結論:主債務者である「子ども」はもちろん、一緒に連帯債務者となる「親(シニア)」も、それぞれの所得(納税額)と、ローンの負担割合(建物の共有持分)に応じて、親子二人ともが同時に住宅ローン控除を受けることができます。
高齢になり、シニア単独では年齢制限(完済時80歳未満など)や年金収入のみという理由から長期の住宅ローンが組めない場合、同居する子どもが後継者となって一本のローンを一緒に返す「親子リレーローン(親子連帯債務型)」は、建て替えの資金調達において非常にメジャーな手法です。この場合、税務上も「親子二人で共同して家を建てた」と扱われます。
親子リレーローンで、親子それぞれが住宅ローン控除(年末のローン残高の0.7%を原則13年間、所得税・住民税から控除する制度)を適用するための絶対的な条件は以下の2点です。
- ローンの負担割合に応じて「建物の共有持分(名義)」を持つこと
例えば、総額3000万円のローンのうち、親が1000万円(3分の1)、子が2000万円(3分の2)を実質的に負担して返済していく場合、新築した建物の所有権登記も「親の持分1/3、子の持分2/3」という共有名義にする必要があります。ローンは二人で借りているのに、建物の名義を「100%子どものもの」にしてしまうと、親が払っているローンの元金分が子どもへの「贈与」とみなされ、莫大な贈与税を課される原因になります。
- その建物に「親子双方が同居」していること
住宅ローン控除は、原則として「自分が主たる居住の拠点として住んでいる家」にしか適用されません。建て替え後に一緒に住むことが大前提となります。
シニア世代における現実的な控除のパワーバランス
親子リレーローンは税務上二人とも控除を受けられますが、前述(Q11)の通り、シニアの親がすでにリタイアして年金生活の場合、所得税や住民税の納税額自体が少ないため、親の分のローン控除枠(年十数万円など)は使い切れずに無駄になってしまうケースが多いです。
そのため、実務的な資金計画としては、「ローンの負担割合(債務)のほとんどを現役バリバリで高い所得税を納めている子ども側に寄せ、建物の持分も子どもを多くすることで、子ども側の住宅ローン控除のメリットを最大限に爆発させる」ような割り振りにするのが、家族全体での納税額を最も減らせる賢い選択となります。
















