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予算管理と予備費:建物本体価格に縛られず「総予算」でコントロールする

「建物本体価格」という言葉だけで予算を組むのは、シニアの建て替えにおける最も致命的な失敗パターンの一つです。新築には、解体費、仮住まい費用、地盤改良費、外構工事、ライフライン引き込みなど、本体価格以外に付帯する莫大な諸費用がかかります。これらを合計した「総予算」を把握せず、本体の豪華さばかりを追求すると、最終的に資金がショートする危険があります。

  1. 「総額予算」の可視化

契約前に必ず「本体工事費」「付帯工事費」「設計・申請費用」「諸経費」のすべてを網羅した総額の見積もりを出させてください。多くの見積書は、本体価格を目立たせ、諸経費を別紙に隠す傾向があります。これらをすべて一つの表にまとめ、最終的に自分がいくら払うことになるのかを把握することが、冷静な判断の第一歩です。

  1. 「予備費10%」の確保は鉄則

どんなに精緻な見積もりでも、着工後に「想定外の地中障害物」が出ることは珍しくありません。昔の家の基礎コンクリート片が地中に残っており、撤去費用に数百万円かかる事例もあります。こうした不測の事態に備え、総予算の最低10%を「予備費」として確保し、できれば最初から予算内に組み込んでおいてください。もし予備費を使わずに済めば、それはそのまま老後の貯蓄に戻ります。

  1. 予算内で「削る・残す」の優先順位

もし予算を超過した場合は、直感で削るのではなく「変えられないもの」と「後から変えられるもの」に分類してください。構造や断熱性能は後から変更不可能です。一方で、設備や内装材は将来的なリフォームで調整が可能です。予算が厳しい時は、目先の見た目よりも、将来のメンテナンス費や光熱費を左右する断熱仕様などを優先し、設備はグレードを抑えておくことが、長く住み続けるための賢い戦略です。

予算管理の成功は、余裕を持った資金計画を立て、不測の事態を「想定内」にしておく精神的なゆとりにあります。お金の不安を消し去ることで、家づくりのプロセス全体に余裕が生まれ、結果として納得感の高い住まいが実現するのです。

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