質問
「Low-Eペアガラス、Low-Eトリプルガラスと書いてありますが、普通の複層ガラスと何が違うのでしょうか?遮熱タイプと断熱タイプはどう選べばいいですか?」
結論
Low-Eガラスとは、ガラス表面にLow-E(低放射)膜を設け、放射による熱の移動を抑えることを目的としたガラスです。
重要なのは、
「Low-Eだから高性能」で終わらせず、どれだけ熱を通すか、どれだけ日射熱を取り込むか
を確認することです。
特に久留米では、冬の日射を取り込みたい窓と、夏の日射を抑えたい窓を分けて考えることが重要です。
① Low-E膜は何をする?
Low-E膜は、赤外線領域の放射による熱移動を抑える働きを持たせた特殊な金属膜です。
複層ガラスと組み合わせることで、窓の断熱・日射性能を調整します。
② 「遮熱型」とは?
一般的に遮熱型と呼ばれる仕様は、日射熱を室内へ取り込みにくくする方向に設計されています。
例えば、
西側。
強い日射が入りやすい窓。
などで検討します。
③ 「断熱型」とは?
一般に断熱型・日射取得型などと呼ばれる仕様では、窓の断熱性を確保しながら、冬の日射熱を比較的取り込みやすくする考え方があります。
南側で冬の日射を活用したい場合などに検討します。
④ 南側は遮熱型にしないほうがいい?
一律には決められません。
南側に、
冬の日射が十分入る?
隣家で遮られない?
大きな軒がある?
夏の日射を外側で遮れる?
などによって選択が変わります。
冬の日射取得を積極的に利用するなら、ガラスの日射取得性能を確認します。
⑤ 西側は遮熱型だけで十分?
ここも注意が必要です。
遮熱性能の高いガラスを採用しても、西日を完全に止められるわけではありません。
特に夕方の低い角度の日射では、
外付けシェード。
すだれ。
外部ブラインド。
植栽。
窓を小さくする。
など、外側での日射遮蔽も有効です。
⑥ U値とη値の両方を見る
窓選びでは、代表的に、
U値
→ 熱の通しにくさ。
η値・日射熱取得率
→ 日射熱をどれくらい室内へ取り込むか。
という異なる性能があります。
U値が小さい=日射も入らない
とは限らないため、分けて考えます。
⑦ 「夏涼しい」と「冬暖かい」は窓で両立できる?
考え方としては、
冬
→ 必要な日射を取り込む。
夏
→ 外側で日射を遮る。
という季節ごとのコントロールが重要です。
特に南面では、太陽高度の違いを利用して軒・庇を計画する方法があります。
⑧ ガラスの色だけで判断しない
Low-Eガラスには製品によって色味の違いがあります。
しかし、
ブルーだから遮熱。
透明だから断熱。
など、見た目だけで性能を判断しません。
必ずメーカーの性能値を確認します。
⑨ 方角別に考える
大まかな考え方として、
南
→ 冬の日射取得と夏の遮蔽を両立。
西
→ 夏の日射遮蔽を重視。
東
→ 朝の日射を考慮。
北
→ 断熱性能を重視しやすい。
と整理できます。
ただし、周辺建物・窓サイズ・間取りによって変わります。
チェックポイント
- Low-Eの意味を理解したか
- U値を確認したか
- 日射熱取得率を確認したか
- 南側の日射取得を考えたか
- 西側の日射遮蔽を考えたか
- 外付けシェード等も検討したか
- 色だけでガラスを選んでいないか
まとめ
住宅会社には、
「Low-Eガラスだから高性能ですよね?」ではなく、
「この窓のU値と日射熱取得率はいくつで、南・東・西・北それぞれにどのLow-Eガラスを使う計画ですか?」
と質問する。
Low-Eガラス選びで重要なのは、遮熱型と断熱型のどちらが上かを決めることではありません。
冬は必要な熱を取り込み、夏は不要な熱を入れない。
久留米の気候と窓の方角に合わせて、ガラス性能を使い分けることが重要です。
















