「Low-Eガラスってよく聞きますが、普通のガラスと何が違うんですか?」
Q7で、
ペアガラス。
トリプルガラス。
について説明しました。
そこで出てきたのが、
Low-Eガラス
です。
高性能住宅の窓ではよく使われますが、
「Low-Eだから高性能」
だけで終わらせず、
何をするガラスなのか
を理解しておきましょう。
そもそもLow-Eとは?
Low-Eとは、
Low Emissivity
の略です。
日本語では、
低放射
という意味です。
ガラス表面に特殊な金属膜を設け、
放射による熱の移動を抑える
働きを持たせたガラスです。
目に見えない薄い金属膜
Low-Eガラスには、
非常に薄い金属膜が使われています。
この膜によって、
室内外の熱の移動や太陽から入る日射を調整します。
つまり、
Low-Eガラスは、
ただ透明な板が2枚・3枚並んでいるだけではない
ということです。
「遮熱タイプ」と「断熱タイプ」って何?
住宅会社によって、
遮熱型Low-E
断熱型Low-E
などと説明されることがあります。
大まかに考えると、
遮熱タイプ
→ 太陽の日射熱を室内へ入れにくくする方向を重視
断熱タイプ
→ 室内の熱を外へ逃がしにくくしながら、日射取得も考える方向
という違いがあります。
ただし商品ごとに性能は異なるため、名称だけで判断せず性能値を確認します。
南側は冬の日射を取り込みたい場合がある
冬の南側。
太陽高度が低くなり、
窓から日射を取り込める条件なら、
太陽の熱を室内の暖かさに利用する
という設計ができます。
その場合、
日射を強くカットすることだけが正解とは限りません。
冬の日射をどの程度取り込むかも考えます。
西側は日射を抑えたい
一方、
西側。
夏の夕方には低い角度から強い日射が入ります。
この場合は、
ガラスの日射性能。
窓の大きさ。
外付けシェード。
植栽。
などを使って、
できるだけ不要な日射を室内へ入れない
という考え方が重要になります。
つまり家中同じLow-Eでいいとは限らない
南。
東。
西。
北。
では、窓の役割が違います。
だから、
「Low-Eガラスが標準です」
だけではなく、
「方角によってガラス仕様を変えていますか?」
と聞いてみる価値があります。
住宅全体の日射設計によって判断します。
日射熱取得率も見る
Low-Eガラスを詳しく比較するときには、
日射熱取得率
という指標があります。
簡単に言えば、
太陽の日射熱をどの程度室内へ取り込むか
を見るための数値です。
数値が大きければ日射熱を取り込みやすい方向。
小さければ日射熱を抑えやすい方向。
と考えます。
ただし、製品仕様や表示方法を確認して比較してください。
Uw値との違いは?
Q5で説明したUw値は、
窓全体から熱がどの程度移動しやすいかを見る指標。
一方、日射熱取得率は、
太陽からの日射熱をどの程度取り込むかを見る指標。
です。
つまり窓には、
熱を逃がさない性能
と、
太陽熱を入れる・抑える性能
の両方があります。
「断熱」と「遮熱」は同じではない
ここがQ8の重要ポイントです。
断熱性能が高い。
=
太陽の日射をすべて遮る。
ではありません。
冬には日射を取り入れたい場合があります。
夏には日射を遮りたい。
だから、
季節+方角+窓性能
で考えます。
ガラスだけで西日対策をしない
遮熱性能の高いLow-Eガラスを使えば、西日対策になる場合があります。
しかし、
大きな西窓。
強い夏の日射。
では、ガラスだけに頼らず、
外付けシェード。
庇。
植栽。
窓サイズ。
なども組み合わせます。
窓へ日射が当たる前に遮る
という考え方も重要です。
よくある失敗例
住宅会社から、
「全窓Low-Eなので高性能です」
と言われて安心。
しかし、
南も西も同じガラス仕様。
日射取得率について説明を受けていなかった。
夏は西側の日射が気になる一方、
冬に南側からどの程度日射を取り込める設計なのかも分からない。
「Low-Eという名前ではなく、方角ごとの役割を確認すればよかった」
と感じた。
チェックポイント
- Low-Eの意味を理解したか
- 遮熱・断熱タイプの違いを確認したか
- 方角ごとのガラス仕様を確認したか
- 南側の冬の日射取得を考えたか
- 西側の夏の日射遮蔽を考えたか
- 日射熱取得率を確認したか
- Uw値との違いを理解したか
- 窓サイズまで考えたか
- 軒・庇との組み合わせを考えたか
- 外付けシェード等も検討したか
まとめ
Low-Eガラスとは、
特殊な金属膜によって、熱の移動や日射をコントロールするガラス
です。
大切なのは、
Low-Eかどうかだけではありません。
南側なら、
冬の日射をどう利用する?
西側なら、
夏の日射をどう防ぐ?
と考える。
そして、
Uw値=熱の伝わりやすさ。
日射熱取得率=太陽熱の取り込みやすさ。
この2つを分けて理解する。
だから住宅会社へ、
「Low-Eガラスですか?」だけではなく、「南側と西側でガラス仕様をどう使い分けていますか?その理由は何ですか?」
と聞いてみる。
高性能なガラスを選ぶのではなく、方角と季節に合ったガラスを選ぶ。
これがLow-Eガラスを活かすポイントです。
















