【背景と概要】
昔ながらの実家のお風呂(在来工法タイル貼り)は、浴槽の縁が高く、床面から50cm〜60cm以上もあることが普通でした。高齢になると、片足でバランスを取りながらこの高い壁を跨いで湯船に入る行為は、滑りやすく非常に危険な労働になります。最新のユニバーサルデザインに基づいたシステムバス(ユニットバス)の選定基準と、身体を支える正しい手すりの配置バランスを解説します。
【浴槽の高さは「40cm」が人間工学の正解】
最新のシニア向けシステムバスは、浴槽のまたぎ高さが「床面から40cm」前後に設計されています。これは、シニアの平均的な膝の高さとほぼ同じであり、足を大きく上げる必要がないため、片足立ちになっても姿勢が崩れにくい「黄金の寸法」です。さらに、浴槽の底面も脱衣所の床と同じ高さまで深く掘り下げられて設置されているため、入るときも出るときも無理がありません。
【お風呂での大事故を防ぐ「手すりの3点配置ルール」】
浴室には、動作ごとに連動する「最低3箇所」の手すりが必要です。
- 出入り口の「縦手すり」:
脱衣所から浴室の一歩目を踏み出す際、濡れた床で滑らないようにドアの横の壁に設置します。
- 洗い場からの立ち上がり用「L字型手すり」:
シャワーチェア(椅子)から立ち上がるとき、および浴槽へ移動する際の手がかりとして、水栓(蛇口)の上の壁面に合わせて設置します。
- 浴槽内の「水平手すり」:
湯船の中で姿勢を安定させたり、湯船から立ち上がったりする際、握りやすいように浴槽の縁の真上の壁に横向きに設置します。
これらの手すりは、濡れた手でも滑らないように、表面に凸凹のディンプル加工が施された樹脂製のものを選ぶことが重要なディテールです。
















