「貯金が300万円あります。住宅ローンを早く減らすために繰上返済したほうがいいですか?」
結論
貯金があるから、すぐ繰上返済するのが正解とは限りません。
まず優先したいのは、
生活防衛資金
+近い将来の教育費
+車の買替え
+住宅修繕費
+老後資金
など、これから必要になる現金です。
そのうえで余裕資金があれば、繰上返済を検討します。
繰上返済とは?
毎月の住宅ローン返済とは別に、まとまった金額を元金返済へ充てる方法です。
元金を早く減らすことで、将来支払う利息を減らせる可能性があります。
繰上返済には主に2つある
一般的には、
期間短縮型
→ 毎月返済額を大きく変えず、返済期間を短くする
返済額軽減型
→ 返済期間を大きく変えず、毎月返済額を軽くする
という方法があります。
金融機関の商品条件を確認します。
早く返せば必ず得?
利息だけを考えれば、元金を早く減らすメリットがあります。
しかし、
現金を住宅ローンへ入れた後に、そのお金が必要になったら?
まで考える必要があります。
例えば貯金300万円を全部返済したら?
住宅ローン残高は減ります。
しかしその直後に、
車の買替え200万円。
教育費100万円。
給湯器故障。
となれば、新たな借入が必要になる可能性があります。
※金額は説明用の例です。
住宅ローンより高い金利で借りたら?
低金利の住宅ローンを繰上返済。
↓
現金がなくなる。
↓
車・教育費等で高い金利のローンを利用。
となれば、家計全体では必ずしも有利とは限りません。
まず生活防衛資金を残す
収入が一時的に減っても生活できる現金を確保します。
必要額は、
家族人数。
毎月生活費。
共働きか。
収入の安定性。
などで変わります。
次に「5〜10年以内に使うお金」を確認
例えば、
子どもの大学進学。
車の買替え。
住宅設備交換。
などです。
近い将来に使う予定のお金まで繰上返済へ回さないことが重要です。
住宅修繕費も残す
新築から10年・15年と経過すれば、
給湯器。
エアコン。
食洗機。
換気設備。
外壁等。
の修理・交換が発生する可能性があります。
住宅ローン控除期間中は?
住宅ローン控除等を利用している場合、繰上返済によって年末残高が減ると、控除額へ影響する可能性があります。
また、返済期間を短縮することで制度上の要件に影響するケースも考えられます。
繰上返済する時点の制度・適用条件を確認
します。
金利が高いローンほど効果は大きくなりやすい
一般に、住宅ローン金利が高いほど、元金を早く減らすことで削減できる利息は大きくなりやすくなります。
逆に低金利なら、
現金を手元に残す価値との比較
がより重要になります。
50代・60代なら完済年齢も考える
例えば55歳で住宅ローン。
↓
75歳完済。
という場合。
老後資金を十分確保したうえで、繰上返済によって完済年齢を早めることを検討する価値があります。
「現金を残す」ことにも価値がある
住宅ローン残高が減る安心。
と、
銀行口座に300万円ある安心。
は別です。
家計の安全性という意味では、現金を持つことにも大きな意味があります。
繰上返済は後からでもできる
現金を残して、
家計が安定。
教育費の見通しも立った。
十分な修繕積立もできた。
↓
その時点で繰上返済。
という方法もあります。
チェックポイント
- 生活防衛資金を残したか
- 教育費を確認したか
- 車の買替えを考えたか
- 修繕費を確保したか
- 老後資金を確認したか
- 住宅ローン金利を確認したか
- 控除への影響を確認したか
- 繰上返済後の現金残高を確認したか
まとめ
繰上返済と貯金で迷ったら、
「住宅ローンを早く減らすこと」だけを目的にしないこと。
まず、
必要な現金を残す。
そのうえで余裕資金があれば繰上返済を検討します。
金融機関には、
「300万円繰上返済したらいくら得ですか?」だけではなく、「利息はいくら減り、完済年齢は何歳になり、手元資金を残した場合とどう違いますか?」
と聞く。
住宅ローン残高を減らす安心と、現金を持っている安心。
両方を比較して決めることが重要です。
















