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二世帯住宅における「区分所有登記」と「共有登記」の税務上の分岐点

【背景と概要】

親の世代の建て替え時に子ども世帯と同居する場合、二世帯住宅の「登記の方法」をどうするかによって、将来の相続税や毎年の固定資産税の優遇措置が受けられるかどうかの運命が完全に分かれます。登記方法には大きく分けて、1棟の建物を親と子で割合を決めて所有する「共有登記」と、1階と2階を完全に別の独立した家として別々に名義を登録する「区分所有登記」の2つがあります。

【小規模宅地等の特例における致命的な違い】

もっとも注意すべきは、第1件で解説した土地の評価額を80%下げる「小規模宅地等の特例」との連動です。

かつては、建物の内部で行き来ができない「完全分離型」の二世帯住宅の場合、区分所有登記にしていると、親の住む部分の土地しか特例が使えず、子どもの住む部分の土地には特例が使えないという不利益がありました。

現在は税制改正により、「完全分離型であっても、建物全体を【共有登記】にしていれば、土地全体(330㎡まで)に特例を適用できる」ようになりました。

逆に言えば、現在でも「区分所有登記」を選択してしまうと、子どもの居住部分にあたる土地の評価額減額特例が使えなくなってしまいます。 これは数百万〜数千万円の増税に直結するため、特別な事情がない限り、二世帯住宅の建て替えでは区分所有登記は避けるべき、というのが税務の定説となっています。

【その他の税金面での比較】

  • 固定資産税の軽減措置:

住宅の新築時には、1戸あたり120平方メートルまでの床面積に対する固定資産税が3年間(長期優良住宅は5年間)半分に減額されます。区分所有登記の場合、「2戸」としてカウントされるため、広い二世帯住宅であれば、それぞれで軽減枠を最大限に使えるというメリットがあります(共有登記でも、構造や自治体の判断によって2戸分と認められるケースもありますが、手続きが複雑です)。

  • 住宅ローン控除:

親と子それぞれがローンを組む場合、共有登記であればそれぞれの持分に応じて住宅ローン控除(減税)を受けられます。

結論として、将来の相続税負担(土地の評価)を最優先にするならば「共有登記(資金負担割合に応じた持分)」を選ぶのが最も安全な正解となります。

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