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シニア世代で現金の建て替え(ローンなし)の場合、所得税の減税は受けられる?

結論:受けられます。住宅ローンを一切組まない「現金(自己資金)での取得」であっても、税制改正により延長された「投資型減税(認定住宅等新築特例)」を適用することで、その年の所得税から直接大きな控除を受けることができます。

住宅に関する減税といえば「住宅ローン控除」が有名ですが、退職金や長年の預貯金を原資とし、金利負担を嫌って「100%現金(キャッシュ)で実家を建て替える」というシニアは非常に多いです。これに対して、「ローンがないから減税は1円も関係ない」と思い込んでいる方が多いですが、それは大きな誤解です。

国は、現金取得であっても省エネや耐久性に優れた質の高い家を建てる人を応援するため、「投資型減税(認定住宅等新築特例)」を用意しています。この制度は期限を迎えつつありましたが、最新の税制改正において無事に延長が決定しました。これにより、現金で建て替えるシニアでも、仕様に応じた「標準的な性能強化費用」の10%にあたる額を、その年の所得税からダイレクトに差し引く(控除する)ことができます。

性能ごとの最大控除額(上限枠)は以下の通りです。

  • 長期優良住宅・低炭素住宅: 最大65万円の所得税控除
  • ZEH(ゼッチ)水準住宅: 最大50万円の所得税控除
  • 省エネ基準適合住宅: 最大40万円の所得税控除

年金生活シニアが直面する「所得税額」の注意点

この投資型減税は今も有効で強力な制度ですが、シニア世代が利用する際に必ず知っておくべき「最大の壁」があります。それは、「自分自身がその年に納める(納めた)所得税の額までしか戻ってこない」という仕組みです。

もし現役でまだ働いていて高い所得税を払っているシニアや、退職金を受け取った年で一時的に所得税額が高い方であれば、65万円の控除枠をフルに使い切って多額の還付金を受け取ることができます。

しかし、すでに完全リタイアして年金生活に入っており、「年間でそもそも数万円しか所得税を納めていない」というシニアの場合、国から提示された控除枠が65万円あったとしても、「自分が実際に納めた数万円」までしか税金は戻ってきません。 住宅ローン控除とは異なり、引ききれなかった分を「翌年の住民税」から差し引いてくれる救済措置がこの投資型減税にはないためです。

そのため、現金で建て替える際は、昨年の源泉徴収票や確定申告書で自分の「所得税額」を確認し、ハウスメーカーに支払う「認定(長期優良住宅など)を取るための追加費用」と「実際に自分の所得税から戻ってくる減税額」のコストバランスを、契約前に天秤にかけて計算することが賢いシニアの防衛策となります。

 

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