅(断熱等級5以上、または耐震等級2以上、または高齢者配慮対策等級3以上のいずれか): 最大1000万円まで無税
- 上記以外の一般住宅: 最大500万円まで無税
シニアの建て替えであれば、バリアフリー化や省エネ化は必須要件となるため、ほぼ確実に「1000万円の非課税枠」を狙うことができます。
誰から誰への贈与が対象になるか?(直系尊属のルール)
この特例の絶対条件は「直系尊属(実の親、または実の祖父母)」からの贈与である点です。
- 親から子どもへ援助する場合(親→子): 子どもから見て親は直系尊属なので、当然使えます。
- 子どもからシニアの親へ援助する場合(子→親): 親(シニア)から見て子どもは「直系卑属(下の世代)」になるため、実はこの特例を使って子どもから親へ1000万円を無税で贈与することはできません。(※ここを勘違いしているケースが非常に多いです)。
子どもが親の家にお金を出す場合の正しい防衛策
もし、子どもが高齢の親の建て替え資金を出してあげたい場合は、親に現金を「贈与」するのではなく、「お金を出した割合(金額)に応じて、建物の名義(持分)の一部を子どもの名義として登記する(共有名義にする)」という方法をとります。これなら、子どもは「自分の資産(自分の持ち分の家)」にお金を払っただけになるため、親に1円も贈与税がかかることなく、合法的に資金を出すことができます。
















