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住宅ローン控除(減税)をシニアが受けるための所得要件と定年後の注意点

【背景と概要】

「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」は、家を建てた人の金利負担を減らすため、年末のローン残高の一定割合を所得税や住民税から差し引いてくれる非常に大きな減税制度です。現役世代向けの制度と思われがちですが、シニア世代であっても、60代でまだ働いている場合や、リ・バース60等のローンを組んだ場合は対象になります。ただし、現役時代とは「収入(所得)の構造」が異なるため、シニア特有の計算の罠が存在します。

【制度の基本とシニアの所得制限】

2026年現在の一般的な住宅ローン控除は、年末のローン残高の「0.7%」が最大13年間(新築の場合)、所得税から控除されます。

適用を受けるための最大のハードルは、「その年の合計所得金額が2,000万円以下(一部要件により1,000万円以下)」であることです。リタイア後にまとまった退職金を受け取った年や、株・不動産の売却益が出た年は、一時的に所得が2,000万円を超えてしまい、その年だけローン控除が1円も受けられなくなるケースがあります。

【定年後・年金生活者における「枠の使い切れなさ」問題】

シニアが最も注意すべきは、「控除されるのは、自分が納めている所得税と住民税が上限である」という点です。

現役時代のように高い所得税を納めている間は、0.7%分の減税効果をフルに享受できます。しかし、定年退職して収入が「年金のみ」になった場合、あるいは再雇用で給与が激減した場合、そもそも毎月納めている所得税・住民税の額自体が非常に少なくなります。

  • 例:年末ローン残高が2,000万円の場合
    • 本来の控除枠:2,000万円 × 0.7% = 14万円
    • シニアの現在の所得税・住民税の納税額:合計 5万円
    • 結果:引ける税金が5万円しかないため、残り9万円分の控除枠は切り捨て(無駄)になります。

つまり、シニアの建て替えにおいて、ローン控除があるからと無理に多額のローンを組んでも、自身の納税額が少なければ減税のメリットを全く活かせません。資金計画を立てる際は、営業マンが提示する「〇〇万円お得になります」という一般論のシミュレーションを鵜呑みにせず、自身の「源泉徴収票」や「住民税決定通知書」を見ながら、実際にいくら税金が戻ってくるかを冷徹に計算する必要があります。

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